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2018年12月11日 (火)

国立国会図書館『EUにおける外国人労働者をめぐる現状と課題』

Ndl国立国会図書館の調査及び立法考査局より『EUにおける外国人労働者をめぐる現状と課題―ドイツを中心に― 平成29年度国際政策セミナー報告書』をお送りいただきました。

http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11192835_po_201811.pdf?contentNo=1

国会図書館が今年2月、ちょうど安倍総理が経済財政諮問会議で外国人材の受入を宣言した直後に開いた国際政策セミナーの基調講演とコメント、パネルディスカッションを収録したものです。

基調講演者はオスナブリュック大学のアルブレヒト・ウェーバー博士で、コメンテーターは広渡清吾、中坂恵美子の両氏です。

中村民雄氏の司会でパネルディスカッションがされていて、そこでウェーバー氏の議論を広渡さんがかみ砕いて日本人の聴衆向けにこう説明しているのが重要です。

「移民政策ではない」という建前で外国人材を導入することの帰結がわかりやすく語られています。

<広渡教授>
 私もドイツの外国人法の制度と政策をかなりフォローしてこれまでやってきたのですけれども、元々ドイツの外国人受入政策の基本は、先ほどヴェーバー先生がおっしゃいましたように、「ドイツは移民国ではない」ということ、つまりアメリカやオーストラリア、ニュージーランドといった古典的な「移民を受け入れて成り立っている国」ではないのである、というのが大前提だったのですね。ですから、ゲストとして受け入れるけれども、それ以上のものではない、お客さんはいつか帰るものである、そういう前提でやってきた。
 ところが先ほどヴェーバー先生がおっしゃったように、これは理論とか制度とかの問題ではなく、人間がやってきたら、その人たちが生活の本拠としてその国に住み着くわけですから、これはドイツがどんな法原理を持っていたとしても、彼らがここを生活の本拠にして、もう出身国には帰れないという現実を受け止めるしかない。そこから、ドイツの外国人労働者問題、こういうテーマについての議論を始めなければいけないということになったのが2010 年前後で、「転換があった」とヴェーバー先生は先ほどおっしゃいました。
 ですから、移民は法的定義の問題ではないと盛んにずっとおっしゃっているわけですね。これは現実だと。ドイツの歴史的な現実を受け止めた「考え」なんですね。入国の時にはもちろん、ドイツの場合は制度として滞在許可をもらって入国するわけです。滞在許可を与えるところではきちんと要件が厳格に定められているので、もちろん誰でも入ってくるというわけではない。ひとたび滞在許可を得てドイツで滞在するようになれば、合法的に滞在許可を得て一定期間生活をしていると、永住許可をもらう権利ができるというシステムになっているので、先ほど先生がおっしゃった「入った時から移民だ」というのはそういうことなんですね。ですから途中で帰らせることができるという形で受け入れるということは、これはドイツが遭遇した歴史的リアリティから外れてしまう。このリアリティから外れないということになるまで、実に様々な議論があった。ドイツは1950 年代の半ばからずっと積極的に外国人労働者を受け入れて、そしてドイツの戦後の高度経済成長は、この外国人労働者の貢献なしには成り立たなかったということをドイツ人自身が認めた。つまりドイツの経済成長は、外国の人たちがやってきて助けてくれたおかげなんだ、ということも含めて、これが歴史認識になった。

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