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2019年5月29日 (水)

ジョブ型入管政策の敗北

出入国在留管理庁が、法務省告示の改正を発表しています。

http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00210.html

本邦の大学又は大学院を卒業・修了した留学生(以下「本邦大学卒業者」といいます。)の就職支援を目的として,法務省告示「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」の一部が本年5月30日に改正されることとなり,本邦大学卒業者が日本語を用いた円滑な意思疎通を要する業務を含む幅広い業務に従事することを希望する場合は,在留資格「特定活動」による入国・在留が認められることとなります。

具体的には、

 現行制度上,飲食店,小売店等でのサービス業務や製造業務等が主たるものである場合においては,就労目的の在留資格が認められていませんでしたが,民間企業等においては,インバウンド需要の高まりや,日本語能力が不足する外国人従業員や技能実習生への橋渡し役としての期待もあり,大学・大学院において広い知識を修得し,高い語学力を有する外国人留学生は,幅広い業務において採用ニーズが高まっています。
 そこで,これらの採用側のニーズ及びこれまでの閣議決定等を踏まえ,本邦大学卒業者については,大学・大学院において修得した知識,応用的能力等を活用することが見込まれ,日本語能力を生かした業務に従事する場合に当たっては,その業務内容を広く認めることとし,在留資格「特定活動」により,当該活動を認めることとしたものです。

これ、逆に今まではなぜ文科系大学卒業生には「技術・人文知識・国際業務」という在留資格を求めていたのかというと、そりゃ世界共通のジョブ型社会の常識から言って、大学まで行ってわざわざ何かを勉強するというのは、そこで学んだ知識や技能を活かして仕事をしたいからだろう、という日本型メンバーシップとは異なる世界の常識に合わせていたからなんですね。

ところが、残念ながら日本の企業の行動様式はそういうジョブ型社会の常識とは全く違っているので、なんとかしろと詰め寄られたら、まあこうするしかないわけです。現に日本の文科系大学の卒業生は、学んだジョブのスキルと違うなどというくだらないことは一切考えずに何でもいいから空白の石版で就職(就社)しているんだから、外国人留学生だって郷に入れば郷に従えというわけです。

ひとりジョブ型原理で孤軍奮闘していた入管政策の敗北と言いましょうか。

 

 

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コメント

ご指摘の通りと思います。そして,今回の告示により生じる問題を考えたいと思います。これまでの見解の延長ですが,以下のように考えましたので,ご覧いただけると幸いです。
https://riversidehope.blogspot.com/2019/05/blog-post_29.html

コメントありがとうございます。
外国人労働政策がいかにあるべきかという観点では、おっしゃる通り、ホワイトカラー職とブルーカラー職の間に線引きするというのが正しいはずなのですが、根本的な難点は、戦後日本社会が(戦前には存在した)ホワイトとブルーの差別を縮小し、その代わり男と女、正規と非正規の差別を基本区分にする社会を作り上げてしまったことなんだろうと思います。
欧米社会であれば一番違和感を与えるであろう今回の決定が、日本の労働社会の常識人には一番違和感が少ない選択肢であるというところに、この問題のアイロニーがあるのでしょう。

能力比較の視点からコメントします。20年近く見ているが、留学生の中には、文科系大学卒業生といっても、語学のハンディ+バイトばかりの生活で能力レベルが高くない人材も多い。能力構築においてバラツキが大きく、人材能力はピン~キリということです。その点では日本人も同様と思います。

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