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2018年9月

2018年9月30日 (日)

『日本の労働法政策』細目次

来月末に刊行予定の『日本の労働法政策』の細目次です。

Jilptjapan_2

第1部 労働法政策序説

第1章 近代日本労働法政策の諸段階
1 労働法政策の準備期
 (1) 概観
 (2) 労働市場法政策
 (3) 労働条件法政策
 (4) 労使関係法政策
2 自由主義の時代
 (1) 概観
 (2) 労働市場法政策
 (3) 労働条件法政策
 (4) 労使関係法政策
3 社会主義の時代
 (1) 概観
 (2) 労働市場法政策
 (3) 労働条件法政策
 (4) 労使関係法政策
4 近代主義の時代
 (1) 概観
 (2) 労働市場法政策
 (3) 労働条件法政策
 (4) 労使関係法政策
5 企業主義の時代
 (1) 概観
 (2) 労働市場法政策
 (3) 労働条件法政策
 (4) 労働人権法政策
 (5) 労使関係法政策
6 市場主義の時代
 (1) 概観
 (2) 労働市場法政策
 (3) 労働条件法政策
 (4) 労働人権法政策
 (5) 労使関係法政策
7 労働法政策の大転換期?

第2章 労働行政機構の推移
1 社会局創設以前
2 内務省社会局
 (1) 内務省社会局の成立
 (2) 内務省社会局の組織と官僚
3 厚生省
 (1) 厚生省の設立
 (2) 厚生省の組織
 (3) 終戦直後の行政体制
4 労働省
 (1) 労働省の設立
 (2) 労働省の組織
5 厚生労働省
 (1) 厚生労働省の設立
 (2) 厚生労働省の組織

第3章 労働政策決定プロセスと三者構成原則
1 日本における三者構成原則の展開
 (1) ILOの三者構成原則
 (2) 終戦直後の三者構成原則
 (3) 日本的三者構成システムの展開
 (4) 規制緩和の波と三者構成原則
 (5) 労働政策審議会への統合
2 三者構成原則への批判と近年の動向
 (1) 規制改革会議による批判
 (2) 働き方政策決定プロセス有識者会議
 (3) 労政審労働政策基本部会

第2部 労働市場法政策

第1章 労働力需給調整システム
第1節 労働力需給調整システムの展開
1 民間職業紹介事業の規制と公共職業紹介の発展
 (1) 職業紹介事業の発生
 (2) 営利職業紹介事業の取締り
 (3) 無料職業紹介事業の始まり
 (4) 職業紹介法の制定
 (5) 職業紹介法による営利職業紹介事業の規制
2 国営職業紹介体制の確立
 (1) 職業紹介所の国営化と勤労動員政策
 (2) 職業安定法の制定
3 民間労働力需給調整システムの原則禁止
 (1) 1938年改正職業紹介法
 (2) 職業安定法による民間職業紹介事業の原則禁止
 (3) 職業安定法による労働者供給事業の全面禁止
 (4) 職業安定法とILO条約
4 民間労働力需給調整システムの規制緩和の始まり
 (1) 請負4要件の緩和
 (2) 有料職業紹介事業の対象職種の段階的拡大
 (3) 職業紹介事業に関する改正
5 民間労働力需給調整システムの規制緩和の加速
第2節 労働者派遣事業の法政策
1 労働者派遣事業の制限的法認
 (1) 業務処理請負事業としての登場
 (2) 1985年労働者派遣法
 (3) ポジティブリスト方式の意味
 (4) 原始ネガティブリスト業務
 (5) 登録型と常用型
2 労働者派遣事業の段階的拡大
 (1) 対象業務の拡大
 (2) 部分的ネガティブリストの導入
3 労働者派遣事業の一般的法認
 (1) ILOの方向転換
 (2) 規制緩和推進政策
 (3) 1999年改正
 (4) ネガティブリスト方式の意味
 (5) 1999年の適用除外業務
 (6) 派遣労働者の保護措置
4 労働者派遣事業の規制緩和の進展
 (1) 総合規制改革会議と経済財政諮問会議
 (2) 2003年改正
 (3) 派遣期間制限の緩和と直接雇用の促進
 (4) 物の製造の業務と構内請負の問題
 (5) 紹介予定派遣
 (6) 派遣先労働者との均等待遇問題
 (7) 医療関係業務
 (8) 製造業務請負の適正化
5 労働者派遣事業の規制強化への逆転
 (1) 規制改革・民間開放推進会議
 (2) 労政審中間報告
 (3) 日雇派遣等の規制
 (4) 労働者派遣事業をめぐる政治的な動き
 (5) 労働者派遣制度在り方研究会
 (6) 労政審建議
 (7) 2008年改正案
 (8) 3野党の改正案
 (9) 労政審答申
 (10) 2010年改正案
 (11) 専門26業務派遣適正化プラン
 (12) 2012年改正
6 非正規労働法制としての労働者派遣法へ
 (1) 労働者派遣制度在り方研究会
 (2) 各団体や規制改革会議の動向
 (3) 労政審建議
 (4) 2014年改正案
 (5) 2015年改正
 (6) 派遣労働者の均等待遇
 (7) 2018年改正
7 港湾労働法
 (1) 港湾労働法以前
 (2) 1965年港湾労働法
 (3) 1988年法
 (4) 2000年改正
8 建設業における労働力需給システム
 (1) 労務下請と建設雇用改善法
 (2) 建設業務労働者就業機会確保事業
9 労働組合の労働者供給事業
第3節 雇用仲介事業の法政策
1 有料職業紹介事業
 (1) 1997年省令改正までの推移
 (2) 1997年の擬似的ネガティブリスト化
 (3) 全面的ネガティブリスト化への動き
 (4) 1999年改正
 (5) 労働者保護のためのルール
 (6) 2003年改正
2 無料職業紹介事業
3 労働者の募集
4 雇用仲介事業
 (1) 雇用仲介事業在り方検討会
 (2) 労政審建議
 (3) 2017年改正
第4節 公共職業安定機関
1 公共職業安定機関の職業紹介等
 (1) ILO条約の基準
 (2) 職業紹介
 (3) 職務分析
 (4) 労働者保護のためのルール
 (5) 2017年改正
2 地方事務官制度
 (1) 戦前におけるその淵源
 (2) 地方自治法と地方事務官制度の創設
 (3) 地方事務官制度の意味
 (4) 地方事務官制度の廃止
3 公共職業安定機関の民間開放論
 (1) 総合規制改革会議
 (2) 公共サービス改革法
 (3) ハローワークとILO条約
 (4) ハローワークの市場化テスト
 (5) ハローワークの求人・求職情報の提供
4 地方分権と職業安定行政
 (1) 地方分権改革とハローワーク
 (2) 2016年職業安定法・雇用対策法改正

第2章 労働市場のセーフティネット
第1節 失業保険制度
1 失業保険制度の性格
2 失業保険法への道
 (1) 先進諸国の失業保険制度
 (2) 日本における失業保険制度への動き
 (3) 退職積立金及退職手当法
 (4) 失業保険法の制定
3 失業保険法の展開
 (1) 日雇失業保険制度の創設等
 (2) 一時帰休労働者への給付
 (3) 給付日数の改正
 (4) モラルハザードとの戦い
 (5) 全面適用への道
4 雇用保険法の制定
 (1) 雇用保険法の制定に向けて
 (2) 文脈の転換
 (3) 雇用保険法による失業給付
5 雇用保険法の展開
 (1) 1984年改正
 (2) 1989年改正
 (3) 2000年改正
 (4) 2002年の運用改善
 (5) 2003年改正
 (6) 雇用保険基本問題研究会
 (7) 2007年改正
6 非正規労働者への適用拡大
 (1) 2009年改正
 (2) 非正規労働者への適用問題の経緯
 (3) 2010年改正
7 その後の動き
 (1) 2016年改正
 (2) 2017年改正
第2節 無拠出型セーフティネット
1 求職者支援法
 (1) 連合の提言
 (2) 2008年末の貸付制度
 (3) 訓練・生活支援給付
 (4) 求職者支援法
2 公的扶助制度
 (1) 公的扶助制度の生成
 (2) 救護法
 (3) 1946年生活保護法
 (4) 1950年生活保護法
 (5) 生活保護制度運用の見直し
 (6) 2013年改正
 (7) 生活困窮者自立支援法
第3節 政策的給付と雇用保険2事業
1 政策的給付
 (1) 育児休業給付
 (2) 介護休業給付
 (3) 高年齢雇用継続給付
 (4) 教育訓練給付
2 雇用政策手段としての雇用保険2事業
 (1) 雇用保険3事業の創設
 (2) 雇用安定事業の創設
 (3) 給付金の整理統合
 (4) 雇用保険3事業の廃止への圧力
 (5) 雇用保険2事業への見直し
 (6) 事業仕分け
 (7) 現在の雇用保険2事業

第3章 雇用政策の諸相
第1節 失業対策事業
1 失業対策事業
 (1) 戦前の失業者救済事業
 (2) 終戦直後の失業対策諸事業
 (3) 緊急失業対策法
 (4) 1963年改正
 (5) 1971年中高年法
 (6) 失業対策事業の終焉
2 公共事業及び特別の失業対策事業
 (1) 公共事業における失業者吸収率
 (2) 炭鉱離職者緊急就労対策事業等
 (3) 緊急地域雇用特別給付金制度
 (4) ふるさと雇用再生特別交付金・緊急雇用創出事業
第2節 雇用対策法とその後の雇用政策
1 積極的労働力政策の時代
 (1) 失業対策から雇用政策への模索
 (2) 近代的労働市場への志向
 (3) 雇用対策法の制定
 (4) 雇用対策法の内容
 (5) 雇用対策基本計画
2 雇用維持政策の時代
 (1) 雇用保険法の制定
 (2) 雇用調整給付金とその意味
 (3) 雇用安定事業と雇用安定資金制度の創設
 (4) 雇用維持政策の全面化
3 労働移動促進政策の時代
 (1) 失業なき労働移動促進政策の登場
 (2) 労働移動促進政策への転換
 (3) 2007年改正
 (4) 雇用調整助成金の復活
 (5) 労働移動促進政策への再転換
 (6) 労働施策総合推進法
第3節 産業・地域雇用政策
1 炭鉱離職者政策
 (1) 炭鉱離職者法の制定
 (2) 雇用奨励金制度
 (3) 炭鉱離職者求職手帳制度
 (4) 産炭地域開発就労事業
 (5) 炭鉱労働者雇用安定法への改正と廃止
2 不況業種・不況地域の雇用政策
 (1) 特定不況業種離職者法
 (2) 特定不況地域離職者法
 (3) 不況業種・不況地域雇用安定法
 (4) その後の不況業種法政策
3 地域雇用開発政策
 (1) 地域雇用開発政策以前
 (2) 地域雇用開発政策の形成
 (3) 地域雇用開発等促進法
 (4) 1990年代の地域雇用開発政策
 (5) 21世紀の地域雇用開発政策
第4節 外国人労働法政策
1 出入国管理法制
 (1) 戦前の外国人政策
 (2) 戦後の出入国管理法制
2 外国人労働者政策の提起と否定
 (1) 雇用許可制の提起と撤退
 (2) 1989年入管法改正と日系南米人の導入
 (3) 研修生という「サイドドア」
3 技能実習制度
 (1) 研修・技能実習制度の創設
 (2) 2009年入管法改正
 (3) 技能実習法
4 特定職種・業種の外国人労働者受入れ政策
 (1) 高度専門職
 (2) 介護労働者
 (3) 建設業と造船業
 (4) 家事労働者
 (5) 農業労働者
5 外国人労働者の本格的受入れ政策
 (1) 2000年代における議論の提起
 (2) 技能労働者の本格的受入れ

