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2018年12月15日 (土)

パワハラ立法の射程

昨日の労政審雇環分科会で、「女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について(報告書案)」が了承されたようです。

https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000456686.pdf

中身はすでにちらちらと出てきていたものの総まとめです。いわゆるパワハラについては、

最初の基本理念や関係者の責務みたいなところに、

しかしながら、職場のパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントは 許されないものであり、国はその周知・啓発を行い、事業主は労働者が他の 労働者(取引先等の労働者を含む。)に対する言動に注意するよう配慮し、ま た、事業主と労働者はその問題への理解を深めるとともに自らの言動に注意 するよう努めるべきという趣旨を、法律上で明確にすることが適当である。

国は、就業環境を害するような職場におけるハラスメント全般について、 総合的に取組を進めることが必要であり、その趣旨を法律上で明確にするこ とが適当である。

という抽象的な規定が入り、具体的な規定としては、まずパワハラの定義:

職場のパワーハラスメントの定義については、 「職場のパワーハラスメン ト防止対策についての検討会」報告書(平成 30 年3月)の概念を踏まえて、 以下の3つの要素を満たすものとすることが適当である。

ⅰ) 優越的な関係に基づく

ⅱ) 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により

ⅲ) 労働者の就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与え ること)

事業主の措置義務として、

職場のパワーハラスメントを防止するため、事業主に対して、その雇 用する労働者の相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備す る等、当該労働者が自社の労働者等からパワーハラスメントを受けるこ とを防止するための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務付ける ことが適当である

その措置義務の中身を指針で定め、

事業主に対して措置を義務付けるに当たっては、男女雇用機会均等法 に基づく職場のセクシュアルハラスメント防止のための指針の内容や裁 判例を参考としつつ、職場のパワーハラスメントの定義や事業主が講ず べき措置の具体的内容等を示す指針を策定することが適当である。

その指針の中にカスタマーハラスメントも盛り込むと。

取引先等の労働者等からのパワーハラスメントや顧客等からの著しい 迷惑行為については、指針等で相談対応等の望ましい取組を明確にする ことが適当である。また、取引先との関係が元請・下請関係である場合が あることや、消費者への周知・啓発が必要であることを踏まえ、関係省庁 等と連携した取組も重要である

さらに調停制度等についても規定するようですが、

男女雇用機会均等法に基づく職場のセクシュアルハラスメント防止対 策と同様に、職場のパワーハラスメントに関する紛争解決のための調停 制度等や、助言や指導等の履行確保のための措置について、併せて法律で規定することが適当である。

あまり目立たず、世間の注目を集めない点ですが、個人的にはこのパワハラを現在のあっせん制度から調停制度に移す点は、かなりのインパクトがあるのではないかと思っています。

調停制度について、紛争調停委員会が必要を認めた場合には、関係当 事者の同意の有無に関わらず、職場の同僚等も参考人として出頭の求め や意見聴取が行えるよう、対象者を拡大することが適当である。

「関係当 事者の同意の有無に関わらず」という一句が、結構インパクトがありそうです。現在の労働局のあっせん制度では、すでにいじめ・嫌がらせ事案が解雇の件数を抜いて1位になっていますが、基本的に任意の制度であり、相手方が同意しなければそもそも初めから打ち切りになってしまいますし、労働者側はこういっているけど、会社側は全面否定で、それ以上踏み込めないというのが実態ですが、それがかなり変わる可能性があります。

さらに、これは使い方次第ですが、たとえば解雇事案や労働条件引き下げ事案などでもあっせんでは相手側が同意しなければ始まらないけれども、解雇にパワハラを組み合わせた複合事案(というのが実際は極めて多い)なんかがパワハラとしてこっちの調停に持ち出されれば、必ずしも任意とばかりは言えないような制度運用になっていく可能性もあるように思われます。まあ、この辺は、個別労働紛争処理制度という方面からの関心によるものなので、世間の関心とは離れているかもしれませんが。

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