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中国左翼青年の台頭と官憲の弾圧

_104959937_gettyimages517262340 梶谷懐さんのツイートでリンクされていたBBC中国語版の記事が面白いです。

https://twitter.com/kaikaji/status/1081583027640139783

https://www.bbc.com/zhongwen/simp/chinese-news-46616052 (中国左翼青年的崛起和官方的打压)

今まで何回か本ブログでも取り上げてきた(下記参照)話題ですが、ここまでまとまったものはあまり見当たらないので、中国語の理解力が乏しいのを顧みず少し紹介したいと思います。

北京大学毕业生岳昕是今年中国网络上最著名的左翼青年之一,但她已从公共视野中消失了四个月。作为一名坚定的马克思主义者,今年夏天她放弃了去美国读研的机会,投入到深圳佳士工人维权活动。2018年8月24日,中国警方在广东惠州带走包括她在内的数十名左翼维权者后,公众再也没有她的消息。

过去几十年,国家主导的市场经济令一部分中国人先富起来。而曾经被中国共产党宣称为社会主义国家领导阶级的工人,在国企转制、下岗、出口型经济转型和城市化建设中,日益被边缘化,权利无保障,有的工人群体甚至被列入“低端人口”。

在中国社会空间不断紧缩之下,一批关注社会底层、信仰马克思主义的左翼年轻人在网络和街头集结,对他们所不满的劳工权利无保障、贫富差距加大等社会现实问题发起挑战,形成一股不可小觑的政治行动力量。他们家庭背景各不相同,但大多就读于中国一流大学、喜欢读马克思著作、拥护社会主义,在学校就积极参加社团、为校内工人的权益奔走。在深圳佳士工人维权行动中,他们身穿写有“团结就是力量”的白色T恤、举手握拳冲在最前线,成为最引人注目的抗议者,也因此遭到中国当局的严厉打压。

北京大学卒業生の岳昕は今年(=2018年)の有名な左翼青年の一人だが、彼女が公衆の面前から姿を消して4か月になる。堅固なマルクス主義者として、彼女は今年の夏アメリカの研究会に行くのをやめて深圳の佳士の労働者権利擁護活動に没入した。2018年8月24日、中国の警察が広東省の恵州で彼女を含む左翼の権利擁護者を何十人も連れ去った後、公衆はもはや彼女の消息を聞いていない。

過去数十年間、国家主導の市場経済により、一部の中国人が最初に金持ちになった。かつて中国共産党によって社会主義国家を指導する階級と宣言された労働者は、国有企業の制度転換、解雇、輸出志向型経済および都市化の中で、日々ますます縁辺化され、権利は保障されることなく、ある種の労働者集団に至っては「底辺人口」にカウントされている。

中国社会空間が不断の緊縮下にある中で、社会の底辺に関心を持ち、マルクス主義を信仰する左翼青年たちがネット上と街角に集結し、労働者の無権利状態と貧富の格差の拡大といった現実社会の問題に挑戦し始め、軽視しえない政治的行動能力を形成した。彼らの家庭背景はさまざまであるが、その多くは中国の一流大学に学び、マルクスの著作を喜んで読み、社会主義を擁護し、学内で積極的に団体に参加し、学内の労働者の権利のために奔走した。深圳の佳士の労働者権利擁護活動では、彼らは「団結は力なり」と書かれたTシャツをまとい、こぶしを最前線に突き上げ、最も注目を浴びる抗議者となり、ついに中国当局の過酷な弾圧に遭遇することとなった。

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悲惨な労働者のために立ち上がる左翼青年たち・・・とくると、当然思い出される歴史があります。

中国近代史上最有名的学生运动是1919年的五四运动,当时中国在一战后的巴黎和会遭受不公平对待,引发了学生们的怒火。而1989年“六四”中国政府对学生开枪后,学生几乎绝迹于政治运动和社会群体事件。许多中国名牌大学的学生更是被广泛批评为“精致的利己主义者”,“冷漠自私”,他们审时度势,不惹事,不问政治,不多说话,只关心自己的前途。此次佳士工人维权事件,一帮左翼青年却成为最有力的推动者。