第4章 高齢者・障害者の雇用就業法政策
第1節 高齢者雇用就業法政策
1 失業対策事業の後始末としての中高年齢失業者対策
 (1) 中高年齢失業者等就職促進措置
 (2) 中高年齢者雇用促進法
2 高年齢者雇用率制度
 (1) 中高年齢者職種別雇用率制度
 (2) 中高年齢者雇用促進法
 (3) 高年齢者雇用率制度
3 定年引上げの法政策
 (1) 定年制の法的意義
 (2) 厚生年金支給開始年齢の引上げ
 (3) 定年引上げ政策の登場
 (4) 1973年雇用対策法改正
 (5) 定年延長の立法化問題
 (6) 60歳台前半層問題の提起
 (7) 1986年高齢法
4 継続雇用の法政策
 (1) 1990年高齢法改正(再雇用の努力義務)
 (2) 1994年高齢法改正(継続雇用制度の努力義務)
 (3) 65歳現役社会の模索
 (4) 2000年高齢法改正
5 継続雇用と年齢差別禁止の法政策
 (1) 年齢差別禁止政策の浮上
 (2) 2001年雇用対策法改正(求人年齢制限緩和努力義務)
 (3) 年齢にかかわりなく働ける社会の模索
 (4) 2004年高齢法改正(継続雇用制度の部分義務化)
 (5) 2004年高齢法改正(年齢制限の理由明示義務)
 (6) 2007年雇用対策法改正(年齢制限の禁止)
 (7) 2012年高齢法改正(継続雇用制度の完全義務化)
 (8) 有期継続雇用の特例
6 シルバー人材センター
 (1) 高齢者事業団運動
 (2) シルバー人材センター
 (3) シルバー人材センターの法制化
 (4) 労働者派遣事業・有料職業紹介事業への拡大
 (5) シルバー人材センターの機能強化
第2節 障害者雇用就労法政策
1 障害者雇用率制度の展開
 (1) 障害者雇用政策の前史
 (2) 身体障害者雇用促進法(努力義務時代)
 (3) 1976年改正(身体障害者の雇用義務化)
 (4) 1987年改正(精神薄弱者への雇用率適用)
 (5) 1997年改正(知的障害者の雇用義務化)
2 精神障害者等への適用
 (1) 2002年改正
 (2) 2005年改正(精神障害者への雇用率適用)
 (3) 2008年改正
 (4) 障害者の範囲在り方研究会
 (5) 2013年改正(精神障害者の雇用義務化)
3 障害者差別禁止法政策
 (1) 障害者基本法の改正
 (2) 障害者権利条約対応在り方研究会
 (3) 労政審中間取りまとめ
 (4) 障がい者制度改革推進会議と障害者基本法改正
 (5) 差別禁止部会
 (6) 第2次障害者権利条約対応在り方研究会
 (7) 2013年改正と障害者差別解消法
4 障害者福祉法政策における就労支援
 (1) 福祉的就労と授産施設
 (2) 障害者総合支援法
5 障害者虐待防止法

第5章 職業教育訓練法政策
第1節 職業能力開発法政策
1 徒弟制から技能者養成制度へ
 (1) 徒弟制
 (2) 工場法における徒弟制
 (3) 戦時下の技能者養成と技能検査
 (4) 労働基準法における技能者養成制度
2 職業補導制度の展開
 (1) 職業補導の始まり
 (2) 失業対策としての職業補導
3 職業訓練と技能検定
 (1) 1958年職業訓練法
 (2) 公共職業訓練と事業内職業訓練
 (3) 技能検定
4 積極的労働力政策時代の職業訓練
 (1) 経済政策における人的能力政策
 (2) 雇用政策における技能者養成
 (3) 1969年職業訓練法
5 企業内職業能力開発政策の時代
 (1) 企業内職業訓練の促進
 (2) 企業特殊的技能へのシフト
 (3) 職業訓練法から職業能力開発促進法へ
 (4) 企業主義時代の職業能力検定制度
6 自発的職業能力開発政策の時代
 (1) 教育訓練休暇
 (2) 自己啓発へのシフト
 (3) 個人主導の職業能力開発の強調
 (4) 教育訓練給付
 (5) ビジネス・キャリア制度
7 職業能力開発政策の模索
 (1) キャリア形成支援への政策転換
 (2) 日本版デュアルシステムの導入
 (3) 実践型人材養成システム
 (4) 求職者支援制度と認定職業訓練
 (5) 学び直し支援
8 職業能力評価制度の展開
 (1) ジョブ・カード制度
 (2) ジョブ・カード制度の見直し
 (3) 日本版NVQ制度
 (4) 職業能力評価制度あり方研究会
 (5) キャリア・パスポート構想
 (6) 2015年改正
第2節 職業教育法政策
1 戦前の実業教育
 (1) 実業教育の始まり
 (2) 実業学校
 (3) 徒弟学校
 (4) 実業補習学校と青年学校
2 戦後の職業教育
 (1) 後期中等教育における職業教育
 (2) 職業教育制度改正の試み
 (3) 技能連携制度
 (4) 近代主義時代の職業教育
 (5) 職業教育の地位低下と復活
3 高等教育における職業教育
 (1) 戦後の大学
 (2) 高等専門学校
 (3) 専修学校
 (4) 専門職大学院
 (5) 専門職大学
 (6) 大学等の職業実践力育成プログラム
4 キャリア教育
 (1) 職業人教育の推移
 (2) キャリア教育の提唱
 (3) 中教審答申におけるキャリア教育
5 労働教育
第3節 若年者労働法政策
1 年少労働者保護法政策
 (1) 工場法における年少者保護
 (2) 年少者の就業禁止
 (3) 工場法の改正
 (4) 労働基準法における年少者保護
 (5) 年少者に係る労働契約法制
 (6) 戦後初期の年少労働問題
 (7) 1987年改正
 (8) 1998年改正
2 勤労青少年福祉法
3 新規学卒者の就職システム
 (1) 少年職業紹介の始まり
 (2) 学徒動員
 (3) 職業安定法の制定と改正
 (4) その後の新規学卒者の職業紹介
 (5) 一人一社制の見直し
4 若年者雇用法政策
 (1) 若者自立・挑戦プラン
 (2) 2007年雇用対策法改正
 (3) 青少年雇用機会確保指針
 (4) 若者雇用戦略
 (5) 青少年雇用促進法

第3部 労働条件法政策

第1章 労働基準監督システム
第1節 労働基準監督システムの形成
1 工場法と工場監督制度
 (1) 労働問題の発生
 (2) 工場法の制定過程
 (3) 工場監督制度の整備
 (4) 工場法の改正
 (5) 戦時体制下の工場監督制度
2 労働基準法と労働基準監督システム
 (1) 労働基準法の制定
 (2) 労働基準監督システムの形成
 (3) ILO労働監督条約
第2節 労働基準監督システムの展開
1 労働基準監督システムをめぐる問題
 (1) 公務員への労働基準法適用問題
 (2) 労働基準監督行政の地方移管問題
 (3) 都道府県労働局の設置とその後の動向
 (4) 労働基準監督業務の民間活用問題
2 労働基準監督行政の展開
 (1) 戦後復興期の監督行政
 (2) 高度成長期の監督行政
 (3) 安定成長期の監督行政
 (4) 臨検監督と司法処分

第2章 労災保険制度と認定基準
第1節 労災保険制度
1 戦前の労働者災害扶助制度
 (1) 工場法以前
 (2) 工場法の災害扶助制度
 (3) 健康保険による災害扶助保険
 (4) 労働者災害扶助法
 (5) 年金保険による災害扶助保険
2 戦後の労災保険制度
 (1) 労働基準法と労災保険法の制定
 (2) 長期補償の導入
 (3) 給付の年金化
 (4) 全面適用への道
 (5) 通勤災害保護制度
 (6) 労働福祉事業の創設
 (7) 民事損害賠償との調整
 (8) 年功賃金制への対応
 (9) 労災保険財政の見直し
 (10) 過労死予防への第一歩
 (11) 通勤災害保護制度の見直し
 (12) 労働保険審査制度の改正
第2節 労災認定基準と過労死・過労自殺問題
1 業務災害の認定基準
 (1) 業務災害の認定
 (2) 業務上の疾病
2 過労死・過労自殺の認定基準
 (1) 脳・心臓疾患(過労死)の性質
 (2) 脳・心臓疾患の認定基準の変遷
 (3) 長期疲労による脳・心臓疾患の認定へ
 (4) 精神障害及び自殺(過労自殺)の性質と従来の取扱い
 (5) 精神障害・自殺の判断指針
 (6) セクハラやいじめ等による精神障害の判断指針
 (7) 過労死・過労自殺の省令への例示列挙
 (8) 心理的負荷による精神障害の新認定基準

第3章 労働安全衛生法政策
第1節 労働安全衛生法制の展開
1 工場法から労働基準法へ
 (1) 工場法以前
 (2) 工場法の制定
 (3) 戦時体制下の安全衛生
 (4) 労働基準法の制定
 (5) 労働基準法と鉱山保安法
2 戦後の労働安全衛生法政策
 (1) 珪肺対策の展開
 (2) じん肺法
 (3) 一酸化炭素中毒症特別措置法
 (4) 電離放射線障害防止規則
 (5) 有機溶剤中毒予防規則
 (6) 石綿対策
3 労働安全衛生法の体系
 (1) まぼろしの安全衛生局
 (2) 労働災害防止団体法の制定
 (3) 労働安全衛生法の制定
 (4) 労働安全衛生法の体系
 (5) 建設業等の重層請負関係における安全衛生管理体制
 (6) その後の労働安全衛生法改正(建設業関係)
 (7) 製造業の構内下請における安全衛生管理体制
 (8) 産業医の位置づけ
第2節 近年の労働安全衛生法政策
1 労働者の過重労働
 (1) 健康の保持増進のための措置
 (2) 過労死防止のための健康管理
 (3) 深夜業従事者の健康管理
 (4) 過重労働による健康障害防止対策
 (5) 2005年改正
 (6) 過労死等防止対策推進法
 (7) 長時間労働に対する健康確保措置
2 労働者のメンタルヘルス
 (1) 労働者のメンタルヘルスへの取組み
 (2) 2005年改正時の状況とメンタルヘルス指針
 (3) 2014年改正
3 職場の受動喫煙
 (1) 前史
 (2) 2014年改正
 (3) 2018年健康増進法改正

第4章 労働時間法政策
第1節 労働時間法制の展開
1 工場法の時代
 (1) 先進諸国の労働時間法制
 (2) 工場法の制定
 (3) 工場法の改正
 (4) 商店法の制定
 (5) 戦時体制下の労働時間規制
2 労働基準法の制定
 (1) ILO条約と先進諸国の動向
 (2) 労働基準法の制定
 (3) 法定労働時間
 (4) 時間外・休日労働
 (5) 年次有給休暇
3 規制緩和の攻防
 (1) 1949年省令改正
 (2) 1952年改正
 (3) 1954年省令改正
 (4) 1957年臨時労働基準法調査会答申
4 労働時間短縮の時代
 (1) 一斉週休制・一斉閉店制
 (2) 先進諸国における週休2日制・長期休暇の普及
 (3) 高度成長期における週休2日制の普及促進
 (4) 安定成長期における週休2日制の普及促進
 (5) 金融機関・公務員の週休2日制
5 労働時間短縮から労働時間弾力化へ
 (1) 労働時間短縮の国政課題化
 (2) 短縮と弾力化の2正面作戦
第2節 労働時間短縮の法政策
1 法定労働時間の段階的短縮
 (1) 週48時間制の特例の廃止
 (2) 労働基準法研究会
 (3) 中基審建議
 (4) 1987年改正
 (5) 1990年政令改正
 (6) 1993年改正
 (7) 週40時間制への完全移行
2 労働時間設定改善法
 (1) 時短促進法の制定
 (2) その後の改正
 (3) 労働時間設定改善法への改正
3 時間外・休日労働
 (1) 時間外労働協定の適正化指針
 (2) 所定外労働削減要綱
 (3) 1993年改正(休日割増率の引上げ)
 (4) 1998年改正
 (5) 時間外・休日労働の上限規制の欠如
 (6) 2008年改正
 (7) 労働時間の量的上限規制の提起
 (8) 2015年改正案
 (9) 野党の長時間労働規制法案
 (10) 時間外労働規制への大転回
 (11) 2018年改正
4 勤務間インターバル規制
5 労働時間の適正な把握
 (1) サービス残業問題
 (2) 労働時間適正把握基準
 (3) 労働時間適正把握ガイドライン
 (4) 労働時間適正把握義務
6 深夜業の問題
7 自動車運転者の労働時間
 (1) 1967年の2・9通達
 (2) 1979年の27通達
 (3) 1989年告示とその改正
8 医師の労働時間
9 年次有給休暇
 (1) 1987年改正
 (2) その後の改正
 (3) 2008年改正
 (4) 2018年改正
第3節 労働時間弾力化の法政策
1 変形労働時間制とフレックスタイム制
 (1) 4週間/1か月単位の変形労働時間制
 (2) 3か月/1年単位の変形労働時間制
 (3) 1週間単位の非定型的変形労働時間制
 (4) フレックスタイム制
2 事業場外労働とテレワーク
 (1) 事業場外労働のみなし労働時間制
 (2) 在宅勤務の扱い
 (3) 事業場外勤務ガイドライン
3 裁量労働制
 (1) (専門業務型)裁量労働制の導入
 (2) 1993年改正
 (3) 裁量労働制研究会
 (4) 1998年改正
 (5) 2003年改正
 (6) その後の経緯
4 労働時間の適用除外
 (1) 管理監督者
 (2) スタッフ管理職への拡大
 (3) ホワイトカラーエグゼンプションに向けた動き
 (4) 労働時間制度研究会
 (5) 労政審答申
 (6) 迷走の挙げ句の蹉跌
 (7) 産業競争力会議等の動き
 (8) 労政審建議
 (9) 2015年改正案
 (10) 2018年改正

