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2018年9月 3日 (月)

本田由紀編『文系大学教育は仕事の役に立つのか』

373046 本田由紀編『文系大学教育は仕事の役に立つのか 職業的レリバンスの検討』(ナカニシヤ出版)をお送りいただきました。タイトルからわかるように、本田由紀さんの実在論的職業的レリバンス論を、様々な観点を駆使して実証しようとした研究です。

http://www.nakanishiya.co.jp/book/b373046.html

人文・社会科学系の大学教育は仕事に「役立っている」のではないか。「役立ちうる」のではないか。「役立っている」とすれば,どのような「役立ち方」なのか。なぜ「役立たない」と思われているのか。
「文系」として一まとめに語られてしまいがちな人文・社会科学系に含まれる多様な学問分野間の共通性と相違に注目しながら,調査結果に基づいて,さまざまな角度から検討を行う。

本書全体の問題関心は,「いわゆる文系の大学教育は本当に「役に立たない」のか」という問いを,思弁的にではなく調査結果に基づいて,さまざまな角度から検討することにある。そしてその際には,特に「文系」すなわち人文社会科学系に含まれるさまざまな学問分野――「**学」として一般的に受け入れられている個々の学術領域――の間の共通性と相違に注目する。(第1章より)

本書によって、どこまで文系大学教育の有用性が「実証」されているといえるのか自体が、立場によって様々な意見の分かれるところともなるのでしょうが、わたしにはむしろ、叙述のあちこちにみられる、同じ文系といっても分野によってさまざまである様子が興味深いものでした。

本田さん自身の執筆している第2章「分野間の教育内容・方法の相違とスキルへの影響」の最後のまとめの一節をひくと、

・・・本研究で見いだされたのは、相対的に方法的双方向性の低い社会科学系、相対的に内容的レリバンスの低い人文科学系、いずれも高いが特に内容的レリバンスの高い教育学、中間的でバランスの取れている社会学及び心理学、あるいは理論重視の法律学、実践重視の教育学、ゼミ重視の社会学、相対的に教育密度の低い経済学、といった特徴である。

ふむふむ。

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