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2018年12月19日 (水)

井川志郎『EU経済統合における労働法の課題 』

427888_2 井川志郎さんより『EU経済統合における労働法の課題』(旬報社)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.junposha.com/book/b427888.html

本書は、日本で初めてのEU労働法の焦点を絞った専門書です。そのテーマは、副題の「国際的経済活動の自由との相克とその調整」に示されているように、いわゆるラヴァル・カルテット以来EUで議論の焦点となってきた問題です。

こういう本が出るようになったことが、日本におけるEU労働法研究が第一世代の紹介段階からより突っ込んだ議論を展開する第二世代に移りつつあることを物語っているといえましょう。

その第一世代の右代表の私としては、序論と結論以外ではもっぱら20年前の『EU労働法の形成』が参照されていることに、若干複雑な感じもあります。何しろ20年前のことで、「EUの労働法はこんなに充実してきたぞ」という出羽守丸出しだった時期の本なので、ヨーロッパ社会対話を「EU労働協約法の誕生と呼びうる」なんて能天気なセリフを古証文よろしく持ち出されると、思わず汗が出ますがな。

その後のあれやこれやを潜り抜けて昨年の『EUの労働法政策』では、本書の視点とも共通する醒めた叙述になっていて、むしろEU労働協約法がいかに困難かを書いていますので。

さて、本書はラヴァル・カルテットを素材に、そもそもEU労働法に内在していた矛盾を抉り出し、ややもすればジャーナリスティックな叙述に流れがちなこのテーマをしっかりと理論的に腑分けして論じて見せたもので、その深みはこの目次にも表れています。

序 論
第1章 前提的考察
 第1節 EU労働法の形成と域内市場
 第2節 EU集団的労働法の特徴
 第3節 域内市場法と労働法の交錯
第2章 労働基本権と自由移動原則との相克
 第1節 労働争議権と開業・サービス提供の自由
 第2節 リスボン条約改正と労働者の社会的基本権保障
 第3節 団体交渉権と開業・サービス提供の自由
第3章 労働抵触法と自由移動原則
 第1節 低廉労働力流入と準拠法
 第2節 〔改正前〕越境的配置労働者指令(PWD)
 第3節 介入規範とサービス提供の自由
結 論

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