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2019年5月18日 (土)

教員の多忙化問題@『法学セミナー』6月号

08044 主として学生向けの法律雑誌である『法学セミナー』6月号が、何を思ってか「教員の多忙化問題ーー働き方改革のゆくえ」という特集を組んでいます。

https://www.nippyo.co.jp/shop/magazines/latest/2.html

教職員の『多忙化』をめぐる法的問題 ーー給特法の法構造問題を中心に……高橋 哲

[座談会]教職員の多忙化問題ーー法学と教育学から考える……石井拓児、内田 良、高橋 哲、堀口悟郎

中教審『答申』をどう読むか……萬井隆令 ーー「労働」の意義の分析を欠く、“底の抜けた樽”

『ジュリスト』や『法律時報』でもやっていないのに、『法学セミナー』でこの問題を取り上げた決断にまずは敬意を表したいですね。

この問題、原則の労働基準法を地方公務員法がねじれさせているのを、さらに給特法がねじれさせているという複雑な構造をしているんですが、高橋さんの論考も、内田さんらの座談会も、そのわけわかめになりそうな構造を見事に解説しています。

この問題については、わたしも今年2月に『労基旬報』でちょびっと論じてみたのですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/2019225-de99.html (「公立学校教師の労働時間規制」@『労基旬報』2019年2月25日号)

この中でも、労使対等原則に基づく規定は片っ端から否定しているくせになぜか労働基準法第36条は適用除外されていないということは指摘をしています。

そして、いわゆる超勤4項目に該当しない(「自発的」ということになっているけれども、実際にはやらざるを得ない)時間外業務については、読み替えの読み替えによる第33条第3項ではなくて、原則に戻って第36条による労使協定が必要になるはずというのは、法律を厳密に読めばそうなると思います。ただ、給特法によって読み替えられた地方公務員法によって第37条は丸ごと適用除外されてしまっているので、厳密には36協定を締結しなければならないけれども、それによる時間外勤務に残業代を払う必要はないということになるように思われます。

この点、萬井さんの論文では、

・・・給特法に関して言えば、37条の適用除外は、限定4項目に係る超勤を想定したもので、通常業務に係る36協定による超勤まで含むものではない。・・・

という(憲法27条から降りてくる)解釈をしているのですが、これはやはり読み替えられた明文の実定法規定に反していると思います。残念ながら、給特法の条文上、4項目以外に現実に労働基準法上の明らかな時間外労働があった場合については確かに法律の穴が開いていて(だから「自発的」というインチキを言い募らなければならなくなる)、法律上適用除外されていない第36条を使わないとその穴がふさがらないのですが、37条の適用除外は(たまたま同じ法改正で導入されたとはいえ)法文上その4項目に限定する形で規定されていないので、36協定による4項目以外の時間外労働でも、37条の適用はないとしか言いようがないでしょう。そこは「法律が欠けつしている場合」ですらないように思います。

 

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