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2019年3月 3日 (日)

過労死防止学会第4回大会報告集

昨年6月に北海学園大学で開かれた過労死防止学会第4回大会の報告集が同学会のホームページにアップされていたようです。

http://www.jskr.net/report-and-discussion/1235/

「ようです」というのは、2月9日にアップされていたようですが、私はさっき気が付いたところだから。

私の報告やパネルディスカッションでの発言も載っているのですが、私は内容の確認を求められておらず、事務局の責任でアップされたもののようです。

話の筋道自体はちゃんと再現されているとはいえ、細かなニュアンスがいささか意図と違う感もあり、こういうやり方はどうなのかな、という思いもあります。

私の報告「EUの労働時間法制とその含意」はこれですが、

http://www.jskr.net/wp-content/uploads/2019/02/20180603-K_Hamaguchi_rep.pdf

・・・実労働時間規制とはどういうことか。言葉ではわかるかもしれませんが、本当の意味を 理解している人は日本にはあまりいないと思います。第 6 条(b)7 日の期間ごとの平均労 働時間が、時間外労働を含め、48 時間を超えないこと、とあります。これをみて、「EU は 48 時間だ、日本は 40 時間だ、EU は遅れているな、日本は進んでいるな」、とうかつ な人は言います。「ボーッと聞いてんじゃねえよ!」と、たぶん、チコちゃんだったら言 うと思います。その後に NHK のアナウンサーが、「労働時間短縮」とか、「ワークライフ バランス」とか口走りながら、「自分たちに適用されている労働時間規制がどんなもので あるか全然理解していない、日本国、てなまあ」、とアナウンスが続く。「チコちゃんに 叱られる労働時間編」ということです。・・・

2sub21480x720 いやこれは当時はやりだしていた「チコちゃんに叱られる」を使ったところなので、「ボーッと聞いてんじゃねえよ!」じゃなくて、「ボーッと生きてんじゃねえよ!」と咆哮したつもりですし、そのあとも森田美由紀さんよろしく「労働時間短縮とか、ワークライフ バランスとか口走りながら、自分たちに適用されている労働時間規制がどんなもので あるか全然理解していない日本国民のなんと多いことか、しかしチコちゃんは知っています」としゃべったつもりなんですが、なんだか不完全に再現されてしまっていますね。文字起こしした方がチコちゃんを知らなかったのでしょうか。ここは、意図が大体伝わればいいんじゃなくて、言い方が伝わってほしかったところなんで、いささか残念です。

それから、質疑応答の部分も、これは直しておきたかったというところがあります。

http://www.jskr.net/wp-content/uploads/2019/02/20180603-K_Shitsugi_rep.pdf

【濱口さん】 ・・・だから、現場で守られないということは、たぶんすべてについて言える話で、これをど う守るかというと、まず今は、ただ長いというだけでは監督官は手出しができない。カネ を払ってないとなって初めて手が出るという、このねじけた仕組みがあります。ねじけた 仕組みがそのままでいいのか、というのが第 1 点目です。私は実はこの十数年間、それを 繰り返してきました。今はそれしか無いから、だからそれでやるのですというと、実はそ の永遠の、何て言うか、修羅道というか、そこから抜けられないでしょう、というのがひ とつです。

  だからといって、すぐにとはいかないのです。私は、今の年収の 3 倍で初めて残業代ゼ ロというのは、実はいいところではないかなと思っています。つまり、いきなりここで EU みたいに時間外含めて週 48 時間で絶対アウト、みたいなのができるならいいですよ。そん なことできるわけありません。今の時間外の規制で、みなさんががんがんやっているとこ ろだけ見えるかもしれませんが、水面下では中小企業団体がものすごく自民党にロビイン グして、政調会、総務会が 2 回流れて、もう出せないか、というようなところまで行った という話も一方であります。そういうせめぎ合いの中ででてきている話です。

そこでどうするのか。私、正直言うと、ゼロベースで考えた EU みたいに、48 で全部ア ウトにして、残業代規制みたいな変なものもの全部無くすというのはすっきりしているな と思います。しかし、いきなりそんなことはできるわけはないだろう。とうてい週 48 時間 いうのは無理なので、だとすると今の時間外規制が入るということと見合いで考えたら、 年収の 3 倍で初めて残業代を払わなくてもいいよというのは、それは有るべき姿では私は 無いと思いますが、今の段階で言うと、その辺ぐらいからやっていくしかたぶん無いだろ う、と思います。これはどちらかというとリアリズムです。理想論ではありません。さっ きは理想はこうだ、と言いましたが、まあリアリズムから言うと、なかなか実際にはそうはいかないので、まあ、そんなところから始めるしか無い。ただ、リアリズムと言っても、 いかなるリアリズムでも、理想の方向はこっちだっていうのが無くなってはいけない。理 想の方向は明らかだと思います。

その方向に一歩でも二歩でも、歩む。マックス・ウェーバーが「職業としての政治」で、 政治というのは大地にぎりぎりと穴を開けるようなもの、なかなか穴は開かない。だけど、 考えたらこの十数年、最初のころは誰もそんなことを言っても見向きもしなかった話が、 少しはこういう話が出てきているっていうことを考えると、少しは意味があるのかなとい うのは思わないでもありません。リアリズムから言うと、一歩二歩進んだぐらいからやっ ていくのがいいところなのかなというのが、今の正直な感想ですね。上西さんに対する答 えになっているかよくわかりませんが、私の今の気持ちはそんなところです。

Max_weber いやいや、マックス・ウェーバーは、大地にぎりぎりと穴をあけたりはしなかったと思いますよ。確か、硬い木の板にぎりぎりと穴をあけたりはするでしょうけど・・・。

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