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関島康雄『改訂チームビルディングの技術』

Bk00000543 同じく讃井さんからお送りいただいたのが関島康雄『改訂チームビルディングの技術』(経団連出版)です。

http://www.keidanren-jigyoservice.or.jp/public/book/index.php?mode=show&seq=543&fl=

みんなを本気にさせるマネジメントの基本18
◆強いチームが仕事をおもしろくする
◆一人ではつくり出せない変化をつくる
◆多様な意見が、新しい切り口をもたらす

企業は製品をどうつくるか(how to make)から、何をつくるか(what to make)に変化してからだいぶたつ。今日では、さらに進んで「どう変えるか」(how to change)が最大の課題となっている。環境条件が激しく変化する時代には、強いものが生き残るのではなく、環境変化に対応できたものが生き残るからだ。

どうやって変化にすばやく適応していくのか、という問いに、リーダーが答えをもっているとは限らない。そもそも、問題が複雑になると、組織の責任者がいつもリーダーとしてふさわしいとは限らず、問題ごと、問題解決のステップごとに違う人をリーダーとしたほうが効率がよい場合も生じる。このような複雑な問題に取り組む際にとられる方法の一つが、チームによる解決である。

しかし、いろいろな専門家を問題解決に向けて努力させ、一定期間のうちに、ひとつの結論を出すのは簡単なことではない。そこでは、「仕事を通して成長する仕掛け」が絶対に必要であり、「勝っても負けても一試合ごとに強くなるチーム」の存在が不可欠である。ここに、チームをつくる力、チームビルディングの技術が求められる。

本書では、「仕事は大変だが、おもしろい」と感じる人がふえ、行動に変化が生まれること、協力して仕事をする組織文化を生み出すこと、失敗からも多くを学び、チームで問題解決に取り組むことをめざす方法を具体的、詳細に解説する。

読んでいて面白かったのは、182ページからの「自分を何の専門家と考えるかが重要」という一節です。技術系の特定分野を専門とする人を前提に、自己認識をより抽象的なレベルに持った方がいいという、ある意味脱ジョブ型な発想を展開しています。

・・・その仕事が自分にとって適職と感じられるほど専門性が高まったとしよう。この時大切になってくるのは、自分を何の専門家と考えるかである。これによって進むべき方向は大きく変わってくる。

例えば自分はパソコンが作りたい、自分はパソコンの設計者であると考えたとしよう。・・・ところがある日、会社ガパソコン事業から撤退すると決定し、設計者はTV事業部門に異動を命じられたとしよう。さて、どうするか、である。

「パソコンが作りたくてこれまで努力してきた。どうしてもパソコンを作る仕事がしたい」と考えるのであれば、パソコンを作っている他社に転職するしかない。その場合、これまでのキャリア、仕事の経歴が助けになるはずである。

しかし自分は、画像処理技術のエンジニアであると思っていたとしよう。画像処理技術を使ってパソコンを作っていると考えている。・・・

自分は、電子技術の専門家で、ハードとソフトの両方の知識が必要な製品の設計が得意だと考えていた人は、TV部門に移って、テレビとパソコンが融合した新製品の開発を夢見るかも知れないし、・・・

このように、自分は何の専門家と考えるか、自分のこれまでの経歴は何であったかというキャリアに対する見方により選択の方向は変わってくる。・・・M&Aが普通のことであるような変化が激しい時代には、パソコンの設計者というよりは画像処理の技術者、さらにはハードとソフト融合製品の開発者といった、より抽象度の高い自己認識を持つ人の方が選択の自由度が高くなり、生き延びやすくなる。・・・

これは確かにそうとも言えますが、その抽象度をさらに上げていって、その会社の進む方向なら何でもみたいになっていくと、そもそも何の専門家でもなくなっていくわけで、ものごとは程度問題という感じもします。そんな抽象的な非専門家になるほど「生き延びやすい」というわけにいかないでしょうし。

 

 

 

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