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2018年12月10日 (月)

『生活経済政策』263号

Img_month『生活経済政策』263号をお送りいただきました。特集は「職場における性的マイノリティの権利保障」なのですが、私にとって大変興味深かったのは住沢博樹さんの「立憲主義と社会的保護のグローバル秩序のために — 西欧社会民主主義の21世紀の存在意義」でした。

http://www.seikatsuken.or.jp/monthly/

明日への視角

  • シビックテックと政治家の役割/辻由希

特集 職場における性的マイノリティの権利保障

  • はじめに—身近な職場の問題として考えるために/杉浦浩美
  • 職場におけるLGBT/SOGIと人権 ― 国際社会が求めていること —/谷口洋幸
  • 連合の性的指向・性自認(SOGI)に関する取り組みと職場の実態/佐藤太郎

論文

  • 立憲主義と社会的保護のグローバル秩序のために — 西欧社会民主主義の21世紀の存在意義/住沢博紀

連載 地域づくりと社会保障[6]

  • 学生と地域づくりと社会保障/森周子

書評

  • 中野晃一著『私物化される国家―支配と服従の日本政治』/石澤香哉子

本ブログでもときどき「ソーシャル・ヨーロッパ」の記事を紹介していますが、住沢さんはヨーロッパの社会民主主義がなぜこれほどまでに落ちぶれてしまったのかを幾つもの論考を引きながら論じています。

「進歩主義の21世紀との不幸な遭遇」という見出しが意味深ですが、こういう話が展開されていきます。

・・・社民政党からの本来の支持者であるブルーカラー労働者の離反を、以下のように説明する。ギデンスの提言の根底には、それまでの「不平等の克服」という社会民主主義の基本的目標を、「すべての人を包摂する、包摂としての平等」という概念に転換したことにあるという。その現実的な帰結として、労働市場と教育への公平な機会均等が最大の政策課題となり、結果として市民社会民主主義に陥ったとする。つまり平等とは、もはや分配の平等ではなく、労働市場に参入できる機会の平等となり、労働市場がグローバル化や情報化により、高度な資格や専門性を要求される現在、自律した高学歴な労働者と、より未熟練で起業規律に従う、あるいは失業にさらされる労働者への二極化を招いたとされる。・・・

・・・それまでの分配をめぐる闘争は、女性イシュー、環境、マイノリティなど、現在の「リベラル」といわれる政策ユニットとなり、それまで穏健なリベラルと穏健な権威主義(労働者階級)の両者を代表していたアメリカ民主党は、「金融資本主義と反権威主義的な個人の解放の聖ならざる同盟」という、進歩的ネオリベラルに到達したという。・・・

・・・彼の結論は驚くべきもので、ブレアの労働党がブルーカラー労働者を政治社会から排除したというものである。・・・

住沢さんはこうした議論を紹介した上で、「これからの社民政党の独自性とは、・・・Democracy with Right and Social Protectionということになるだろう」というのですが、その中身こそが問題なのです。

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コメント

社会民主主義関連の論文紹介ありがとうございます。
フランスの黄色のベスト運動やらイタリアの五星運動やら、所謂ポビュリズムと称される運動を見るに、やはり既存の枠組み自体が変化していることを実感します。
それは、経済のパイの増加が分配の増加に比例する産業資本主義時代が過去の遺物であるかのように思わせます。日本に置いては更に、急激な少子高齢化に伴う社会保障の財政危機や、あまり注目されていませんが、地方自治体の財政危機が加わります。
人工増加と産業資本主義的な成長を前提とした既存の社会から人工減少と情報資本主義的な低成長を前提とした現代社会への変革が求められているのでしょう。
その上で、多分、満足ではなく納得が大切なのかなと思います。政府の機能と役割の有限性を認識しつつ、最低限の生活と人権の保障、そして負担の適切な分配。
経済成長は必要だし、追求されるべきですが、どこかで、その限界というか、政府が為せる有限性を広く社会的に共有しないと、ポビュリズムかガチガチのネオリベ緊縮ガラガラポンかしかなくなるような気がします。社会民主主義含めて、現代の危機は、中道の危機であると考えるからです。長文失礼しました。

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