『DIO』344号
https://www.rengo-soken.or.jp/dio/dio344.pdf
特集は「『平成』の30年は何を残したのか」です。
労働組合は本来の役割を見失っていないか? 藤村博之
人口減少下での経済成長に向けて −迫られる政策選択− 齋藤潤
「 改革」の平成が生んだもの −「安倍一強」の源流− 吉田徹
労働、経済、政治と3つの視点から平成を振り返るというわけですが、ここではやはり藤村さんの労働組合への苦言を:
・・・ 政府や経営者が誤った方向に舵を切ろうと しているとき、労働組合は、ただ指をくわえ て見ていてはならない。真っ向から異議を唱 え、過ちを正すことが求められる。その制度 改正は、本当に日本のため、働く人のために なるのか、問題の真の原因を解決することに つながるのか、厳しく問うていく姿勢が必要 である
ヨーロッパの労働組合リーダーたちの発言 を聞いていると、社会の仕組みをどうつくっ ていくかという意識を強く持っているのを感 じる。より良い状態を実現するために制度を 変える必要があるのなら、制度を変えればい いではないか、そのために労働組合は行動す るのだという気概を持っている。日本の労働 組合リーダーたちは、そのような気概を持っ て行動しているだろうか。
日本は、与えられた枠組みの中での最適を めざすことに長けているが、枠組み自体をつ くり出すことに影響力を持てていないと言わ れる。そのいい例がスポーツのルール改変で ある。スキーのジャンプ競技で日本人が勝ち 始めると、日本人が勝てないような方向にル ールが変更になる。日本人選手は、変更され たルールの下で最善の結果を得ようと努力 し、再び勝ち始める。すると、またルールが変わる。スポーツの世界でも政治力が必要と される。いかに自国の選手に有利なルールを 実現するかという領域で各国の役員はしのぎ を削っているのである。・・・
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