第5章 賃金処遇法政策
第1節 賃金法制の展開
1 労働契約における賃金
 (1) 民法雇傭契約における賃銀、報酬
 (2) 工場法の賃金規定
 (3) 労働基準法の賃金規定
2 賃金債権の保護
 (1) 民法・商法における賃金債権保護
 (2) 賃金債権強化の検討
 (3) 労働債権保護研究会
 (4) 労働債権の保護拡大
3 未払賃金の立替払
 (1) 労働基準法研究会
 (2) 賃金支払確保法の制定
 (3) 未払賃金の立替払制度
第2節 最低賃金制の法政策
1 前史
 (1) 最低賃金制への前史
 (2) 賃金統制令
 (3) 最低賃金制への模索
2 業者間協定方式の最低賃金制
 (1) 業者間協定方式の登場
 (2) 1959年最低賃金法
 (3) 労働協約による最低賃金
3 審議会方式の最低賃金制
 (1) 1968年改正(業者間協定方式の廃止)
 (2) 全国一律最低賃金制を巡る動き
 (3) 目安制度による地域別最低賃金制
 (4) 新産業別最低賃金制度
4 最低賃金の見直しから大幅引上げへ
 (1) 最低賃金制度在り方研究会
 (2) 2007年改正
 (3) 最低賃金の国政課題化
第3節 公契約における労働条項
 (1) 一般職種別賃金
 (2) 1950年公契約法案
 (3) 公契約条例
 (4) 公共サービス基本法
 (5) 連合の公契約基本法構想
第4節 均等・均衡処遇(同一労働同一賃金)の法政策
1 賃金制度の推移
 (1) 生活給思想と賃金統制
 (2) 電産型賃金体系とその批判
 (3) 労働基準法における男女同一賃金規定
 (4) 政府の賃金制度政策
 (5) 労使の姿勢
 (6) 高度成長期における政府の積極姿勢
 (7) ILO第100号条約の批准
 (8) 「能力主義」の形成と確立
2 パートタイム労働法政策
 (1) 婦人雇用としてのパートタイム労働
 (2) 労働基準法研究会
 (3) パート労働対策要綱
 (4) パート労働指針
 (5) 野党法案の展開
 (6) パート労働法
 (7) 累次の研究会
 (8) 改正パート指針
 (9) 民主党の法案
 (10) 2007年改正
3 同一労働同一賃金法政策の復活
 (1) 2007年労働契約法における「均衡」
 (2) 2012年改正労働者派遣法における「均衡」
 (3) 2012年改正労働契約法における「不合理な労働条件の禁止」
 (4) 2014年改正パート労働法における「不合理な待遇の禁止」
 (5) 同一(価値)労働同一賃金原則に係る検討の開始
 (6) 職務待遇確保法
 (7) 一億総活躍国民会議における官邸主導の動き
 (8) 同一労働同一賃金検討会
 (9) 同一労働同一賃金ガイドライン(案)
 (10) 働き方改革実行計画
 (11) 2018年改正
第5節 退職金と企業年金の法政策
1 退職金
 (1) 退職金の形成
 (2) 退職積立金及退職手当法
 (3) 戦後期の退職金をめぐる動き
 (4) 中小企業退職金共済制度
2 企業年金
 (1) 自社年金から適格退職年金へ
 (2) 厚生年金基金
 (3) 企業年金制度全般の見直し
 (4) 確定拠出年金
 (5) 確定給付企業年金
 (6) 厚生年金基金の廃止

第6章 労働契約法政策
第1節 労働契約法制の展開
1 労働法以前
 (1) 雇傭契約の源流
 (2) 民法の制定と雇傭契約の成立
 (3) 商法の制定と使用人規定
 (4) 民法(債権法)の改正と労働法
 (5) 賃金等請求権の消滅時効
2 工場法から労働基準法へ
 (1) 工場法における労働契約関係規定
 (2) 戦時法令
 (3) 労働基準法の制定
3 労働契約法制の政策課題化
 (1) 第2期労働基準法研究会の報告とその帰結
 (2) 1998年労働基準法改正
 (3) 2003年労働基準法改正
 (4) 2007年労働契約法
 (5) 労働契約法制の基本的考え方
第2節 解雇法政策
1 解雇法制の展開
 (1) 民法における雇傭契約終了法制
 (2) 工場法における解雇関係規定
 (3) 労働組合法案の解雇関係規定
 (4) 入営者職業保障法
 (5) 退職積立金及退職手当法
 (6) 労務調整令
 (7) 労働基準法の解雇関係規定
 (8) 旧労働組合法と労働関係調整法の解雇関係規定
 (9) 1949年改正労働組合法の解雇関係規定
2 解雇ルールの法制化
 (1) 小坂労相の新労働政策
 (2) 解雇権濫用法理の形成
 (3) 労働基準法研究会の微温的見解
 (4) 解雇規制緩和論と法制化論
 (5) 労政審建議
 (6) 金銭補償の枠組みとその撤回
 (7) 2003年労働基準法改正
 (8) 2007年労働契約法
 (9) 解雇ルール見直し論の再浮上
 (10) 解雇金銭救済制度の検討
第3節 有期労働契約法政策
1 有期労働契約の期間の上限
 (1) 民法における雇傭契約期間の上限
 (2) 労働基準法による労働契約期間の上限
 (3) 1998年改正
 (4) 2003年改正
2 有期契約労働者の雇止めと無期化
 (1) 臨時工問題
 (2) パートタイム労働者問題
 (3) 社会党の法案
 (4) 1998年労働基準法改正
 (5) 有期労働契約反復更新調査研究会と指針
 (6) 2003年労働基準法改正と有期労働契約基準告示
 (7) 労働契約法制在り方研究会
 (8) 2007年労働契約法
 (9) 野党の有期労働法案
 (10) 有期労働契約研究会
 (11) 労政審建議
 (12) 2012年労働契約法改正
 (13) 国家戦略特区関係の規制緩和
 (14) 研究者の有期契約特例
第4節 就業規則と労働条件変更の法政策
1 就業規則法制の展開
 (1) 戦前の就業規則法制
 (2) 戦時中の就業規則法制
 (3) 労働基準法における就業規則法制
 (4) 就業規則の一方的不利益変更問題
 (5) 最高裁の合理的変更理論とその推移
2 労働契約法政策における労働条件の不利益変更問題
 (1) 労働契約法制在り方研究会
 (2) 労政審建議と労働契約法
第5節 企業組織再編と労働契約承継法政策
1 背景としての企業組織再編法制
 (1) 企業組織再編法制の推移
 (2) 会社分割法制の創設
2 労働契約承継法政策
 (1) 企業組織変更労働関係法制研究会
 (2) 野党法案
 (3) 労働契約承継法の成立
 (4) 企業組織再編労働関係問題研究会
 (5) 組織変動労働関係研究会
 (6) 組織変動労働関係対応方策検討会
第6節 近年の論点
1 多様な正社員
 (1) 多様な正社員
 (2) 規制改革会議の提起
 (3) 有識者懇談会
2 副業・兼業
 (1) 労働契約法制在り方研究会
 (2) 働き方改革実行計画
 (3) 副業・兼業の促進ガイドライン
 (4) 副業・兼業に関わる諸制度の見直し

第7章 非雇用労働の法政策
第1節 家内労働と在宅就業の法政策
1 家内労働法と最低工賃
 (1) 家内労働問題
 (2) 家内労働対策の黎明
 (3) 家内労働法への道
 (4) 家内労働法に基づく家内労働対策
2 在宅就業
 (1) 在宅就業問題研究会
 (2) 在宅就労問題研究会
 (3) 在宅ワークガイドライン
 (4) 在宅就業施策在り方検討会
 (5) 自営型テレワークガイドライン
第2節 その他の非雇用労働者への法政策
1 労働者性の問題
 (1) 民法、工場法及び労働基準法
 (2) 労働基準法研究会報告
 (3) 労働契約法制在り方研究会
 (4) 労組法上の労働者概念
2 労災保険の特別加入
3 協同組合の団体協約締結権
4 雇用類似就業者の法政策
 (1) 個人請負型就業者研究会
 (2) 経済産業省の動き
 (3) 公正取引委員会の動き
 (4) 雇用類似の働き方検討会

第4部 労働人権法政策

第1章 男女雇用均等法政策
第1節 男女雇用機会均等法以前
1 女子労働者保護法政策
 (1) 工場法における女子保護
 (2) 労働基準法における女子保護
 (3) 1952年改正と1954年省令改正
2 母性保護法政策
 (1) 工場法における母性保護
 (2) 労働基準法における母性保護
3 勤労婦人福祉法
 (1) 勤労婦人問題の登場
 (2) 勤労婦人福祉法の制定
 (3) 勤労婦人福祉法の母性保護
4 男女雇用機会均等法の前史
 (1) 労働基準法における男女平等
 (2) 退職・定年制に関する判例法理
 (3) 国連の婦人差別撤廃条約
第2節 男女雇用機会均等法
1 1985年努力義務法の制定
 (1) 労働基準法研究会報告
 (2) 男女平等問題研究会議と婦少審建議
 (3) 男女平等問題専門家会議
 (4) 婦少審における意見対立
 (5) 公益委員たたき台
 (6) 婦少審建議
 (7) 法案提出
 (8) 野党法案の展開
 (9) 1985年法の成立
 (10) 機会均等調停委員会
 (11) 改正後の女子保護規制
 (12) コース別雇用管理の問題
2 女性差別の禁止と女子保護規定の解消
 (1) 婦少審建議
 (2) 1997年改正
 (3) 激変緩和措置とその後
 (4) ポジティブアクション
3 性差別禁止法へ
 (1) 男女雇用機会均等政策研究会
 (2) 労政審建議
 (3) 2006年改正
 (4) 坑内労働禁止の見直し
 (5) 指針の見直し
第3節 女性の活躍促進
 (1) 男女共同参画社会基本法制定の経緯
 (2) 男女共同参画社会基本法
 (3) 女性活躍推進法

第2章 ワーク・ライフ・バランス
第1節 職業生活と家庭生活の両立
1 育児休業制度の政策課題化
 (1) 勤労婦人福祉法と育児休業奨励金
 (2) 男女雇用機会均等法制定時の議論
2 特定職種育児休業法
 (1) 女子教育職員に関する立法の試み
 (2) 看護婦・保母等に関する立法の試み
 (3) 特定職種育児休業法の成立
3 育児休業法の制定
 (1) 与野党の動き
 (2) 国会の動きと婦少審建議
 (3) 育児休業法の成立
 (4) 育児休業以外の措置
 (5) 育児休業給付
4 介護休業の導入
 (1) 介護休業制度ガイドライン
 (2) 労使及び各政党の動き
 (3) 婦少審建議
 (4) 育児・介護休業法への改正
 (5) 再雇用特別措置等
 (6) 介護休業給付
5 深夜業の制限と激変緩和措置
 (1) 女子保護規定の解消
 (2) 深夜業の制限
 (3) 1998年労働基準法改正
 (4) 激変緩和措置
6 2001年改正
 (1) 少子化の政治課題化
 (2) 女少審建議
 (3) 2001年改正
 (4) 時間外労働の制限
 (5) 看護休暇の努力義務
 (6) その他の措置
7 2004年改正
 (1) 少子化対策プラスワン
 (2) 次世代育成支援対策推進法
 (3) 2004年改正
 (4) 看護休暇の請求権化
 (5) 有期雇用者の育児・介護休業請求権
8 その後の改正
 (1) 仕事と家庭の両立支援研究会
 (2) 2009年改正
 (3) 仕事と家庭の両立支援研究会
 (4) 2016年改正
 (5) 2017年改正
 (6) 仕事と育児の両立支援総合的研究会
第2節 仕事と生活の調和
 (1) 仕事と生活の調和検討会議
 (2) ワーク・ライフ・バランス憲章
第3節 病気の治療と仕事の両立

