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2019年4月27日 (土)

牧久『暴君』

51mrkcjbmtl_sx342_bo1204203200_ 本屋で見つけて直ちに手に取り、買って帰って直ちに読み始め、一気に読んで、今読み終わったところです。いやぁ、凄い。スターリンや毛沢東の一生を描いた本を読み終えた時と同じような、深いため息とともに、様々な思いが脳裏を駆け巡ります。

https://www.shogakukan.co.jp/books/09388665

なぜ直ちに手に取ったかといえば、この著者による国鉄分割民営化に至る波乱万丈の物語を一昨年に読んでおり、この著者による松崎明伝であれば、読みごたえがあるはずだと思ったからですが、その期待以上の内容でした。

暴君に支配された「平成JR秘史」
2018年春、JR東労組から3万3000人の組合員が一挙に脱退した。同労組の組合員はあっという間に3分の1に激減し、崩壊の危機に追い込まれてしまった。いったい、何が起こったのかーー。
かつての動労、JR東労組委員長にして革マル派の実質的な指導者と見られる労働運動家・松崎明の死から8年。JR東日本が、「JRの妖怪」と呼ばれたこの男の"呪縛"から、ようやく「解放される日」を迎えたのか。
この作品は国鉄民営化に「コペルニクス的転換」といわれる方針転換により全面的に協力し、JR発足後は組合にシンパを浸透させて巨大な影響力を持った男・松崎明の評伝であり、複雑怪奇な平成裏面史の封印を解く画期的ノンフィクションである。

タイトルの「暴君」という言葉は、376ページのこの一節から来ています。

・・・かつて「反スターリン」をかかげた松崎が、JR東日本の❝暴君❞スターリンと化していたのである。

これはほんとに実感します。国鉄がJRになってから、JR東日本の経営陣をも威伏して非合法的な側面も駆使しつつ絶対権力を行使するその姿は、まさに「反スタ」の帰結はスターリン主義そのものであったという彼の人生そのものの皮肉を浮き彫りにしていますね。

そして、314ページにある、この子分たちによるあからさまな個人崇拝の言葉。スターリンや毛沢東もこのような阿諛追従の重層構造の中にいたのだろうなと思わされます。しかしこれは21世紀の日本の大企業の労働組合の中の姿なのです。

「将来にわたって盤石なJR東労組を松崎顧問と共につくること、これがJR東労組の基本的な組織戦略である。我々は松崎前顧問を組織外の人だと思っていない。JR東労組の育ての親であり、紛れもなくJR東労組の重鎮である。今でも労働運動の第一線で闘っていること、卓越した洞察力と的確な判断、そして陰に陽に実践的なアドバイスをしてくれる松崎前顧問は『余人をもって代え難い存在』である。この評価を否定し『ぶら下がり』というなら、それは明らかに見解の相違であって、そのように思っている者とは、闘うしかないことを明らかにしておく」

なお、本ブログで前著『昭和解体』の感想を書いたエントリは:

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/07/post-e4f8.html

ちなみに、松崎明が黒田寛一らと創設し、動労、JR総連の政治部隊であり続けた革共同革マル派については、その昔「完膚なきまでに」批判をいただいたことがありました。

http://www.jrcl.org/liber/l1704.htm

・・・第一が、「労働者を死ぬまでこき使うことの提言」である。今日、「労働を中心とする福祉型社会」を主張する「連合」労働貴族。彼らが「高齢者対策」の名のもとに主張する「継続雇用ではない雇用の創出」とか「引退年齢の引上げと段階的な引退」とかは労働者にとっては〝死ぬまで働け!〟ということだ。その犯罪性を、「連合」イデオローグの正村公宏と濱口桂一郎の〝論説〟をとりあげて、完膚無きまでに批判する。

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに序章の一部がここで試し読みできます。

https://shogakukan.tameshiyo.me/9784093886659

 

 

 

 

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