倉重公太朗さんとの対談その5(若者の雇用と「能力」)
倉重公太朗さんとの対談はますます佳境に入っていきます。テーマは「若者の雇用と「能力」」。そう、能力をわざわざ括弧書きにしている点にこそ、日本型雇用の秘密の全てがあるのです。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kurashigekotaro/20190124-00111503/
濱口:鋭いといいますか、実は戦後日本の雇用問題の鍵になる言葉は「能力」なのです。先ほども同一労働同一賃金のところでお話しましたし、高齢者のところでも出てきました。つまり、全ては、「能力」という融通無碍(むげ)でいわく不可解な概念の中にあるのです。いろいろな人が「能力」という言葉の中に、いろいろな、自分が読み込みたいものを読み込むことができます。それはもちろんメリットもあって、何でも全部「能力」ということにできるから、物事がうまく回る面が間違いなくあったのは確かでしょう。ですけれども、逆に言うと、その「能力」という言葉に振り回されて、何をどうしたら「能力」があると認めてくれるのか分からないというのが、若者が置かれている状況です。もっと言うと、能力を見て採用を判断しているはずの企業側が、「あなた一体何を見て判断しているのですか」と言われても、思わず絶句してしまうわけです。
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