第3章 その他の労働人権法政策
第1節 労働に関する基本法制における人権規定
1 労働基準法
 (1) 均等待遇
 (2) その他の人権規定
2 職業安定法
3 労働組合法
第2節 人種差別撤廃条約
第3節 同和対策事業
第4節 人権擁護法政策
 (1) 人権救済制度の検討
 (2) 労働分野人権救済制度検討会議
 (3) 人権擁護法案
 (4) 労働関係特別人権侵害に対する救済措置
 (5) その後の推移
第5節 職場のハラスメントの法政策
1 セクシュアルハラスメント
 (1) 女子雇用管理とコミュニケーション・ギャップ研究会
 (2) 1997年改正
 (3) 職場におけるセクハラ調査研究会
 (4) セクハラ指針
 (5) 2006年改正
2 マタニティハラスメントと育児・介護ハラスメント
3 職場のいじめ・嫌がらせ
 (1) 職場のいじめ・嫌がらせ労使円卓会議
 (2) 職場のパワハラ検討会
 (3) 野党のパワハラ規制法案
第6節 公益通報者保護法政策
 (1) 公益通報者保護法
 (2) 公益通報者保護制度の見直し
第7節 労働者の個人情報保護法政策
1 個人情報保護法以前
 (1) 労働者の個人情報保護研究会
 (2) 労働者の健康情報保護検討会
2 個人情報保護法の制定とこれに基づく指針等
 (1) 個人情報保護法の制定
 (2) 個人情報保護法における個人情報取扱事業者の義務等
 (3) 雇用管理に関する個人情報保護指針
 (4) 労働者の健康情報保護検討会
 (5) 労働者の健康情報に関する通達
3 近年の動向
 (1) 2015年改正法とガイドライン
 (2) 2018年改正労働安全衛生法と健康情報指針

第5部 労使関係法政策

第1章 集団的労使関係システム
第1節 集団的労使関係法制の展開
1 労働組合法への長い道
 (1) 先進諸国の集団的労使関係法制
 (2) 治安警察法
 (3) 労働組合法制定に向けた動きの始まり
 (4) 若槻内閣の労働組合法案
 (5) 浜口内閣の労働組合法案
 (6) 戦時体制下の労使関係システム
 (7) 労務法制審議委員会
 (8) 末弘意見書
 (9) 労務法制審議委員会における審議
 (10) 1945年労働組合法
2 労働争議調停法から労働関係調整法へ
 (1) 治安警察法改正問題と労働争議調停法案
 (2) 1926年労働争議調停法
 (3) 1931年改正案
 (4) 1934年の改正検討
 (5) 戦時体制下の労働争議法制
 (6) 終戦直後の労働争議調停
 (7) 1946年労働関係調整法
3 1949年改正
 (1) 占領政策の転換
 (2) 準備過程
 (3) GHQの指示と労働省試案
 (4) GHQの態度変更と改正法の成立
 (5) 施行過程
 (6) ILOの第87号及び第98号条約
4 1952年改正
 (1) 政令諮問委員会の意見
 (2) 労政局試案
 (3) 労働関係法令審議委員会
 (4) 小規模改正
5 その後の動き
 (1) スト規制法
 (2) 健全な労使関係の育成
 (3) 労使関係システムについての検討
第2節 公的部門の集団的労使関係システム
1 公共企業体・国営企業等の集団的労使関係システム
 (1) 戦前のシステム
 (2) 戦後初期のシステム
 (3) マッカーサー書簡と政令第201号
 (4) 1948年公労法
 (5) 1950年地公労法
 (6) 1952年公労法改正
 (7) 1956年公労法改正
 (8) 1965年改正
 (9) 労働基本権問題
 (10) 経営形態の変更による改正
2 公務員の集団的労使関係システム
 (1) 戦前のシステム
 (2) 戦後初期のシステム
 (3) 1947年国家公務員法
 (4) マッカーサー書簡と政令第201号
 (5) 1948年国家公務員法改正
 (6) 1950年地方公務員法
 (7) 1965年改正
3 公務員制度改革の中の労使関係システム
 (1) 公務員制度改革と労働基本権問題
 (2) 諸会議における検討
 (3) 改革の全体像
 (4) 国家公務員労働関係法案
 (5) 地方公務員労働関係法案

第2章 労使協議制と労働者参加
第1節 労使協議制の展開
1 労働委員会の構想
 (1) 先進諸国の労使協議法制
 (2) 内務省の労働委員会法案
 (3) 協調会の労働委員会法案
 (4) 産業委員会法案とその後
2 健康保険組合
3 産業報国会
 (1) 産業報国運動の開始
 (2) 大日本産業報国会
 (3) 産業報国会の解散と協調組合の構想
4 経営協議会
 (1) 戦後労働運動の中の経営協議会
 (2) 商工省の立法構想
 (3) 厚生省の立法構想
 (4) 中労委の経営協議会指針
 (5) 経営協議会の変貌
5 炭鉱国管と生産協議会
6 労使協議制
 (1) 日本生産性本部
 (2) 労使協議制常任委員会と労使協議制設置基準案
第2節 過半数代表制と労使委員会
1 過半数代表制
 (1) 労働基準法制定時の過半数代表制
 (2) 過半数代表制の拡大
 (3) 過半数代表制の改善
 (4) 1998年改正時の省令改正
 (5) 2018年省令改正へ
2 労使委員会
 (1) 健康保険組合と厚生年金基金
 (2) 労働法上の労使委員会の先行型
 (3) 企画業務型裁量労働制に係る労使委員会
 (4) 労働条件の調査審議機関としての労使委員会
3 労働者代表法制
 (1) 連合の労働者代表法案
 (2) 労働契約法制在り方研究会
 (3) 労政審における審議
 (4) 集団的労使関係システムの将来像
第3節 労働者参加
1 会社・組合法制における労働者
 (1) 民法における組合(会社)
 (2) 商法における会社
 (3) 企業組合
2 労働者協同組合
3 労働者の経営参加
 (1) 戦後の経営参加構想
 (2) 1970年代の経営参加構想
 (3) 公開会社法案と従業員代表監査役
4 労働者の財務参加
 (1) 利潤分配制度の構想
 (2) 勤労者財産形成促進法
5 労働者の自主福祉事業
 (1) 労働組合の共済事業
 (2) 労働金庫
 (3) 消費生活協同組合

第3章 労働関係紛争処理の法政策
第1節 労働委員会制度
1 労働委員会制度の展開
 (1) 旧労働組合法の労働委員会制度
 (2) 1949年改正以後の労働委員会制度
 (3) 労働委員会の統合
2 不当労働行為審査制度
 (1) 労使関係法研究会1982年答申
 (2) 労使関係法研究会1998年報告
 (3) 不当労働行為審査制度研究会
 (4) 労政審建議と2004年改正
第2節 個別労働関係紛争処理システム
1 労働基準法における紛争解決援助
 (1) 労働基準法研究会報告
 (2) 1998年労働基準法改正
2 男女雇用機会均等法等における調停
 (1) 労働基準法研究会報告から婦少審建議まで
 (2) 1985年男女雇用機会均等法における調停委員会
 (3) その後の男女雇用機会均等法等における調停
3 個別労働関係紛争解決促進法
 (1) 労使関係法研究会中間報告
 (2) 労使関係法研究会報告
 (3) 労使団体の提言
 (4) 全国労働委員会連絡協議会
 (5) 個別的労使紛争処理問題検討会議
 (6) 個別労働関係紛争解決促進法の成立
4 人権擁護法案における調停・仲裁
5 障害者雇用促進法における調停
6 非正規労働者の均等・均衡待遇に係る調停
第3節 労働審判制度
 (1) 司法制度改革審議会
 (2) 司法制度改革推進本部労働検討会
 (3) 労働審判制度
第4節 その他の個別労働関係紛争処理制度
1 仲裁
 (1) 2003年仲裁法
 (2) その後の動向

付章 船員労働法政策
1 船員法制の形成期
 (1) 西洋型商船海員雇入雇止規則
 (2) 商法と旧船員法
2 労働力需給調整システムと集団的労使関係システムの形成
 (1) ILOの影響
 (2) 船員職業紹介法
 (3) 海事協同会による集団的労使関係システム
3 戦前期船員法政策の展開と戦時体制
 (1) 1937年船員法
 (2) 船員保険法
 (3) 船員と傷病
 (4) 戦時体制下の船員法政策
 (5) 終戦直後期における船員管理
4 終戦直後期における船員法制の改革
 (1) 労使関係法政策
 (2) 1947年船員法
 (3) 船員法の労働時間・有給休暇等
 (4) 災害補償と船員保険
 (5) 労働市場法政策
5 その後の船員労働条件法政策
 (1) 1962年船員法改正
 (2) 船員の最低賃金
 (3) 1988年船員法改正(労働時間関係)
 (4) 2004年船員法改正
 (5) 2008年改正
6 その後の船員労働市場法政策
 (1) 船員雇用問題と船員雇用促進特別措置法(1977年)
 (2) 1990年改正(船員労務供給事業)
 (3) 2004年改正(船員派遣事業)
7 船員保険の解体
8 船員労働委員会の廃止
9 ILO海事労働条約の国内法化

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2018年9月29日 (土)

大学の労働社会におけるレリバンスの違い

なんだか、ネット上では大学に行くべきか行かざるべきかとかいうような話が盛り下がっているそうですが、本来教育と労働社会の鍵に関わるような話がかくも空疎なくだらないレベルに盛り下がるのは、やはり日本社会のありようが濃厚に反映しているように思われます。

まずある時期までの先進社会の一般的な構造をごく単純化していえば、労働社会は専門職や管理職として指揮するもの(ディレクター)、その下で能力を認められて働くもの(スキルドワーカー)、その下で能力必要なく下働きをするもの(ノンスキルドワーカー)の三層からなり、それぞれに教育制度のどのレベルを卒業したかによって、高等教育卒、中等教育卒、初等教育卒のものが割り振られるという仕組みでした。日本も戦前はこうでした。

日本以外の諸国は現在に至るまでこの三層構造自体は本質的に変わっていません。ただし、教育制度が全体として高等教育が拡大する方向に大きくシフトしました。その結果、かつてはディレクター階層の要員であった大学卒は普通にスキルドワーカー要員となり、ディレクター階層はその上の大学院卒によって占められるようになっていきました。一方、かつてはスキルドワーカー要員であった高卒は、その階層になだれ込んできた大卒に押し出されるようにしてノンスキルドワーカー要員になっていきます。あまりにもおおざっぱな描写ですが、すごくざっくりいうとこういうことです。

日本以外の社会は教育制度によって身に着けた(と社会的に認められた)スキルによって労働社会のポジションが付与されるジョブベースのシステムですから、公式的に言えば、現代労働社会におけるスキルドワーカー層に求められるスキルレベルは、かつての高卒レベルよりもはるかに高まって大卒レベルになったということになるはずです。これが欧米社会の揺るがすことのできない絶対的なタテマエです。

ところが、もちろんそういう面もないこともないでしょうが、本当にそのジョブに求められるスキルレベルということでいえば、そんなに上がっているわけではなく、実は教育内容だけでいえば高卒レベルで十分なんだけど、社会全体の学歴インフレのために、今の高卒者の(学んだ教育内容のレベルが、ではなく)社会全体におけるどのレベルの人材が来ているかという意味でのレベルが、つまりその人間の脳みその出来という意味でのレベルが、かつての中卒者レベルに下がってしまっているために、本当にそのジョブを遂行するスキルという意味では何ら必要ではない大卒者というディプロマによる能力証明が必要になってしまっている、というのが、上のタテマエの下から透けて見えるホンネの姿なのだろうと思われます。

ここから、そういう本当はその卒業者が就くジョブが求めるスキルという意味では過剰でしかない大学教育なんかやめてしまい、もっと現実に即したスキルドワーカー養成のための仕組みにシフトしていくべきではないかという議論が提起されてくるわけです。繰り返しますが、これはあくまでも教育制度で身に着けたスキルによって労働社会の地位が配分されるというジョブ型社会のタテマエを大前提にするからこそ、その建前と現実との乖離を突きつけて打ち出される議論であるということを忘れないでください。