从初中高中的思想政治课,到大学的马克思主义哲学课,在1949年之后的社会主义中国成长并受过教育的年轻人,或多或少都学习过马克思主义理论。在这样的教育下,出现左翼青年顺理成章。只是如今,他们习得的知识理念与现实起了冲突。

“这些孩子在受教育的过程中,就是这样被教育的,要相信马克思主义,但是共产党的执政背离马克思主义理论,共产党当年共同富裕的承诺也没有实现,”历史学者章立凡分析,“他们在现实中感到,原来教他们的东西跟现实是相反的,所以他们认为这个社会不公正,他们要求按照他们所受的马克思主义教育来重新建立一个公正的社会秩序。”

左翼青年近年来已经多次引发舆论的关注。去年,数名左翼青年因为参与了一场广州读书会被警方拘捕。据香港《明报》报道,北京大学毕业生张云帆2017年11月15日在广州工业大学举办读书会时因谈及六四,遭警方拘捕,被以“聚众扰乱社会秩序”罪名刑事拘留和监视居住,12月29日取保候审。张云帆自称是“马克思主义者”和“毛左”。同起事件中,至少还有3人被捕后获保释,4人被通缉。

近代中国史上最も有名な学生運動は1919年5月4日の運動であり、、第一次世界大戦後のパリ講和会議で中国が不当な扱いを受けたことが学生の怒りを引き起こした。 1989年に「6月4日」の中国政府が学生を弾圧した後、学生は政治運動や社会集団活動からほとんど姿を消した。中国の有名大学の学生の多くは、「精妙な利己主義者」とか「冷然たる自己中心」と評され、時勢を判断し、問題を起こさず、政治に関わらず、物事を論じないで、自分の将来にしか関心がない。しかし今回の佳士の労働者の権利擁護事件では、左翼青年グループが最も有力な推進者となっている。

中学高校のイデオロギー・政治学課から大学のマルクス主義哲学課に至るまで、1949年以降に社会主義中国で成長し教育を受けた青年たちは、多かれ少なかれマルクス主義理論を学習している。そのような教育の下で、左翼青年の出現は理にかなっている。ただし今日においては、彼らが学んだ知識と理念は現実と矛盾するのだ。

「この子らは教育課程でこのような教育を受けた。彼らはマルクス主義を信じなければならないが、共産党の執政はマルクス主義理論から逸脱している。ともに豊かになるというかつての共産党の約束は実現されていない」と歴史学者の章立凡は分析する。「彼らが現実の中で感じ取ったことは、もともと彼らに教えられてきたこととは全く逆である。それゆえ彼らはこの社会は不公平であると考え、彼らは彼らが受けてきたマルクス主義教育に従って公正な社会秩序を再確立することを要求するのだ」。

左翼青年は近年何度も世間の注目を集めている。昨年、左翼青年が広州の読書会に参加したために警察に逮捕された。香港の「明報」の報道によると、北京大学卒業生の張雲帆は、2017年11月15日に広州工業大学で開かれた読書会で「6月4日」に言及したため警察に逮捕され、「衆を集めて社会秩序を擾乱した」という罪名で刑事拘留され、監視下にあり、12月29日、なお保釈は保留中だ。張雲帆は自らを「マルクス主義者」であり「毛沢東左派」であると主張している。同じ事件で、少なくとも3人が保釈され、4人が指名手配された。

https://twitter.com/2b0bKXcWuXpoNbb/status/1032133860446724096

进入11月,更多的左翼青年和活动人士在各地失踪。9日晚,张圣业在北大校园内被不明身份的男子直接掳走。根据声援团12月16日公布的消息,目前,仍然有29位声援团成员、学生和社会人士因涉及此次工人维权事件失去自由。
寒冬来到,左翼青年的抗争仍在继续。他们给公安部部长赵克志写信、发起寻找失联成员的行动,不断在推特、佳士声援团网站上发布文章、纪念视频,讲述事件的来龙去脉。他们的抗争也引发了国际关注和声援。11月底,包括美国著名左翼学者诺姆•乔姆斯基(Noam Chomsky)在内的30多名国外学者呼吁抵制在中国举行的世界马克思主义大会,以抗议中国政府打压维权学生。
这些左翼青年似乎并不畏怯官方可能对他们采取行动。BBC中文记者采访张圣业时,曾问他有没有担心过自己的安全。
张圣业在通讯软件上回复:“我不知道您有没有听过这一句话,真正的马克思主义者是无所畏惧的。”

