大学の学部譲渡と労働契約承継
こんな記事を見て気になったことがあります。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201906/CK2019060602000295.html (私大間、学部譲渡しやすく 文科省が再編統合後押し)
文部科学省が、私立大同士で学部の譲渡ができるよう制度を改正し、全国の学校法人などに通知したことが六日、分かった。従来は特定の学部だけを譲り渡すことはできず、いったん学部を廃止した後、譲渡先の大学が改めて新設する必要があった。
十八歳人口が減少し、私大経営は厳しさを増している。文科省は、強みのある学部に教育資源を集中させようとする私大などの利用を見込んでいる。学部譲渡の手続きが大幅に簡素化されたことで、私大の再編が進む可能性がある。
当該の学部などの学生は、譲渡によって在籍する大学が変わることになる。所属する教員の待遇や研究体制の維持にも目配りが必要となる。文科省は、学生や保護者らに対して十分な説明機会を設けるといった配慮も求めている。
この場合、学部の譲渡というのは事業譲渡に当たるのでしょうか。つまり、大学というのは2016年の事業譲渡等指針でいう会社等の「等」に含まれるのでしょうか。
中教審が昨年十一月、円滑な学部単位の譲渡ができる仕組みを作るよう答申したことから、検討が進められていた。既に関西国際大(兵庫県三木市)と神戸山手大(神戸市)が制度活用に手を挙げている。
とあるので、その中教審答申を見てみても、
さらに、これらの各大学におけるマネジメント機能や経営力を強化する取組に加え、複数の大学等の人的・物的リソースを効果的に共有すると同時に教育研究機能の強化を図るため、一法人一大学となっている国立大学の在り方の見直し、私立大学における学部単位等での事業譲渡の円滑化、国公私立の枠組みを越えて大学等の連携や機能分担を促進する制度の創設など、定員割れや赤字経営の大学の安易な救済とならないよう配意しつつ、大学等の連携・統合を円滑に進めることができる仕組みや、これらの取組を促進するための情報の分析・提供などの支援体制の構築など実効性を高める方策について検討することが必要である。
とあるだけで、詳しいことはよくわかりません。
これから若年人口がますます減少し、大学等の経営も苦しくなっていくでしょうから、いろいろと問題が起こってくることが予想されます。学部譲渡に伴う労働契約の承継不承継問題なんてのも、あちこちで発生するのかもしれません。
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「学部の譲渡」で労働者をポイできること自体の是非はおくとして、その前提として、「学部の廃止」の場合でも可であるべきですよね。まあ、事業でも同じですが
「やってる感」だけの政策なのか、それとも、「廃止」でできないものを「譲渡」ではできるようにする筋悪な話なのか、それとも、「廃止」も含めた包括的な話なのか、今市、よく分からないですね
投稿: またぎZ | 2019年6月11日 (火) 06時22分