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2018年11月20日 (火)

ベルコ事件地裁判決が警告するもの

連合がリキを入れてバックアップしていたベルコ事件の札幌地裁判決ですが、実は労働側、あるいは労働弁護士にとってある意味の警告になっている面があるように思います。

話は業務委託契約を結んでいる代理店の労働者性なんですが、その労働者性の判断基準が、あまりにも古典的な労働者概念に縛られているように見えることです。

・・・業務の方針や成果に関しては細部にわたってYからの指示があり、これを拒否することは相当程度困難であった一方で、具体的な労務の遂行方法や労務の時間、場所については一定程度の裁量があったということができ、業務の代替性は乏しいものの、その業務を自己の計算によって行い、報酬額が労務の成果と対応しているものである。

したがって、KはYに従属し、Yに使用されて労務を提供しているとは言えないから、KがYの使用人であるということはできない。・・・

はあ?なに?この裁判官の脳みその中の労働者とは、「具体的な労務の遂行方法や労務の時間、場所については一定程度の裁量」すらあってはならず、ことごとく決められた手順書の通りに、時間も場所も一切の裁量性は許されない。あまつさえ、その賃金は「労務の成果と対応」することも許されない、という一体いつの時代の単純労働者だといいたくなるような固定観念に縛られているようです。

そんなことを言い出したら、裁量労働制や成果主義賃金を適用されている連中はことごとく労働者性が認められず、業務委託契約だといわなくてはいけなくなりそうです。

んなあほな、と思うのがまともな人間の常識だと思うのですが、一方で皮肉なことに、その固定的な発想をなにがしか共有しているんじゃないかと思いたくなるような議論が、裁量労働制やら高度プロフェッショナル制度を巡って、やたら声高に叫ばれたのもまだ記憶に新しいところでもあるんですね。

この判決は、もちろん、れっきとした雇用労働者であっても「具体的な労務の遂行方法や労務の時間、場所については一定程度の裁量」があっても何ら不思議ではないし、いわんや「報酬額が労務の成果と対応」するのは当然のことだということがわかっていないらしい裁判官氏の頭の中に対する疑念を抱かせるものではありますが、それと同時に、それと同様の発想に立っているかのように見える議論を安直にやらかしがちな人々に対する警告にもなっているのではないかと思うわけです。

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» ベルコの不当判決に連合は抗議アクションをしたのか? [シジフォス]
こんな早朝作業で最も落胆することは何か…折角綴った文書がPCのトラブルで一瞬にして消え去ること。今朝は濱口さんも朝日の澤路さんも書かれていたので、ベルク事件の敗訴判決について自分も書き始めた。もちろん判決から3ヵ月経っても抗議行動が見えないことへの苛立ちを含めて…。さらには、この事件で初めて目にした「商業使用人」という言葉についても。もちろん「争議」支援という取り組みが労働組合を元気にすることも訴えたのだが…残念ながら消えて、二度同じ文章を書く気力はない。連合や情報労連は、このベルク争議に...... [続きを読む]

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