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2019年4月21日 (日)

アンダーエンプロイメント・インシュランス

Euau EUの行政府の欧州委員会が『EU労働市場へのデジタル転換のインパクト』(The impact of digital transformation on EU labour markets)という報告書を公表しています。

https://ec.europa.eu/social/main.jsp?langId=en&catId=89&newsId=9344&furtherNews=yes

いくつも興味深い示唆がされていますが、なかでも注目すべきはこの一節ではないかなと思います。

We recommend moving away from social protection that hinges on a person's em-ployment status and towards social protection that is neutral with regards to the technology and forms of employment and self-employment. This could involve portable benefits attached to the worker rather than to the job, ‘underemployment insurance’ or so-cial insurance that addresses fluctuating and episodic income, and universal (as opposed to means-tested) benefits offset with steeper tax progressions.

我々は人の就業上の地位に懸かる社会保障から、テクノロジーや就業形態や自営業に関して中立的な社会保障に向けて移行することを勧告する。これは職務(ジョブ)よりも労働者にくっついたポータブルな給付、「アンダーエンプロイメント・インシュランス」または変動的で間歇的な収入に対応する社会保険、急激な税額の変動を緩和する(資産調査型ではなく)普遍的な給付でありうる。

この「アンダーエンプロイメント・インシュランス」という概念は、エンプロイメントとアンエンプロイメントとが二値的にきれいに分かれる雇用労働者を前提にした失業保険(アンエンプロイメント・インシュランス)ではカバーできない領域に対する一つの考え方ですね。

 

 

 

 

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コメント

>職務(ジョブ)よりも労働者にくっついたポータブルな給付、「アンダーエンプロイメント・インシュランス」または変動的で間歇的な収入に対応する社会保険、急激な税額の変動を緩和する(資産調査型ではなく)普遍的な給付

しかし、具体的な制度設計をどうするかというと、なかなか難しい話になりますね。それこそ社内失業をかかえ、内部労働市場で調整する日本型雇用システムこそ「アンダーエンプロイメント・インシュランス」の一つの現実的な解であったということにもなりえますしね。

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