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2019年2月26日 (火)

『日本労働研究雑誌』2019年2・3月号

704_0203『日本労働研究雑誌』2019年2・3月号は「学界展望 労働調査研究の現在─2016~18年の業績を通じて」が特集です。

https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2019/02-03/index.html

学界展望:労働調査研究の現在

提言

労働調査という逆説 石田 光男(同志社大学教授)

学界展望

労働調査研究の現在─2016~18年の業績を通じて

小川 慎一(横浜国立大学教授)

西野 史子(一橋大学准教授)

西村 純(JILPT副主任研究員)

西村 孝史(首都大学東京准教授)

書評

中村高康・平沢和司・荒牧草平・中澤渉(編)『教育と社会階層─ESSM全国調査からみた学歴・学校・格差』

吉川 徹(大阪大学大学院教授)

西岡由美 著『多様化する雇用形態の人事管理─人材ポートフォリオの実証分析』

佐藤 厚(法政大学教授)

読書ノート

玄田有史 編『30代の働く地図』

西村 幸満(国立社会保障・人口問題研究所第1室長)

論文Today

仕事上の社会的相互作用は職務消耗感を高めてしまうのか─資源保存理論(Conservation of Resources Theory)の観点から

大平 剛士(同志社大学大学院)

現時点でネット上で読めるのは石田光男さんの巻頭言だけですが、

https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2019/02-03/pdf/001.pdf

これがなんというか、凝縮的な表現が実に逆説的で、どこまで真正面から受け取るべきなのかそうでないのかがよく理解しかねる面もあります。

・・・調査の助走としての先行研究レビューではない文献研究は,かつては労働分野での学問の主柱であった。私事で恐縮だが,指導を仰いだ中西洋教授に「君,調査報告書はなかなか研究業績としては認められないのだ」と言われたこともあったし,調査の話を私が持ちかけると「君,いつになったら学問を始めるのだ」といわれたこともある。私は心の奥底で先生の言うことは正しいと思っていたし,今もそう思っている。ただ,頭も悪く不器用な自分には,立派な文献をいくら読んでも「分かった気になれない」ことが多く,調査をして「腹の底から分かった」と思えることを書けるような研究を進めるしかこの世界で自分に生きる道はないと覚悟を決めたのも先生の教えを受けたからであった。今も私は「文献研究で分かったら,わざわざ気の重い調査をする必要はない」と大真面目に院生に言っている。・・・

いやもちろん、石田さんはその文献研究で分からなかった、正確に言えばみんな分かったふりをして分かったようなことを言っているけれどもどうしても腹落ちしないことがら、具体的には「賃金に関しては,80 年代は「年功賃金」,90 年代後半以降は「成果主義」,働き方に関しては,80 年代以降は「日本の自動車工場の国際競争力」,2000 年代以降は「グローバル経営」」について、「文献の中にこれらの語彙は夥しく登場するけれど「分かった気になれない」という焦燥に突き動かされて,気の重い調査をせざるを得なかった」という話に続いていく訳なので、この文章の肝は、そういう「気の重い調査」をせざるを得なくなる程までに、ほんとは腹落ちしていないのに分かったふりをするんじゃねえ、ということなわけですが、逆説的な上に凝縮的な表現なので、どこまで伝わるのかな、とふと感じた次第。

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