« 日本現代話(笑) | トップページ | 副業・兼業に関わる諸制度の見直し@WEB労政時報 »

医師の時間外労働の上限は2000時間

本日、第16回医師の働き方改革に関する検討会に注目の医師の時間外労働の上限などが提案されました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03209.html

ただ、「とりまとめ骨子(案)」はこちらですが、

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000467707.pdf

こちらでは、

○ 医師についても、こうした一般則が求めている水準と同様の労働時間を達成する ことを目指しつつ、1. (2)に掲げた医療の特性・医師の特殊性を踏まえ、時間 外労働の上限規制の適用が開始される 2024 年4月時点から医療機関で患者に対 する診療に従事する勤務医に適用される上限水準として、休日労働込みで年間の 時間、月当たりの時間(例外あり。以下同じ)を設定する。・・・(A) ※ 医療は 24 時間 365 日ニーズがあってそのニーズへの対応が必要不可欠であ り、休日であっても当該医師の診療を指示せざるをえないことがあるため休 日労働込みの時間数として設定。

○ また、同様に 2024 年4月から適用する上限水準として、必要な地域医療が適切に 確保されるかの観点から、(A)より高い別の水準(休日労働込みの年間の時間、 月当たりの時間を設定)を経過措置として設けて適用する。・・・(B)

○ さらに、同様に 2024 年4月から適用する上限水準として、医療の質を維持・向上 するための診療経験が担保されるかの観点から、一定の期間集中的に技能の向上 のための診療を必要とする医師については、医師養成のための政策的必要性があ るため、 (A)より高い別の水準(休日労働込みの年間の時間、月当たりの時間を 設定)を設けて適用する。・・・(C)

と、具体的な数値は書き込まれていません。

新聞に報道されているあの数字はどこにあるんだと探すと、もう一つ別の資料に書かれていました。

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000467709.pdf

(診療従事勤務医に2024年4月に適用される上限時間案) 医療機関で患者に対する診療に従事する勤務医の時間外労働規制における上限水準(以下「診療従事勤務医に2024 年度以降適用される水準」という。)は、休日労働込みの時間外労働について年960時間以内・月100時間未満(月 について追加的健康確保措置②が実施される場合の例外あり)としてはどうか。【P2一般則の③に当たるもの】 ※その上で、一般則と同様に、36協定に規定する時間数の上限水準についての整理も必要。【P2一般則の ①・②に当たるもの】
(考え方) 年間時間数については、脳・心臓疾患の労災認定基準における時間外労働の水準(複数月平均月80時間以内、 休日労働込み)を考慮して12月分とし、月当たり時間数については、同基準における単月の時間外労働の水準 (単月100時間未満)を考慮したものである。 ※これは、毎月平均的に働くとした場合には月80時間以内の労働となり、一般労働者の休日労働込み時間外労働 についての上限である「複数月平均80時間以内」と同様の水準となる。
月当たり時間数については、休日労働込みで100時間未満を原則とする。しかしながら、医療の不確実性、公共性 にかんがみ、時間外労働時間が960時間以内である場合であっても、患者数が多い、緊急手術が重なった等により 月の時間外労働が100時間以上となることも想定されるため、過労により健康状態が悪い医師が長時間労働を続け ることのないような措置(追加的健康確保措置②)を講ずる場合に、例外的に超過を認める

一般労働者については例外のそのまた例外になる年960時間、月100時間未満が原則になるというわけです。

これが原則ということは、例外はもっと長いわけで、

2024年4月においてすべての診療に従事する勤務医が(A)の適用となることを目指し、労働時間の短縮に取 り組むが、地域医療提供体制の確保の観点からやむを得ず(A)の水準を超えざるを得ない場合が想定される。 そのため、対象となる医療機関を限定し、 ・ 最低限必要な睡眠時間の確保のために強制的に労働時間を制限する、連続勤務時間制限及び勤務間イン ターバル確保の義務づけ、 ・ 個別の状況に応じた健康確保措置としての面接指導、結果を踏まえた就業上の措置、 を実施することによって過労により医師が健康を害することを防止した上で、地域での医療提供体制を確保する ための経過措置として暫定的な特例水準(以下「地域医療確保暫定特例水準」という。)を設けることとしては どうか。

(暫定特例水準の上限時間案) 地域医療確保暫定特例水準は、休日労働込みの時間外労働について年1,900~2,000時間程度以内で検討、月 100時間未満(月について追加的健康確保措置②が実施される場合の例外あり)としてはどうか。【P2一般 則の③に当たるもの】 ※その上で、一般則と同様に、36協定に規定する時間数の上限水準についての整理も必要。【P2一般 則の①・②に当たるもの】
現状では、病院常勤勤務医の勤務時間を見ると、年間1,920時間を超える医師が約1割、年間2,880時間を超 える医師も約2%存在している。勤務時間が年間1,920時間を超える医師が一人でもいる病院は、全体の約3 割、大学病院の約9割、救急機能を有する病院の約3割(救命救急センター機能を有する病院に限っては約 8割)である。
こうした現状の中、上限水準は「罰則付き」かつ「一人ひとりの医師について絶対に超えてはならない」も のであり、医療機関が上記「1,900~2,000時間程度以内」という水準を遵守するためには、医療にかかる国 民の理解も得て、医師の労働時間の短縮策を強力に進める必要がある。

この「年1,900~2,000時間程度」が新聞で過労死水準の2倍と報じられている数字ですね。

それでも、

なお、仮に年間1,900~2,000時間程度の時間外労働の上限いっぱいまで労働した場合には、月平均すると約160 時間程度の時間外労働(週約40時間に相当)となるが、これは、例えば、概ね週1回の当直(宿日直許可な し)を含む週6日勤務(当直日とその翌日を除く4日間は14時間程度の勤務、当直明けは昼まで)で、月に6、 7日程度(年間80日程度)の休日を確保するというような働き方の水準。前ページの「2,300時間程度」 「2,100時間程度」よりもさらに時間が短縮された働き方となっている。

まだ現在の状況に比べればましなんだよ、と言い訳しています。

まあ、この検討会は労働基準局ではなく医政局が開催しており、医療政策全般をにらみながら、とりわけ地域医療を何とかだましだまし動かしていかなくてはいけないというダブルバインド状況の中で何とかひねり出した案というわけなのでしょう。

まあ、労働市場論的に言えば、なんでこんなひどい状況になるまで医学部を断固として新設せず、医師不足を放置プレイし続けたのか、ということになりますが。

|
|

« 日本現代話(笑) | トップページ | 副業・兼業に関わる諸制度の見直し@WEB労政時報 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/74926092

この記事へのトラックバック一覧です: 医師の時間外労働の上限は2000時間:

« 日本現代話(笑) | トップページ | 副業・兼業に関わる諸制度の見直し@WEB労政時報 »