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在留資格は特定技能

秋の臨時国会に提出される入管法改正案の中身が報じられています。

http://www.sankei.com/politics/news/181011/plt1810110008-n1.html(熟練技能者は永住可能に 外国人受け入れ法案骨子)

外国人労働者の受け入れ拡大に向け、政府が秋の臨時国会に提出予定の入管難民法などの改正案骨子が11日、判明した。受け入れが必要な業種で、知識や経験など一定の技能が必要な業務に就く「特定技能1号」と熟練技能が必要な業務に就く「特定技能2号」という在留資格を新設する。

 1号は在留期限が通算5年で家族帯同を認めないが、2号は事実上永住を認め、配偶者と子供の帯同も可能とする方針だ。資格は定期的に更新し、取り消しもあり得る。・・・

受け入れ拡大は深刻な人手不足が背景にあり政府は来年4月の導入を目指す。

骨子によると、生産性向上や日本人労働者確保の取り組みをしても、なお人材が不足する分野で外国人を受け入れることとし、今後具体的に定める。介護や農業、建設など十数業種が検討対象となっている。

じわじわと情報が出てきていたので、大体そうだろうなという方向になっているようですが、問題は、どこにどういう外国人を受け入れるのかの判断が、

受け入れるのは即戦力で生活に支障がない程度の日本語ができる外国人。各業種を所管する省庁の試験などを経て、1号や2号の資格を取得する。技能実習を修了した後に1号の資格を得られる仕組みも設ける。

と、「各業種を所管する省庁」に委ねられていることです。

これは大変皮肉なことで、ちょうど30年前に労働省が雇用許可制をぶち上げ、法務省が激怒してこれを叩き潰したときは、要はどういうところにどういう外国人を入れるか入れないかの判断権限を両省間で奪い合ったわけですが、結局30年後になって、こういう一般的な外国人労働者導入制度を設けるという段になって、日本社会全体、日本の労働市場全体の観点から判断する政府機関というのはどこにもなく、ある業界が「うちの業界は人手不足だからなんとかしてくれ」といえば、その業界を所管する省庁が、「うちのかわいい〇〇業界が泣きついている」と、いそいそと入れることを決め、法務省は淡々とそれに従って在留資格を出し、厚生労働省は淡々と労働法を適用するだけという、まあそういう仕組みに落ち着いたようですね。

地方集権、中央分権の日本政府にふさわしい決着なのかもしれませんが、誰も全体構想をハンドリングしないまま、各業界ごとのばらばらの要望で事態がどんどん進んでいき、気が付いたら、人が集まらない業界は外国人だらけになっていたということになりかねない気がします。

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コメント

以前紹介いただいた財政諮問会議の議事録では法務省にやたらと配慮する発言が多々見られましたが、普通に考えれば労働政策と人権保護が二本柱になるべきで、そうならないのは何となく分かってしまうのですが、何というかつぎはぎだらけの政策がまた出来そうで、5~10年後に大問題発生は避けられなさそうですね。。
大体が政策としての原則がなさすぎます。。
相変わらずな無責任社会ですね。。

投稿: 高橋良平 | 2018年10月11日 (木) 16時37分

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