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2018年12月20日 (木)

荻野登『平成「春闘」史』

29440386_1_2JILPTの副所長の荻野登さんより『平成「春闘」史~未来の職場のため、歴史に学ぶ~』(経営書院)を(直接お手渡しで)いただきました。

荻野さんは昔の日本労働協会時代から労働運動、労使関係の現場を見続けてきた生粋の「旧協会派」(このジョークが分かる人も少なくなりましたが)で、かつての『週刊労働ニュース』の、今の『ビジネス・レーバー・トレンド』の編集長として、この労働業界のどこに行っても通じる「顔」ですが、この本は平成時代の春闘の歴史を現場で記録し続けた荻野さんの総まとめになっています。

バブルの絶頂期に始まった「平成」は30年の時を重ねて終わろうとしています。平成の始まりである1989年は、東西冷戦構造の崩壊という世界史的出来事があっただけでなく、わが国労働運動史上、労働界が再編され日本労働組合総連合会(連合)の発足した年でもありました。こうしたなか、わが国労働運動の金看板ともいえる「春闘」も、この30年の間に大きな波に洗われました。バブル経済の崩壊後、多くの金融機関が経営危機に直面しました。その後、世紀の変わり目にはグローバル化の風圧が強まり、「春闘」はこの後、超円高,ITバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災など、さまざまな社会経済の激変によって揺さぶられ続けてきました。「春闘」は二度の「終焉」に直面し、メディアからは「賞味期限切れ」と揶揄されながらも、アベノミクス以降は、賃金の引上げがデフレ脱却の切り札との期待から、久しぶりに世間の注目を集めることとなりました。そして、拡大した中小企業と大手との規模間格差、正規・非正規間の雇用形態間格差の是正に向けた取組みの比重を高めてきました。本書は平成30年間の「春闘」を振り返ることによって、あらたな「春闘」の方向性を考えるための参考になるよう編纂しました。

目次はこんな感じです。

第1章 春闘の始まり~1990年代春闘
第2章 21世紀春闘の推移(2000~2018)
 2000年春闘 逆風下に光明、電機大手で65歳までの雇用延長
 2001年春闘 強まるグローバル化の風圧
 2002年春闘 右肩上がり春闘の終焉
 2003年春闘 2回目の終焉を迎えた「春闘」
 2004年春闘 中小の相場形成と賃金制度の見直し
 2005年春闘 積極賃上げで「格差是正」求める労働側
 2006年春闘 「ベア」から「賃金改善」へ
 2007年春闘 経営側の先行き懸念を打破できず
 2008年春闘 賃上げムードも終盤の逆風で冷え込む
 2009年春闘 交渉揺さぶる金融危機
 2010年春闘 政治・経済とも大きく様変わり
 2011年春闘 東日本大震災で集中回答日が消滅
 2012年春闘 震災の影響で五里霧中の展開
 2013年春闘 アベノミクスの始動
 2014年春闘 政労使合意を踏まえた展開に
 2015年春闘 2000年以降で最も高い賃上げに
 2016年春闘 「人手不足」「格差是正」で春闘メカニズムに変化
 2017年春闘 賃上げ相場形成に構造変化
 2018年春闘 顕在化した波及の構造変化
第3章 春闘の性格を大きく変えたアベノミクス
資料編
 〔政労使合意文書等〕
  〈資料1〉2000年から動き出したワークシェリング議論
  〈資料2〉雇用問題に関する政労使合意
  〈資料3〉ワークライフバランス「憲章」と「行動指針」の策定
  〈資料4〉雇用安定・創出の実現に向けた政労使合意
  〈資料5〉経済の好循環実現に向けた政労使の取組みについて
  〈資料6〉経済の好循環の継続に向けた政労使の取組みについて
 〔参考論考〕
  1990年代以降、正社員の賃金体系・賃金制度はどう変わったか
関連資料
 平成年表(春闘関連)/主な団体の概要/ミニ用語解説/グラフに見る雇用・失業、賃金、
労働時間の変化/「経営労働政策特別委員会報告」タイトル一覧/凡例

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