ところが、戦後の日本社会は、この(戦前の日本社会は欧米と共有していたところの)ジョブ型社会の大前提が崩れ去ってしまっています。そもそも、会社内の構造が、その果たすべき役割によって三層に分けられるのではなく、ディレクター階層とスキルドワーカー階層が(正確にはそのうちの男性ですが)フルメンバーシップを付与されたメンバー層となり、ノンスキルドレベルからスキルドレベルヘ、さらにディレクターレベルへと「社内出世」するのがデフォルトモデルとなり、その外側にノンメンバー層が存在するというありようになってしまいました。

そこでは、管理職というのも管理という機能を果たす一職務ではなく、メンバー層のシニアに付与される処遇の一環となり、もともと想定されていたはずの高等教育を受けた者とのダイレクトなつながりは失われてしまいます。専門職すら(すべてとは言いませんが)専門的なジョブというよりも一処遇形態になるようなこの社会では、専門職の主要な供給源が大学レベルから大学院レベルに移行するというようなことも、なかなか起こりにくいわけでしょう。一方で、欧米であれば大学院卒が就くのがデフォルトであるような専門職が、それが専門的スキルを必要とするがゆえにメンバーシップを持たないノンメンバー層にあてがわれ、高学歴者ほど低処遇になるという、欧米であればこれ以上ないようなパラドックスが、特段不思議そうな意識もなくごく普通に受容されるという事態も現出するわけです。

そういう社会では、企業が大卒者を採用するのは、彼が企業内で遂行するべき管理的専門的職業のスキルを大学でみにつけてきたからではなく、人間の脳みその出来という意味で社会全体の中でこのレベルの人材だからという以上のものではないわけです。だからあChuko の「シューカツ」なる社会現象があるわけで、その詳細は拙著『若者と労働』等にゆだねますが、まあ要するに、欧米社会のようなジョブ型社会のタテマエゆえの悩みは初めから感じなくて済むようになっています。教育制度で学んだことは初めからあまり関係ないのですから、「本当はその卒業者が就くジョブが求めるスキルという意味では過剰でしかない大学教育なんかやめてしま」えという議論が本気で提起されることもない。

それゆえ、高卒から大卒への教育レベルの一大シフトも、企業内階層構造との対応関係の大激変という事態を引き起こすわけでもなく、いわば欧米社会がいまだ掲げているジョブ型社会のタテマエの下でホンネとしてひそかに行っている人間力採用が、はじめから堂々たる正義として存在している以上、大学教育はその付与するスキルに対応するジョブがあるのかという本質的な意味での過剰論などはそもそも存在の余地はなく、人間力がどれだけ磨かれるか否かなどという次元でしか』論じられないのも当然かもしれません。

そういう社会では、大学に行くべきか行かざるべきかという議論も、労働社会の構造の本質如何という話とは無関係の、まともに相手にするだけの値打ちが全然感じられないような、なんだかふわふわとした能天気な話にならざるを得ないのも、またむべなるものがあるといえましょう。

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2018年9月28日 (金)

ベネッセ顧客情報漏えい事件

Rodohanrei_2018_08_01本日、東京大学労働判例研究会で、標記事件を評釈してきました。

http://hamachan.on.coocan.jp/rohan180928.html

偽装請負であったSEの顧客情報漏えいと不正競争防止法違反の有無
ITサービス会社社員(顧客情報漏えい)刑事事件(東京高判平成29年3月21日)
(労働判例1180号123頁)

正確に言うと、使った『労働判例』1180号では、なぜかA社と匿名になっているのですが、あれだけ世を騒がせた事件の社名を隠す意味があるのか理解しがたいところがあります。

というか、判決文の中では、A社を「通信教育、模擬試験の実施等を業とし、特に通信教育市場においては圧倒的なシェアを有する企業」と描写しているんですが、いやそりゃだれが考えてもベネッセでしょう。まさかZ会だと思う人は居ないはず。

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経団連はジョブ型を志向?

経団連の中西会長の定例記者会見における発言がアップされていますが、

http://www.keidanren.or.jp/speech/kaiken/2018/0925.html

世の中の反応が採用日程の問題ばかりに集中しているのに対し、むしろより本質的なことを提起しようとしているようです。

・・・現在の大学教育について、企業側も採用にあたり学業の成果を重視してこなかった点は大いに反省すべきである。学生がしっかり勉強し、企業がそうした学生をきちんと評価し、採用することが重要である。大学には、学生、経済界にとって有意義な教育を行ってほしい。企業の側でも、「AI人材」「グローバル人材」といった抽象的な表現ではなく、具体的にどのようなスキルを備えていてもらいたいのか、そのためにどのような勉強をしてほしいのか、といったことを明確に示していく必要がある。就活の日程だけが問題で、その影響により、学業が疎かになるということではないだろう。・・・

・・・これまでの大学改革の議論では、研究機関としての大学のあり方がテーマになっていたが、教育機関としての大学にも焦点を当てる必要がある。欧米のみならず、中国、シンガポール等のアジアのトップレベルの大学の学生の勉強量は日本の大学生の比ではない。日本の場合は、入学することに比べて、卒業することはさほど難しくない。企業の側もこの実態をそのまま受け止めてしまっている。こうしたことが私の問題意識の根本にある。学生がしっかり勉強するよう、大学には有意義な教育を実施してもらいたい。・・・

これはより正確に言えば、現実の大学ないし大学生の実態というよりは、むしろその卒業生を採用しようとする企業の側、とりわけ人事当局の大学教育観そのものの問題というべきでしょう。

企業の側がメンバーシップ型人事管理を前提にして、「具体的にどのようなスキルを備えていてもらいたいのか、そのためにどのような勉強をしてほしいのか、といったことを明確に示して」こなかったからこそ、それに適者生存でよりよく適応すべく、「入学することに比べて、卒業することはさほど難しくない」という最適な在り方に進化していったわけなのですから。それこそ、かつて高度成長期までは政策的な誘導の方向にもかかわらずそれと真逆の方向に進化していったわけで、まさに自生的秩序の最たるものであるわけです。

こういうそれ自体としてはきわめてもっともな議論は過去何十年も繰り返されてきましたが、うかつにこういう発言に乗って「具体的にこういうスキルを備える」べく「こういう勉強をする」ような「入学するのはさほど難しくないが、卒業するのは難しい」大学に仕立て上げたら、肝心の企業の側から、「狭い専門に閉じこもって言われたことは何でもやろうという気概に欠ける」とか「特定の技能はあるようだが、将来伸びる潜在能力が感じられない」とか言われて放り捨てられてしまっては元も子もないわけです。

経団連が本気でジョブ型労働社会を志向するというのであれば、現実の企業の採用行動が完全かつ検証可能で不可逆的にジョブ型にならないかぎり、大学や大学生の猜疑心はなくならないでしょう。

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2018年9月27日 (木)

第4次産業革命、労働法と社会保障に突き付ける課題

Hamaguchikeiichiro201809e1536907451日本経済研究センターの政策ブログ『財政・社会保障研究会』に、「第4次産業革命、労働法と社会保障に突き付ける課題」を寄稿しました。

これ最近始まったばかりで、第1回は神野直彦さんの「社会的セーフティネットを張り替えよう」、第2回が真野俊樹さんの「悪意ある外国人患者対策、民間保険会社のノウハウ生かそう」で、わたくしのが第3回ということになります。

https://www.jcer.or.jp/blog

https://www.jcer.or.jp/blog/hamaguchikeiichiro201809.html

現在、第4次産業革命といわれる経済社会の大変革が世界的に進行している。AI(人工知能)をはじめ、IoT(モノのインターネット)、3Dプリンタ、ロボット、ビッグデータ、クラウドソーシング、モバイルコミュニケーション、遠距離データ通信等々、膨大なバズワードが知的世界を飛び交っている。その中で近年、注目を集めているのが、これらによって労働の在り方自体が大きく変わっていくのではないか、それに対して労働法や社会保障はどう対応していくべきなのか、という問題である。・・・・・

ILOとの政策フォーラムで喋ったり、リクルートワークス研究所のインタビューで喋ったりしたことの繰り返しではありますが、最近のEUの動向にも触れておりますので、何かのお役に立てばと思います。

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2018年9月26日 (水)

働く男子の運命は・・・

699_10『日本労働研究雑誌』10月号の特集は「男性労働」。女性労働を謳った本は山のようにあるのに、男性労働ってのはほとんどないのはなぜか?

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2018/10/index.html

金野美奈子さんによる解題に曰く:

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2018/10/pdf/002-003.pdf

労働が性別の観点から論じられる場合,女性という性別に焦点が当てられることが圧倒的に多い。もちろん,多くの労働研究の対象が実質的に男性だったという意味では,労働研究はもともと男性労働研究だったともいえるが,そこでの「男性」はいわば一般的,標準的,規範的働き方を体現する存在にすぎず,男性が男性であることによって引き受ける諸経験をひとつの「特殊」としてまなざす視点がかならずしも取られてきたわけではない。他方,現実社会の動きをみれば,従来自明視されてきた前提の変化,働き方モデルの揺らぎがますます指摘され,これまでの男性労働のあり方がひとつの歴史的特殊であったことが誰の目にも明らかになりつつある。その変化が男性たちに,また男性たちをとりまく状況に何をもたらしてきたのか,もたらしつつあるのか,男性の働き方,ひいてはそれに関わる組織,家族,社会のあり方はどこへ向かうのかを丁寧に考究していく必要性は,いっそう高まっている。

ということで、

提言 ジェンダー視点からの男性労働研究の本格的ステージへ 木本 喜美子(一橋大学名誉教授)

解題 男性労働 編集委員会

論文 男性労働に関する社会意識の持続と変容─サラリーマン的働き方の標準性をめぐって 多賀 太(関西大学教授)

男性1人働きモデルの揺らぎとその影響 小笠原 祐子(日本大学教授)

育児・家事と男性労働 石井クンツ昌子(お茶の水女子大学教授)

男性の介護労働─男性介護者の介護実態と支援課題 津止 正敏(立命館大学教授)

女性に偏る職業で男性は何をしているか─男性保育者の事例から 中田 奈月(奈良佐保短期大学教授)

剥奪(感)の男性化 Masculinization of deprivation をめぐって─産業構造と労働形態の変容の只中で 伊藤 公雄(京都産業大学客員教授)

紹介 性の多様性を前提にした職場環境づくりを考える 村木 真紀(虹色ダイバーシティ理事長)

働く男子の運命はどうなるのでせうか。

さて、特集の一部とはいえ、少し違う角度からの最後の村木さんの論文は、ちょうど今LGBTをめぐって自家炎上騒ぎが起こっているだけに、興味深い記述が多くありました。

たとえば、「一般的に「よい職場」が、かならずしもそうではない」という一節に書かれた村木さん自身の体験。

・・・LGBTでない人にとっては居心地の良い職場環境でも、当事者にはそうではないことがある。私自身、最初に就職したのは創業から100年を超える大手メーカーで、ゆったりした社風が自慢の、上司・部下、同僚同士が仲のいい、「良い職場」だった。・・・

ところが、

・・・上司や同僚、同期との関係が仲良くなればなるほど、徐々にそれがつらくなってきた。同じ借り上げマンションに、先輩や同期が住んでいて、遊びに来た恋人とエレベーターで出くわす。アフター5の飲み会は頻繁にあり、休日も旅行などのイベントに誘われる。彼氏はいない、というと、うっかり独身男性を紹介されそうになる。・・・・

結局入社3年で転職したそうです。

・・・

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2018年9月25日 (火)

『Japan Labor Issues』10月号

JliJILPTの英文誌『Japan Labor Issues』10月号がアップされました。

http://www.jil.go.jp/english/jli/documents/2018/009-00.pdf

Trends
Key Topic: Challenges for Promoting Innovations and Realizing Work-Life Balance: MHLW'S White Paper on the Labor Economy 2017
Research
Research notes: Industry and Female Managers: Insights for Promoting Women's Active Participation in the Workplace  Tamotsu Nagata
Judgments and Orders
Course-Based Employment Systems and Gender Discrimination: The Towa Kogyo Case Keiichiro Hamaguchi

Series:Japan’s Employment System and Public Policy 2017-2022
Termination of Employment Relationships in Japan (Part III): Mandatory Retirement Age System Hirokuni Ikezoe

創刊号から連載している「Judgments and Orders」は、現代日本の労働法判例を海外読者に紹介するというたぶんあまりほかに例のないもので、JILPTの労働法関係研究員が持ち回りで書いていますが、今回は再び私の番で、東和工業事件を取り上げています。

ちなみに、これまで取り上げてきた判例は以下の通りです。

Job Changes for Re-employed  Retirees: The Toyota Motor Case  Keiichiro Hamaguchi

Interpretation of Work Rules on Conversion from Fixed-Term to Open-Ended Contract for a College Lecturer: The Fukuhara Gakuen(Kyushu Women's Junior College)Case  Yota Yamamoto

Validity of Wage Rules Deducting an Amount Corresponding to Premium Wages in Calculating Percentage Pay: The Kokusai Motorcars Case  Hirokuni Ikezoe

The Illegality of Differences in Labor Conditions between Regular Workers and Non-regular (Fixed-term Contract) Workers: The Japan Post Case  Ryo Hosokawa

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2018年9月24日 (月)

中国共産党はマルクス主義がお嫌い?

