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働く男子の運命は・・・

699_10『日本労働研究雑誌』10月号の特集は「男性労働」。女性労働を謳った本は山のようにあるのに、男性労働ってのはほとんどないのはなぜか?

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2018/10/index.html

金野美奈子さんによる解題に曰く:

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2018/10/pdf/002-003.pdf

労働が性別の観点から論じられる場合,女性という性別に焦点が当てられることが圧倒的に多い。もちろん,多くの労働研究の対象が実質的に男性だったという意味では,労働研究はもともと男性労働研究だったともいえるが,そこでの「男性」はいわば一般的,標準的,規範的働き方を体現する存在にすぎず,男性が男性であることによって引き受ける諸経験をひとつの「特殊」としてまなざす視点がかならずしも取られてきたわけではない。他方,現実社会の動きをみれば,従来自明視されてきた前提の変化,働き方モデルの揺らぎがますます指摘され,これまでの男性労働のあり方がひとつの歴史的特殊であったことが誰の目にも明らかになりつつある。その変化が男性たちに,また男性たちをとりまく状況に何をもたらしてきたのか,もたらしつつあるのか,男性の働き方,ひいてはそれに関わる組織,家族,社会のあり方はどこへ向かうのかを丁寧に考究していく必要性は,いっそう高まっている。

ということで、

提言 ジェンダー視点からの男性労働研究の本格的ステージへ 木本 喜美子(一橋大学名誉教授)

解題 男性労働 編集委員会

論文 男性労働に関する社会意識の持続と変容─サラリーマン的働き方の標準性をめぐって 多賀 太(関西大学教授)

男性1人働きモデルの揺らぎとその影響 小笠原 祐子(日本大学教授)

育児・家事と男性労働 石井クンツ昌子(お茶の水女子大学教授)

男性の介護労働─男性介護者の介護実態と支援課題 津止 正敏(立命館大学教授)

女性に偏る職業で男性は何をしているか─男性保育者の事例から 中田 奈月(奈良佐保短期大学教授)

剥奪(感)の男性化 Masculinization of deprivation をめぐって─産業構造と労働形態の変容の只中で 伊藤 公雄(京都産業大学客員教授)

紹介 性の多様性を前提にした職場環境づくりを考える 村木 真紀(虹色ダイバーシティ理事長)

働く男子の運命はどうなるのでせうか。

さて、特集の一部とはいえ、少し違う角度からの最後の村木さんの論文は、ちょうど今LGBTをめぐって自家炎上騒ぎが起こっているだけに、興味深い記述が多くありました。

たとえば、「一般的に「よい職場」が、かならずしもそうではない」という一節に書かれた村木さん自身の体験。

・・・LGBTでない人にとっては居心地の良い職場環境でも、当事者にはそうではないことがある。私自身、最初に就職したのは創業から100年を超える大手メーカーで、ゆったりした社風が自慢の、上司・部下、同僚同士が仲のいい、「良い職場」だった。・・・

ところが、

・・・上司や同僚、同期との関係が仲良くなればなるほど、徐々にそれがつらくなってきた。同じ借り上げマンションに、先輩や同期が住んでいて、遊びに来た恋人とエレベーターで出くわす。アフター5の飲み会は頻繁にあり、休日も旅行などのイベントに誘われる。彼氏はいない、というと、うっかり独身男性を紹介されそうになる。・・・・

結局入社3年で転職したそうです。

・・・

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