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2019年5月24日 (金)

『DIO』347号

Dio3471 連合総研の『DIO』347号は、「労働審判法制定15年」が特集です。

https://www.rengo-soken.or.jp/dio/e279cef108bdf97542de07264f2f5e32756101b8.pdf

労働審判制度の課題と展望 浜村彰……………………4
労働者側代理人からみた労働審判制の意義と課題 徳住堅治…………………9
使用者側代理人から見た労働審判制度の意義と課題 木下潮音 ……………… 13
労働審判員の役割と課題 田村雅宣 ……………… 18

A1aee1592b14d7fde8e4c099a6b7d436_1 労働審判については、私自身が労働局のあっせん、裁判上の和解との比較分析のために実態を調べたことがあるだけに、大変興味深く読みました。

浜村彰さんのこの一節は、まさにそう思います。時間的コストは労働審判はあっせんとあまり変わらないくらい迅速なのに、専門家の利用コストという面では、圧倒的大部分が弁護士を利用せざるを得ないという大きな違いがあります。

 その2つとして、労働審判が簡易な手続を謳っている割に弁護士依頼のコストが高く、それが労働審判事件数の伸びを抑えているのではないか、と思われることである。手続的には代理人弁護士を立てることは義務付けられていないが(労働審判法4条1項)、3回の期日で迅速に処理するという迅速性の原則から代理人として弁護士を立てることが事実上必須となっている。
 しかし、紛争解決の迅速性が労働審判手続の大きなメリットであり、迅速な争点整理と短期集中的審理を行うためには法曹専門家たる代理人弁護士を立てることが必要だとしても、だからといって、それが資力のない労働者にとって法的救済を受けるうえでの大きな障害となってはもともこもない。弁護士依頼のコストが労働審判制度の利用の大きなハードルとなっているとするならば、補佐人の活用など本人申立てに対する支援制度を整えるとともに、弁護士以外の専門家の活用を広く認めるべきである。裁判所は、労働審判法4条1項但書の許可代理制度(これによれば、裁判所は当事者の権利利益の保護及び労働審判手続の円滑な進行のために必要かつ相当と認めるときは、弁護士以外の者を代理人とすることを許可することができる)の活用を広く認め、弁護士以外の社会保険労務士や労働組合の活動家などが代理人として資力のない労働者を支援することを柔軟に認めるべきであろう。

今回の特集では出てきませんが、これまではあっせんの対象であった「いじめ・嫌がらせ」が、現在国会にかかっている法改正案が成立したら、セクハラ等と一緒に調停に移行するということが、個別労働紛争システムにおける大きな変化になる可能性があります。周知の如く、既にいじめ・嫌がらせ件数は解雇件数を大きく上回っており。現在はあっせんということで、両方からささっと聞いてちゃちゃっっと決着(本当にいじめがあったのかどうかも詰めずに)ということでやっていますが、調停ということで、同僚たちも参考人として呼んで確認して、というような手続きをすることになると、そうとうに「重い」仕組みになるかも知れません。

2017年度の数字ですが、セクハラの調停申請が調停申請件数全46件中34件に過ぎないのに対して、いじめ・嫌がらせはあっせん申請件数5021件のうち、1529件に上ります。

 

 

 

 

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