フィナンシャルタイムズに「北京大学がマルクス主義研究会の閉鎖を恫喝」(Peking University threatens to close down Marxism society)という興味深い記事を載せています。

https://www.ft.com/content/ccab09aa-bdc2-11e8-8274-55b72926558f?desktop=true&segmentId=7c8f09b9-9b61-4fbb-9430-9208a9e233c8

Http___comftimagepublishuppproduss3 副題に「学生たちは労働組合権を巡る争議を支援し続ける」(Students continue to back workers in dispute over trade union rights)とあるように、これは、マルクス主義をまじめに研究する学生たちが、元祖のマルクス先生の思想に忠実に、弾圧される労働者たちの労働組合運動を支援するのが、そのマルクス主義を掲げていることになっている中国共産党の幹部諸氏の逆鱗に触れてしまったということのようです。

China’s most prestigious university has threatened to shut down its student Marxist society amid a continuing police crackdown on students who support workers in a dispute over trade union organisation.

中国の最も権威ある大学が、労働組合組織を巡る争議において労働者を支援した学生たちに対する警察の続けられている弾圧のさなかで、その学生のマルクス主義研究会を閉鎖すると恫喝している。

Under China’s Communist party, Marxism has been part of the compulsory university curriculum for decades. But universities are now under pressure to embrace “Xi Jinping thought” as the president strengthens his ideological control over the nation. The government is also inspecting primary and secondary school textbooks to remove foreign content.

中国共産党の下で、マルクス主義は何十年にもわたって大学の義務的カリキュラムの一部であった。しかし、諸大学は今や、習近平主席が国民に対する彼のイデオロギー的支配を強化するにつれて、「習近平思想」を奉ずるようにとの圧力の下にある。政府はまた、小学校や中等学校の教科書から外国の内容を取り除くよう監督している。

いやいや、確かに、マルクス主義は厭うべき外国思想の典型なのかもしれませんね。

いまさら皮肉なことに、というのも愚かな感もありますが、一方でわざわざドイツのトリーアに出かけて行って、マルクスの銅像をぶっ立てたりしているのを見ると、なかなか言葉を失う感もあったりします。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/05/200-994a.html (マルクス200年で中国が銅像っていう話)

K10011428521_1805060816_1805060920_ ・・・いやしかし、かつての毛沢東時代の(まあ、それもマルクスの思想とは似ても似つかぬものだという批判が妥当だとは思いますが)少なくともやっている当人たちの主観的意識においてはマルクスとレーニンの思想にのっとって共産主義を実現すべく一生懸命頑張っていた時代の中国ならいざ知らず、日本よりもアメリよりも、言うまでもなくマルクスの祖国ドイツよりもはるかに純粋に近い(言い換えればむき出しの、社会的規制の乏しい)資本主義社会をやらかしておいて、それを円滑にやるための労働運動や消費者運動を押さえつけるために共産党独裁体制をうまく使っている、ある意味でシカゴ学派の経済学者が心の底から賛辞をささげたくなるような、そんな資本主義の権化みたいな中国が、その資本主義を憎んでいたマルクスの銅像を故郷に送るというのは、19世紀、20世紀、21世紀を貫く最高のブラックユーモアというしかないようにも思われます。

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2018年9月22日 (土)

『日本の労働法政策』はじめに

Jilptjapan_2 はじめに  

 2004年4月、東京大学に公共政策大学院が設置され、その一科目として労働法政策の授業が置かれた。筆者は2018年度まで15年間この講義を担当してきた。さらに2012年度には法政大学大学院にも社会人向けに公共政策研究科が設置され、筆者は雇用労働政策研究の科目を担当して2018年度で7回目になる(政治学研究科、連帯社会インスティテュートとの合同科目)。本書はこれら科目のために作成・配布してきた講義テキストの最新版である。
 2004年に授業を始めたときの当初テキストは『労働法政策』(ミネルヴァ書房)として刊行されているが、その後の法改正に次ぐ法改正を反映して講義テキストは毎年膨張を続けた。今回、働き方改革推進法が成立し、労働法制全般にわたって大幅な改正が行われたことを機に、労働政策研究・研修機構から一般刊行物として出版することとした。
 労働法の教科書は汗牛充棟であるが、それらはすべて法解釈学としての労働法である。もちろん法解釈学は極めて重要であるが、社会の設計図としての法という観点から見れば、法は単に解釈されるべきものとしてだけではなく、作られるべきもの、あるいは作り変えられるべきものとしても存在する。さまざまな社会問題に対して、既存の法をどのように適用して問題を解決するかという司法的アプローチに対して、既存の法をどう変えるか、あるいは新たな法を作るかという立法的アプローチが存在する。そして社会の変化が激しければ激しいほど、立法的アプローチの重要性は高まってゆく。
 本書の特色は労働立法の政策決定過程に焦点を当て、政労使という労働政策のプレイヤー間の対立と妥協のメカニズムを個別政策領域ごとに明らかにしていくところにある。いわば、完成品としての労働法ではなく、製造過程に着目した労働法の解説である。さまざまな労働法制がどのように形成されてきたのかという観点から労働法学の研究者や学生に、労働政策の政治過程分析の素材として政治学の研究者や学生に、そして歴史的視座に立って経済社会分析を行おうとする労働経済学や産業社会学の研究者や学生にも広く読んでいただきたいと思っている。
 この15年間で日本の労働法政策の姿はかなり変わった。とりわけ、当初テキストで将来像として描いていたいくつかの方向性が、今回の働き方改革推進法で実現に至った。たとえば、当初テキストでは労働時間法政策の章において「課題-法律上の時間外労働の上限の是非」という項を置き、「労働法政策として考えた場合に、今まで法律上の上限を設定してこなかったことの背景にある社会経済状況のどれだけがなお有効であり、どれだけが既に変わりつつあるのかを再考してみる必要はありそうである」と述べ、「ホワイトカラーの適用除外といった法政策が進展していくと、それ以外の通常の労働者の労働時間規制が本質的には同様に無制限であるということについても、再検討の必要が高まってくるであろう」と示唆していた。今回、時間外労働の法的上限規制が導入されたことは、その実現の第一歩と言える。また非正規労働についても、パートタイム、有期契約、派遣労働のそれぞれの節で、項を起こして均等待遇問題を「課題」として取り上げていた。これも今回、同一労働同一賃金というラベルの下で盛り込まれた。一方、労使協議制と労働者参加の章で「課題-労働者代表法制」として論じていた問題は、今日なお公的な法政策のアジェンダに載っていない。
 この15年間、東京大学と法政大学の大学院生諸氏との間で熱のこもった討議を経験できたことは、筆者の思考を豊かにするのに大いに役立った。本書にその成果の幾ばくかが反映されていれば幸いである。

2018年10月

                               濱口桂一郎

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2018年9月21日 (金)

梶谷懐『中国経済講義』

102506梶谷懐さんより『中国経済講義 統計の信頼性から成長のゆくえまで』(中公新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.chuko.co.jp/shinsho/2018/09/102506.html

世界第2位のGDPを誇る経済大国、中国。だが実態はつかみづらい。その経済力が世界秩序を揺るがすと見る「脅威論」から、正反対の「崩壊論」まで、論者によって振れ幅が大きい。本書では、「中国の経済統計は信頼できるか」「不動産バブルを止められるか」「共産党体制の下で持続的な成長は可能か」など、中国経済が直面する根本的な課題について分析。表面的な変化の奥にある、中国経済の本質を明らかにする。

タイトルに「講義」とあるように、世によくある中国経済は実はこうなんだぜ的な軽々しい本とは一線を画したアカデミックな香り漂う。しかし現実感覚あふれる、いかにも中公新書らしい本ですね。

序章の「中国の経済統計は信頼できるか」が、まさにそういうたぐいの軽々しく書かれた雑書をさりげに批判しつつ、梶谷さんの中国研究のありようを語っています。

本ブログでも紹介したように、梶谷さんとは、昨年5月に明治大学で開かれた第三回日中雇用、労使関係シンポジウム──非正規時代の労働問題でご一緒したことがあります。

http://www.kisc.meiji.ac.jp/~china/report/2017/news_20170528

20170528image_m

ちなみに、このシンポジウムの論文集は、もうすぐ(のはずです)御茶の水書房から『非正規労働問題の日中比較』(仮題)として出版されることになっています。

本書のうち、第4章の「農民工はどこへ行くのか-知られざる中国の労働問題」は、このシンポジウムで話題になったテーマも取り扱っています。

・・・アリババなどのIT企業により提供される取引仲介のプラットフォームは、中国の伝統的な商慣習にマッチしていたこともあり、すさまじい勢いで中国社会に普及し、人々の生活スタイルを急速かつ根本的に変えつつある。膨大な顧客情報の集積を通じた仲介サービスは、「仲介」や「評判」をベースにした伝統中国の商慣習をテクノロジーによって現代的にアレンジしたものという側面を持っている。・・・・

 その一方で、中国社会における代表的な非正規労働者である農民工の置かれた不安定な状況や劣悪な労働環境など、労使関係をめぐる「古い」問題は未だ解決されず、深刻な状況にある。中国社会ではこれらの「古い」労働問題の解決に寄与するはずの近代的諸制度、すなわち法の支配や政府から自立した労働組合などが社会に十分根付いていない。そこに広がるシェアリングエコノミーは、個々の労働者が個人営業の零細業者としての性格を強め、労使間の矛盾を「法」によって調整する空間をむしろ狭めつつあるようにさえ思える。

 テクノロジーの進歩によって中国では、ある部分では日本よりもずっと進んだ、これまでだれも経験していない情景が広がっている。一方で、かつての日本社会が社会運動や行政の取り組みによって克服してきた「古い」タイプの労働問題も、未だ存在している。・・・中国では労働問題に限らず、このような「まだらな発展」ともいうべき状況がそこかしこに広がっており、独特のダイナミズムと同時に深い矛盾を生み出している。・・・

この「まだらな発展」、古風な言い方でいえば「不均等発展」は、第6章の「共産党体制での成長は持続可能か」でも繰り返し論じられます。そこでは、プレモダン層と、モダン層と、ポストモダン層の三層構造という分析をしていて、そのプレモダンがポストモダンを支えているという、「あれ?それ昔どこかの国の話として聞いたことがあるような・・・」話が展開され、さらにそれが(共産党独裁下での)ハイエク的な「自生的秩序」であるという、何十にも入り組んだ話が展開されます。

このあたりは、是非本書を手にとって、直接読まれることをおすすめいたします。

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2018年9月20日 (木)

