今様人権争議・・・ですらないけど
私立学校で教員ストという見出しを見て、ついうっかり、長時間労働に疲弊しながらも地方公務員という身分のために抗議の声を上げられない公立学校教師に代わって、私立学校教師が民間企業労働者としての権利をフルに行使したのか!と思ったら、全然さにあらず。
https://mainichi.jp/articles/20190108/k00/00m/040/058000c (理事長への早朝あいさつで教員スト 東京の私立校)
東京都千代田区の正則学園高校の教員ら約20人が8日、毎朝行われている理事長へのあいさつを拒否した。同校では数十年来、教員による理事長への早朝あいさつが続けられているという。教員らは「労働時間に含まれない無益なサービス労働だ。長時間労働につながっているので、撤廃を求めてストライキした」と主張している。8日は始業式だったが、影響はなかった。
これはなんというか、労働者の権利というはるか以前の、そうですね、今から64年前に起こった近江絹糸の人権争議を思いだすような話ですな。
私立学校の教員が個人で加入する労働組合「私学教員ユニオン」(東京都世田谷区)などによると、同校では全教員約40人が毎朝午前6時半ごろから廊下に並び、1人ずつ理事長にあいさつするのが日課という。1日の労働時間は約14時間半に及び、ユニオンは7日、学校側に長時間労働の改善などを求める団体交渉を申し入れた。 教員らは8日、正門前で「早朝の理事長挨拶(あいさつ)儀式をストライキ中」と書いた横断幕を掲げ、理事長にあいさつの撤廃を求めた。
いやそもそも教師としての労働義務のない時間に、理事長にあいさつする代わりに正門前で横断幕を掲げているだけで、ストライキですらないんだけど・・・。
(全くの雑件)
ちなみに、Wikipedeiaで「正則学園高校」を見たら、なかなか由緒あるすごい学校ですね。
「著名な学校関係者」に並んでいる人々の名前が半端ない。
本ブログとしてはやはり、日本労働法の父、末弘厳太郎が本校の前身の正則英語学校に通っていたというのが重要でしょう。
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