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2018年11月10日 (土)

その疑問に『日本の労働法政策』

yamachanさんがこういう疑問をつぶやいていますが、

https://twitter.com/yamachan_run/status/1061038965514354688

ふと思ったのだが、未払賃金立替払いの上限額が年齢で大きく変わることに批判はないのかな・・
実務上、労基署に認定されるのは零細企業だから上限額を超過する賃金が約定されていることは少ないだろうけれども。

11021851_5bdc1e379a12a 『日本の労働法政策』の605頁から606頁にかけての項で、その点についてもこう触れておきました。

・・・この制度の大きな特徴は、破産宣告、特別清算開始命令、整理開始命令、和議開始決定、更生手続開始決定といった裁判上の倒産に加えて、実態上の95%に及ぶ事実上の倒産状態をも対象に含めたことにある。これは中小企業について、事業活動が停止し、再開する見込みがなく、かつ、賃金支払能力がない状態になったことについて、退職労働者の申請に基づき、労働基準監督署長の認定した場合とされており、制度の実効性を著しく高めた*11。
 立替払の額は、当初は平均賃金の3か月分の80%とされ、平均賃金の上限を13万円としていた(よって立替額の上限は31.2万円)が、1979年に政令が改正され、未払額の上限を51万円に設定し、その80%を立替払することとされた(よって立替額の上限は40.8万円)。1988年には、定期賃金や退職金には年齢階層ごとに相当の差があることから年齢に応じて上限を設定することとされ、45歳以上は150万円(立替額120万円)、30歳以上45歳未満は120万円(立替額96万円)、30歳未満は70万円(立替額56万円)とされた。その後額は何度か引き上げられたが、年齢別の枠組みは変わっていない(現在は未払額の上限がそれぞれ370万円、220万円、110万円。立替額はそれぞれ296万円、176万円、88万円)。これは1986年の労災保険法の改正にも見られる内部労働市場中心の考え方の政策的反映と言えるが、外部労働市場を重視しつつある現在においては疑問が呈せられる可能性もある

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