雇用保険財政がまかなう職業教育政策@『労基旬報』2018年9月25日号

『労基旬報』2018年9月25日号に「雇用保険財政がまかなう職業教育政策」を寄稿しました。

 去る8月末から、労働政策審議会雇用保険部会で教育訓練給付に関する審議が始まりました。これは既に政策を所管する人材開発分科会の方では告示の改正が承認されていて、財源を所管する雇用保険部会での審議が行われるということになります。改正点はいくつかありますが、焦点は来年度(2019年度)開学する予定の専門職大学・専門職短期大学に対しても、専門実践教育訓練という名の高率の給付を認めるかという点にあります。ただ、この問題はなかなか複雑に入り組んでいるので、歴史を振り返りながら頭の整理をしておきたいと思います。
 雇用保険法の中に教育訓練給付が設けられたのは今から20年前の1998年です。当時の職業能力開発政策は個人主導とか自己啓発といった言葉が流行しており、またフリードマンの教育バウチャー論がもてはやされていたという時代背景もあり、労働者が自ら費用を負担して一定のの教育訓練を受ける場合にその費用の一部を支給するという制度が設けられたのです。当時は被保険者期間5年以上を要件として、かかった費用の80%相当額(上限30万円)という大盤振る舞いでした。これはまさに時流に乗った政策でしたが、実際に施行されると、対象講座があまりにも広範に指定され、初歩的な英会話教室やパソコン教室のような、就職時に求められる職業能力という観点から見てどうかと思われるようなものまで含まれていたため、運用に批判を受け、対象が絞られるということもありました。
 それよりも1998年頃から雇用保険の支出は収入を大きく上回り、積立金は激減を始めていました。職業能力開発政策としては良い政策であっても、雇用保険財政から支出する必要があるのかという問いは避けられません。結局、財政難への対応として、2003年改正では大幅に絞り込まれ、給付率が40%に引き下げられ、上限額も20万円となりました。一方で、被保険者期間3-5年の者も給付率20%(上限10万円)で対象に含めました。さらに2007年改正では、給付水準を一律に20%(上限10万円)に一本化するとともに、被保険者期間を1年に短縮しました。かなり小ぶりな制度になったわけです。
 ところが、2012年末に自公政権に復帰した後、「若者等の学び直しの支援」というスローガンの下、再び教育訓練給付を手厚くする方向に舵が切られました。すなわち、2014年の改正で中長期的なキャリア形成に資する教育訓練を受講する場合(専門実践教育訓練)の給付率を20%から原則40%に、さらに資格取得の上就職すれば60%まで引き上げることとされたのです。審議会では特に労働側からその有効性に対して疑問の声も示されましたが、結局労働側の意見を入れて45歳未満の若年離職者に対して基本手当の50%の生活支援が設けられることで了承されました。なお2017年改正で原則の給付率が40%から50%へ、資格取得して就職すれば70%に引き上げられています。上限は年間40万円、資格取得して就職すれば年間56万円ですが、対象期間が2年ならその倍、3年ならその3倍になります。相当に手厚い給付といえるでしょう。
 では、その手厚い給付が行われる専門実践教育訓練とはどういうものなのか。2014年10月から始まった第一弾に含まれたのは、①業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする養成施設の課程、②専修学校の職業実践専門課程、③専門職大学院の3つです。その後、2016年度からは④大学等における職業実践力育成プログラム、2017年度からは⑤一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする課程、2018年度からは⑥第4次産業革命スキル習得講座と、毎年のように類型が増加してきています。そこに今度は2019年度に新たに開学予定の⑦専門職大学・専門職短期大学をそのスタート時点から加えようというのが、現在の審議の中身というわけです。
 このリストを見ていくと、文部科学省の高等教育レベルの職業教育の推進政策の財源としてこの給付が使われてきているようにも見受けられます。そこで、そちらの流れを一瞥しておきましょう。実は、②は⑦をめざす政策から派生したものなのです。文部科学省の中央教育審議会のキャリア教育・職業教育特別部会の2011年1月の答申は、高等教育レベルに新たな職業実践的な教育に特化した枠組みを提唱しました。これはまさに専門職大学の原型でしたが、その後話は専修学校の枠内に職業実践専門課程を設けることに矮小化され、これが②として専門実践教育訓練の対象となったのです。
 ところがその後、官邸に設置された教育再生実行会議が2014年に出した第5次提言で実践的な職業教育を行う高等教育機関を制度化することを求め、これを受けて文部科学省が実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議を開催し、具体案を構想しました。ちなみにこの有識者会議の委員であった冨山和彦氏が「L型大学、G型大学」というややキャッチーな表現をしたことがマスコミで話題となったことを記憶している方も多いでしょう。その後、中教審の実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する特別部会の議を経て、2017年に学校教育法が改正され、「大学のうち、深く専門の学芸を教授研究し、専門性が求められる職業を担うための実践的かつ応用的な能力を展開させることを目的とするもの」を専門職大学と定義しました。4年制の専門職大学と2年制の専門職短期大学がありますが、前者は最短で4年です。ということは、これに専門実践教育訓練を給付すると、4年間で原則160万円、資格取得して就職すると224万円になります。そんな大金を失業者でもなければ労働市場で困難に遭遇しているわけでもない社会人学生に出すのがいいことなのか、というのが労働側の反対論の根っこにありますが、かつてと違って景気が回復し、労働市場が逼迫しているため、雇用保険財政は6兆円もの大黒字を出しており、切り詰める理屈は立ちにくいようです。
 むしろ、ここ数年の雇用保険財政の黒字に目を付けて、文部科学省の新たな職業教育政策の財源として専門実践教育訓練給付が用いられるという傾向が強まってきているようです。当初から含まれていた③専門職大学院は、2002年の学校教育法改正で設けられたもので、「大学院のうち、学術の理論及び応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培うことを目的とするもの」ですが、法科大学院を始め会計、ビジネス、公共政策、公衆衛生、教職など広い範囲で開設されており、学生数は2万人を超え、社会人学生も1万人に近づいています。東京大学のロースクールも給付対象です。
 また、2016年度から対象となった④大学等における職業実践力育成プログラムも、官邸の教育再生実行会議が2015年に出した第6次提言を受けて、文部科学省が検討会の議を経て設けたもので、大学、大学院、短期大学、高等専門学校で、社会人や企業のニーズに応じた魅力的なプログラムを提供し、社会人がその受講を通じて職業に必要な能力を取得するものです。この背景には、少子化によって学生の数が減っていくという危機感がありそうです。これまでは学生の親の財布を当てにして若者を集めて特段職業的意義のない教育を施しても、企業側が喜んで引き取ってくれていたので、特に問題を感じていなかったのでしょうが、これから若年層が激減していく中で、積極的に社会人に客層を拡大していかないと、膨れあがった大学が大量に経営危機に陥っていくことは目に見えています。

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2018年9月19日 (水)

ウェビナール

ウェビナール(webinar)って何?

いや、私も今初めて知った言葉ですが、ウェブ(web)とゼミナール(seminar)をくっつけた言葉のようですね。

https://www.eurofound.europa.eu/events/webinar-platform-work(Making the platform economy work well for workers - Webinar)

On 8 November 2018 from 14:00 to 16:00 CET, Eurofound will host a webinar: Making the platform economy work well for workers. Platform workers are one of the new forms of employment making a global impact. Eurofound’s 2-hour webinar will provide a forum to go beyond the debate about the challenges inherent to this new form of employment and focus on possible solutions to tackle the various work and employment-related implications of platform work.

During the webinar, Eurofound will present its fresh research on platform work. Moderated by Financial Times columnist Simon Kuper, a panel discussion will bring together business, government and social partners to illustrate experiences and share new, innovative approaches aimed at addressing the downsides of this employment form.
Examples will include the first collective trade union agreement on platform work in Europe, a national tax regime beneficial to platform workers, and a platform worker.

This webinar is aimed at platform workers, social partners, EU and national policy makers as well as academics and representatives from civil society.

中身は今世界中の労働関係者のホットな話題になっているプラットフォーム経済で、オンラインでパネルディスカッションをするようです。

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2018年9月18日 (火)

労働関係法令審議委員会議事録

262_hp週末に届いていた『季刊労働法』262号をぱらぱらとめくっていくと、早稲田の竹内(奥野)寿さんが「昭和27年労働組合法改正立法史料研究の可能性ないし限界」という論文を書かれているのですが、その中に、立法資料の存否状況という表があって、1951年10月12日から1952年3月19日までの労働関係法令審議委員会の議事録が確認できないということになっているのですが、そのうち総会の議事録はJILPTの図書館に所蔵されています。

■論説■ 昭和27年労働組合法改正立法史料研究の可能性ないし限界 早稲田大学教授 竹内(奥野)寿

たらたらとした議論で、賀来局長には面白くない議事録だったでしょうが、でも資料としては残っているので、研究には使えると思います。

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障害者雇用率「水増し」問題の法制度史的根源@WEB労政時報

WEB労政時報に「障害者雇用率「水増し」問題の法制度史的根源」を寄稿しました。かつての解説書を大幅に引用して解説しています。

https://www.rosei.jp/readers-taiken/hr/article.php?entry_no=791

去る8月16日、国や地方公共団体の障害者雇用率が水増しされていたという報道がなされ、いわゆる炎上状態となりました。その後8月28日に厚生労働省が公表した「国の行政機関における平成29年6月1日現在の障害者の任免状況の再点検結果について」によると、この事態が明らかになった経緯は次のようなことでした。

①平成30年5月11日に財務省から厚生労働省(担当:職業安定局雇用開発部障害者雇用対策課)に対し、法に基づく通報の対象となる障害者の範囲について照会がありました。
②これを踏まえ、平成30年5月16日に、厚生労働省から国の行政機関に対し、平成29年6 月1日現在の状況の通報において計上した障害者の範囲について、問い合わせを行いました。
③その結果、複数の国の行政機関において、障害者雇用義務制度の対象となる障害者の範囲に誤りが見られたことから、平成30年6月20日に、厚生労働省障害者雇用対策課長から各機関の人事担当課長に対し、平成29年6月1日現在の状況の通報内容について、通報の対象となる障害者の範囲について再点検を行い、通報内容に修正が必要な場合は再提出を行うことを依頼しました。

この再点検により、改めて提出された通報の結果から、これまで雇用率を達成しているとされてきた国の機関が(厚生労働省などごく一部を除き)極めて低い状況にあることが明らかになったのです。・・・・・

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2018年9月14日 (金)

『DIO』340号はオリパラ特集

Dio『DIO』340号はオリパラ特集です。といっても、もちろん連合総研の機関誌なんですから、スポーツそれ自体ではなく、その周辺でオリンピック・パラリンピックを支える人々の労働問題を取り上げています。

http://www.rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio340.pdf

オリパラを支える人々のやりがいを守る−そのための健康安全対策−

過重労働と健康・安全に関する知見から−東京2020オリンピック・パラリンピックを支える人々の健康安全対策− 山内貴史(他 5名)

オリンピック・パラリンピックボランティアのマネジメントと補償問題 小野晶子

宿泊業労働者の健康安全への懸念と課題 岡本賢治

日建連における安全衛生対策及び担い手の確保・育成の取組み 渡辺博司

過労死の懸念ということで考えれば、やはり働き方改革でも時間外の上限が先延ばしにされたままオリパラを迎えなければならない建設業が最大の課題です。ホワイトカラーな皆さんは、自分たちと同類の労働者の裁量制やら高度プロフェッショナルには感心が高い割に、自分たちとは違う人種だと思っているらしい建設業や自動車運転手の超長時間労働には相対的に関心が薄い傾向にありますけど。閑話休題。

ですが、最近ネット上で炎上した話題ということでいえば、例のボランティアの話が注目度が高いでしょう。書いているのは、JILPTの小野晶子さん。

最後のパラグラフで、労働法の観点から見て大変興味深い提起をしています。

ボランティア活動で忘れられがちなのが、活動時の事故や怪我等への補償である。オリンピック・パラリンピックにおいても民間のボランティア保険に加入することになるだろうが、その内容はまだはっきりしていない。
 国をあげて行うイベントのボランティアなのであれば、この機にボランティアの法的位置づけを明確にした上で、補償等を充実させることも考えた方がよい。大会ボランティアや都市ボランティアで、ボランティア休暇制度を取得して参加した者が、活動中に事故や怪我にあった場合には労災保険が適用されるようにし、次年度にそれを理由に企業の保険料が上がらない時限的な特別法的措置を入れる。東日本大震災の被災地の企業では同様の措置がされており、不可能では無いはずだ。
 海外では、法律によりあらかじめボランティアの「労働者性」を否定した上で、報酬や社会保障等を規定して活用する動きもみられる12。例えば、アメリカでは、「国内ボランティア振興法」 の中で「支払い(stipend)」の定めが規定されている。これは連邦政府からNPO等に委託されて実施されるプロジェクト(主にアメリカ国内の貧困克服や低所得層の社会問題)に登録、任命されるボランティアに対し規定の謝礼金や手当等が支払われる仕組みだ。
 ドイツでは「社会的活動年」や「環境活動年」といった、若者を中心にボランティアを推進する枠組みがあり、このボランティアプログラムに参加する人には、手当や各種社会保障、労災保険法が適用される。フランスでは、「社団ボランティア」や「任意的民間役務」といったプログラムに関して手当や社会保障が適用される。これらのボランティアプログラムは、職業訓練や就業支援の目的も兼ねており、受入団体が活動遂行証明書を発行することもある。
 日本では東日本大震災の復興に際して多くのボランティアが活躍したが、被災地で活動したボランティアの約半数が何の保険にも入らず活動していたことがわかっている13。今後、国や地域がボランティアを社会の力として積極的に活用していくのであれば、ボランティアの地位を法律の中で規定し、補償制度等を整備していくことが望まれる。

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『日本の労働法政策』

Japan

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2018年9月13日 (木)

中野サンプラザとは何だったのか?

