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2018年12月25日 (火)

残業1時間とはどういう生活?

201901_02 JILPTの『ビジネス・レーバー・トレンド』1・2月号は、「働き方改革の課題と展望」が特集で、11月29日の労働政策フォーラムの講演やパネル・ディスカッションが載っています。

https://www.jil.go.jp/kokunai/blt/backnumber/2019/01_02/index.html

【基調講演】樋口美雄・労働政策研究・研修機構理事長

【事例報告①】働き方改革の推進―意識改革、風土醸成をめざして
全日本空輸
【事例報告②】どうすれば生産性が上がるか?―カルビーの「働き方改革」
カルビー
【事例報告③】SCSKの働き方改革―職場の変化
SCSKユニオン
【事例報告④】労使で取り組む働き方改革―生きがい・働きがいの向上を目指して
味の素労組

【パネルディスカッション】コーデイネーター:佐藤博樹・中央大学大学院教授

このパネルディスカッションの冒頭で、佐藤博樹さんがコーディネーターとは思えないくらい長い演説をしていまして、それが実は大変鋭い議論になっています。

働き方改革とはどういうことかということを、具体的な時間を示して大変わかりやすく説明しています。こういうのを見ると、やはり佐藤先生はすごいですね。

・・・例えば月平均45時間の残業があった会社が、1日平均1時間の残業まで削減して、月平均25時間になった。では毎日1時間の残業とはどういう生活なのか。

所定労働時間が1日8時間で昼休みが1時間、さらに通勤時間が片道1時間という生活を考えると、朝6時半ごろに起き、8時前に家を出て、会社に9時少し前に着く。1時間残業して19時過ぎに会社を出て、家に帰ってくると20時過ぎになる生活になります。単身者であれば、それから食事の準備をすると、夕食は21時前ごろになります。そして、食事の後片付けが終わると22時で、テレビを見て23時半に寝ても睡眠時間は7時間です。1時間の残業でも、こういう生活になり、平日にゆとりがなくなる。そうすると土曜日は昼頃まで寝て、洗濯、買い物、掃除をするだけで、日曜日も面倒くさくなって家でゴロゴロしてしまう。

また、夫婦ともにフルタイムで働いているカップルで、子供が小学校1年生の場合、妻は短時間勤務か残業免除で18時ごろに帰宅し、子供には19時ごろ夕食を食べさせる。食事の片づけが終わったころに1時間残業した夫は帰ってくることになります。また食事の準備になります。これは困りますね。

ここから言えるのは、例えば小学生の子供がいる共働き夫婦の場合、平日に子供と一緒に夕食を食べようと思うと、残業1時間でも難しいのです。・・・

まったくシンプルな算数なんですが、残業を論じるとき、こういう具体的な時刻の感覚があるかどうかが結構重要なはずです。

今月号ではもう一つ、この特別企画も注目記事です。

地方自治体におけるメンタルヘルス不調者への取り組み
―業務遂行レベルに着目した対応の効果と今後の展開
【事例1】職員に「守られている」イメージを持たせたい
玉野市
【事例2】メンタルヘルス対応を誰でもできる仕事に
瀬戸内市
【事例3】人事主導の対応で職場との関わりも
津山市
【事例4】様式が客観的な状況把握の資料に
岡山県
【事例5】関係者が同じ方向を向いて対応する安心感が
岡山市
【コメント】公務員への対応に適する「復帰基準の明確化」と「復帰手順の透明化」
岡山大学・高尾総司医師

この最後の高尾総司さんの名前でピンときた方もいるでしょうが、これ例の高尾メソッドの実践例なんですね。

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