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『情報労連REPORT』1-2月号

190102_cover『情報労連REPORT』1-2月号をお送りいただきました。特集は「政治とのつながりを見つめ直すいくつかのメッセージ」ですが、

http://ictj-report.joho.or.jp/special/

ここでは最近富山県褒め殺しで話題の井手英策さんの本来の議論から、

http://ictj-report.joho.or.jp/1901-02/sp06.html(「弱者救済」に怒り出す人々 新しい利害関係こそが必要)

190102_sp06_face財政とは本来、誰かのために存在するのではなく、自分も含めたみんなのために存在するものです。専門的には共同需要の共同充足と呼びますが、みんなが必要とするものだから、みんなが受益して、みんなで汗をかいて税を払う。これが元々の仕組みです。

ところが日本では、この20年間、財政危機と無駄を省けの大合唱が繰り返された結果、財政が私たちの暮らしのために何かをしてくれるという発想が弱まりました。税は誰かに取られるもので、自分には返ってこない。人々がそう感じれば、財政への関心が薄れるのも当然です。

関心が薄れるというか、先日の本ブログのこのエントリの言い方を使えば、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/post-02b2.html(バカとアホが喧嘩するとワルが得する)

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増税したら経済が破綻するというアホ軍団的な関心か、増税して財政再建すべしというバカ軍団的な関心しかなく、いやそういうねじれた関心だけは異様に高いのに、肝心要の増税して社会保障に、という本来の関心の筋道だけは異様に薄れてしまっているのが、いま現在の日本の特徴なんでしょう。

では、どうすべきでしょうか。僕は財政の原点に帰ろうと訴えています。財政の原点とは「必要主義」です。人間が生きていくために必要なものがある。それは人間であるからにはみんなに配られなければならない。そのためにみんなを受益者にしながら、みんなで汗をかこうということです。これが財政の原点です。

こういう当たり前のことを一から懇々と説いて回らなければならないわけですね。

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コメント

>そのためにみんなを受益者にしながら、みんなで汗をかこうということです
>こういう当たり前のことを一から懇々と説いて回らなければならないわけですね。

誰に”汗をかこう”と説いて回るかが問題だと思います。
みんなに必要なものを供給するためには、その分を誰かから集めなくてはなりません。必要な分しかもっていない人から集めたら今度はその人が足りなくなってしまうので、余分に持っている(持っていかれても必要な分は残る)人から集めなくてはなりません。
また汗をかいてくれた人から集めた税金は(ピンハネせずに)必要な人に届くようになっていなければなりません。
その点を明確にしないで、”みんなで汗をかこう” とか ”All for All” とだけ言われても、”一億総懺悔”という言葉を思い出してしまいます。

もちろん、これだけ巨額に積みあがった財政赤字をなんとかしなければならない という事は理解できますし、そのためには増税が必要かもしれません。
しかしそうであれば、”みんなに必要なものを供給する”ためではなく、”財政赤字を解消する”ために増税するというべきです。
”みんなに必要なものを供給するために汗をかいて下さい”といって集めた税金の一部をピンハネして財政赤字解消に充てていると、オオカミ少年と同じで、本当に必要なもののためにも汗をかいてくれる人がいなくなってしまうと思います。

投稿: Alberich | 2019年2月 1日 (金) 22時54分

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