11月には、さらに多くの左翼青年や活動家が各地で失踪した。 9日の晩、張聖業は北京大学のキャンパスで正体不明の男に直接連行された。 支援グループが12月16日に発表したニュースによると、現在、なお29人の支援グループのメンバー、学生および社会人が、労働者の権利擁護事件のために自由を奪われている。

寒い冬が来ても、左翼青年の闘争は続いている。彼らは公安部長の趙克志に手紙を書き、行方不明のメンバーの捜索を始め、絶えずツイッターと佳士支援グループのホームページ上に記事とビデオを掲載し、事件の経緯を語り続けている。彼らの闘争は国際的な注目と支援を引き起こした。 11月末、アメリカの有名な左翼学者であるノーム・チョムスキーを含む30人以上の外国人学者が、中国政府が開催する世界マルクス主義大会のボイコットを呼びかけ、もって中国政府による権利擁護学生の弾圧に抗議した。

これら左翼青年は官憲が彼らに対して取りうる行動を恐れていないかの如くである。BBCの中国語記者が張聖業を取材した時、自らの安全について心配していたかどうか尋ねた。

張聖業は通信ソフトウェア上で回答した。「あなたがこの言葉を聞いたことがあるかどうか知らないが、真のマルクス主義者に恐れるものは何もない。」

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(参考)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/09/post-855b.html (中国共産党はマルクス主義がお嫌い?)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/post-0e60.html (中国共産党はマルクス主義がご禁制?)

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/post-ba65.html (中国にとってのマルクス主義-必修だけど禁制)

(追記)

そういう中国共産党が、わざわざ日本語から翻訳して読ませたがるのが内田樹氏の本だという笑劇。

https://twitter.com/levinassien/status/1082458518177763328

「若者よマルクスを読もう」の第3巻に翻訳オファーが来ました。またまた中国からです。たしかに「マルクスとアメリカ」というテーマで書かれた本、中国にはなさそうですものね。中国におけるマルクス研究のレフェランスに日本人の書いた本が加わるって、面白い話ですよね。

https://twitter.com/levinassien/status/1082461472708423680

僕の本、韓国語と中国語訳は20冊くらい出ているんですけれど、欧米語の翻訳書はゼロです(論文はいくつか訳されますけれど)。この非対称性は何を意味するのでしょう。東アジア限定的に共感度が高いテクストがありうるのでしょうか。あるとしたら、どういう条件を満たしたら、そうなるのか。うむむ。

そりゃ、いうまでもないでしょ。

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「共産党員および領導幹部への推薦図書」の帯をつけて平積みにされているのですから、よっぽど中国共産党のお気に入りなんですね。読んでも上に出てくるまじめな左翼青年のような社会への疑問を持つことはないと、太鼓判を押してもらっているわけです。よかったね。

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コメント

共産党には、簡単に言えば共産党主義があり、それは政権を握るまでなら、マルクス・レーニン主義なり毛沢東主義なり民主連合○○なりに隠れていてあまり目立たないのですが(中に入れば良く分かりますが。。)、政権を握った途端に全てに優先されます。これは恐らく強弱がありつつも、どこの国の共産党においても同様であろうと思われます。
ただ本当の問題は、共産党が抑圧し弾圧するところの本物のもしくは本当のマルクスレーニン主義、毛沢東主義なるものが存在したとして、それが本当に社会的・歴史的に有用かどうかという点にあり、そしてその点についての自由な討論こそが、本当に価値あるものだと思いますが、まさに現代中国(なり北朝鮮では)このことこそが抑圧・弾圧されているのだと思います。

投稿: 高橋良平 | 2019年1月 6日 (日) 20時27分

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