Nakano_sunplaza_200903中野サンプラザの立て替えをめぐって、区長がどう言ったこう言ったという報道が流れていますが、しかしそもそも、中野サンプラザはなんであの中野駅前にでんと建っているのか、そもそも中野サンプラザとは何なのか、知っている人はどれくらいいるでしょうか?

いや現時点では、中野サンプラザとは、中野区と地元企業が出資する会社の運営する一民間施設です。

しかし、2004年に民営化されるまでは、全国勤労青少年会館という公的福祉施設だったのです。

1970年に制定された勤労青少年福祉法という法律にその根拠規定があります。

http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/06319700525098.htm

勤労青少年福祉法 法律第九十八号(昭四五・五・二五)

第四章 福祉施設

 (勤労青少年ホーム)

第十五条 地方公共団体は、必要に応じ、勤労青少年ホームを設置するように努めなければならない。

2 勤労青少年ホームは、勤労青少年に対して、各種の相談に応じ、及び必要な指導を行ない、並びにレクリエーション、クラブ活動その他勤労の余暇に行なわれる活動のための便宜を供与する等勤労青少年の福祉に関する事業を総合的に行なうことを目的とする施設とする。

3 労働大臣は、勤労青少年ホームの設置及び運営についての望ましい基準を定めるものとする。

 (勤労青少年ホーム指導員)

第十六条 勤労青少年ホームには、勤労青少年に対する相談及び指導の業務を担当する職員(以下「勤労青少年ホーム指導員」という。)を置くように努めなければならない。

2 勤労青少年ホーム指導員は、その業務について熱意と識見を有し、かつ、労働大臣が定める資格を有する者のうちから、選任するものとする。

 (雇用促進事業団が設置する施設)

第十七条 雇用促進事業団は、雇用促進事業団法(昭和三十六年法律第百十六号)第十九条第一項第五号の福祉施設のうち勤労青少年に係るものの設置及び運営を行なうにあたつては、勤労青少年の職業生活の動向及び生活の実態に即応するように配慮しなければならない。

この第17条に基づいて1973年に設置された全国勤労青少年会館の通称が中野サンプラザだったんですね。

サンプラザ中野も知らないかも知れない法律のトリビアでした。

ちなみに、この勤労青少年福祉法というのは、国民の権利も義務も規定していない、一言で言うと法律事項のないかなり空っぽの法律で、同時期に作られた勤労婦人福祉法と双璧でした。

ところが勤労婦人福祉法はその後男女雇用機会均等法に(ポケモン的意味において)進化し、今では押しも押されもしない立派な大法律に出世しましたが、勤労青少年福祉法の方はほったらかしのままでした。

こんな規定もあったんですが、

 (勤労青少年の日)

第五条 ひろく国民が勤労青少年の福祉についての関心と理解を深め、かつ、勤労青少年がみずからすすんで有為な職業人としてすこやかに成育しようとする意欲をたかめるため、勤労青少年の日を設ける。

2 勤労青少年の日は、七月の第三土曜日とする。

3 国及び地方公共団体は、勤労青少年の日において、その日の趣旨にふさわしい事業が実施されるように努めなければならない。

いや、ほとんど圧倒的大部分の人が、そんな記念日は知らないと答えたでしょう。

この法律も遂に変身するときが来ました。

2017年、若者雇用対策ということで、勤労青少年雇用促進法が制定されたのですが、これは勤労青少年福祉法をほとんど全面改正したものでした。殻だけ残して実は全部取り代えた感じです。

http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=345AC0000000098

もちろん、既に民営化されていた中野サンプラザは影も形もありません。

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2018年9月11日 (火)

権丈善一『ちょっと気になる政策思想』

357662 権丈善一さんより『ちょっと気になる政策思想 社会保障と関わる経済学の系譜』(勁草書房)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.keisoshobo.co.jp/book/b357662.html

所得は平等に分配したほうが経済の活力が高まるのか、不平等に分配したほうが高まるのか? 政策がどのような前提から導き出されているものか自覚のないまま行われる社会保障論議の愚を説き、理論と思想の関係を解き明かしながら有効な政策形成を提言する。現在の状況下、わが国がどのような社会保障、経済政策をとるべきかを示唆する意欲作。

例によって権丈節満載の痛快な本であることには違いないのですが、これまでの社会保障制度を中心に論じた本と少し趣が違って、とりわけ理論編という第2章と第3章は、権丈風の経済思想史講義といった趣があります。

権丈風経済思想史といえば、もちろん「右側の経済学」と「左側の経済学」ですね。これらはどこが違うのか?

・・・その違いは、経済規模を規定する主な要因を供給とみなすか、需要とみなすかで生まれます。右側は、経済は供給が規定すると考える。左側は、需要が経済の規模、そして成長力、推進力を規定すると考えます。もっと言えば、右側の経済学では、人は貨幣からは効用を得ることがなく貨幣そのものへの需要は想定されないのですが、左側は、人は貨幣から効用を得、貨幣そのものへの需要があると考えます。

 そして左側の経済学では、貨幣からの効用が追加的な財・サービスからの効用よりは大きいときは経済は停滞し、経済規模が拡大するのは、消費者にとっての追加的な財・サービスからの効用が、貨幣からの効用よりも大きくなるときに起こると考えます。・・・

というようないかにも経済学の先生の講義みたいな話の間に、例によってベーシックインカムを持ち上げる人への皮肉たっぷりなセリフが挟まれたりもします。

・・・余談ついでに言っておきますと、先に触れたベーシックインカムって、cool head and cool heartとwarm head and warm heartの両方から支持されるんですよね・・・・・困ったことに。

ほひ、ベーカム派にcool head but warm heartは見当たらない、と。

はじめに
拙著文献表
【応用編 Ⅰ】
第1章 社会保障政策の政治経済学──アダム・スミスから,いわゆる“こども保険”まで
 概要の紹介
 働くことの意味とサービス経済の意味
 人口減少社会と経済政策の目標
 手にした学問が異なれば答えが変わる──上げ潮派とかトリクルダウンとかの話
 経済学と政策思想
 最後に,ミュルダールと,いわゆるこども保険について──ミュルダール夫妻の『人口問題の危機』
【理論編】
第2章 社会保障と関わる経済学の系譜序説──サミュエルソンの経済学系統図と彼のケインズ理解をめぐって
 はじめに
 サミュエルソンが描く経済学の系統図とその問題点
 サミュエルソンの自信とノーベル経済学賞
 社会保障と関わる経済学の系譜
 経済学と政策との関わりを示す一例
第3章 社会保障と関わる経済学の系譜
 はじめに
 マンデヴィルとスミス
 スミスとマルサス
 ママリー,ホブソンとケインズ
 ケインズのゲゼル評
 ゾンバルトの『恋愛と自由と資本主義』
 経済政策思想の流れ
 右側の経済学と左側の経済学の相違
 右側の経済学とモンペルラン・ソサイアティ
 左側の経済学における不確実性とミンスキー,そして過少消費論
 資本主義の成熟と社会保障
【応用編 Ⅱ】
第4章 合成の誤謬の経済学と福祉国家
 合成の誤謬と自由放任の終焉
 合成の誤謬に基づく政策に抗う経済界
 経済界のプロパガンダと規制緩和圧力
 成長政策と戦略的貿易論
第5章 公的年金保険の政治経済学
 年金界とのかかわりのきっかけ
 右側の経済学と左側の経済学
 ケインズの嫡子たち
 経済政策思想の流れ
 セイの法則かケインズの合成の誤謬か
 手にした学問が異なれば答えが変わる
 リスクと不確実性
 経済学と政治,政策,そして思想とのつながり
 積極的賦課方式論
 公的年金が実質価値を保障しようとしていることの
 説明の難しさ
 市場を利用することと引き換えに喪っていったもの
 素材的・物的な視点からみた積立方式と賦課方式の類似性
 積立方式信奉者たちの論
 本日のメッセージ
第6章 研究と政策の間にある長い距離──QALY概念の経済学説史における位置
 HTAとのかかわり
 実証分析と規範分析
 規範経済学の学説史──基数的効用から序数的効用へ
 厚生経済学から新厚生経済学へ
 アローの不可能性定理と分配問題
 経済学と価値判断
 政策論と価値判断
 QALYに内在する基数的効用
 HTAの政策立案への活用可能性
第7章 パラダイム・シフトほど大層な話ではないが切り替えたほうが望ましい観点
 はじめに
 ダーウィン,マックス・プランクとパラダイム・シフト
 クーンにパラダイム・シフトを着想させたもの
 社会経済政策を考える上でのスタート地点での観点について
第8章 医療と介護,民主主義,経済学
 投票者の合理的無知
 世論7割の壁
 予算編成の現状の共有
 手にした学問が異なれば答えが変わる
おわりに
【知識補給】
思想と酩酊体質
エコノ君の性格
がんばれ,ベーシック・インカム!──社会保障の正確な理解もよろしく
「市場」に挑む「社会」の勝算は?
合成の誤謬考──企業の利潤極大化と社会の付加価値極大化は大いに異なる
アダム・スミスとリカードの距離──縁付きエッジワース・ボックス
マーシャルを読んだシドニー・ウェッブのラブレター……誰に?
制度学派とリベラリズム,そしてネオ・リベラリズム
税収の推移と見せかけの相関および国のガバナンス問題
スキデルスキーのケインズ論
大登山家ママリーとマッターホルン,
そしてスイスアルプスとマーシャル
独占的競争という戦い方……
Positiveの訳は実証で良いの?
福澤諭吉とミュルダール
クーンが,パラダイム・シフトを捨てた理由
ポパー,ハイエク,ライオネル・ロビンズの親和性
市場は分配が苦手なのに繰り返し出てくるトリクルダウン

図表一覧
事項索引
人名索引

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2018年9月10日 (月)

『季刊労働法』2018年秋号

262_hp 『季刊労働法』2018年秋号の案内が労働開発研究会のサイトにアップされています。

http://www.roudou-kk.co.jp/books/quarterly/6200/

特集は「SDGsと責任ある企業の労働慣行」です。

企業の活動領域やサプライチェーンが国を越えて世界のあらゆる国,地域に広がりつつある中,企業に求められる法令遵守の対象は,本国及び投資受入国の国内法令だけでなく,域外適用のある外国法令や政府調達規則にも及び,国連指導原則に代表されるCSR規範も企業に重大な影響を及ぼしています。それを反映してか,ILOの多国籍企業宣言,経団連の企業行動憲章が相次いで改訂され,企業の社会的責任(CSR)に関する議論が進んでいます。また,東京オリンピック・パラリンピック組織委員会策定「持続可能性に配慮した調達コード」にも長時間労働の禁止,ワークライフバランスの推進などとの記載があります。こうした背景から,今号では特集「SDGsと責任ある企業の労働慣行」をお送りします。

SDGsと責任ある企業の労働慣行 神戸大学・大阪女学院大学名誉教授 香川孝三

2017年改定版ILO多国籍企業宣言 ~グローバルビジネスとディーセント・ワーク~ 国際労働機関(ILO)駐日事務所プログラム・オフィサー 渉外・労働基準専門官 田中竜介

「ビジネスと人権」に関するグローバルな立法動向と労働法実務への影響 弁護士 高橋大祐

国際行動規範をいかに内在化するか ~ SDGsを経営に統合するために~ 明治大学特任教授・損保ジャパン日本興亜CSR室シニアアドバイザー 関 正雄

労働CSRの展開と労組等の取組み ~人権の主流化とSDGsへの対応 日本ILO協議会企画委員 国際労働財団アドバイザー 熊谷謙一

日本におけるグローバル枠組み協定(GFA)締結に向けた取り組み UAゼンセン副会長 郷野晶子

国際労働関係ではよく出てくる話題なのに、メインストリームの労働法学ではほとんど取り上げられることのないこのテーマを堂々の第1特集に取り上げています。

続く第2特集は「外国人労働政策の針路」です。

外国人労働政策の動向と課題 佐賀大学教授 早川智津子

入管法及び技能実習法の実務と今後の課題 弁護士 山脇康嗣

外国人労働者の権利侵害とその救済の実際 神戸大学大学院准教授 斉藤善久

第2特集は,深刻な人手不足を背景に,動きつつある,外国人労働者の管理体制,入管政策,そして,人権侵害とその保護の実際について取りあげます。最新動向を盛り込みながら、共生社会への示唆を得ます。

うーん、これはしかし、タイミングがあまりにもドンピシャすぎて、季刊誌の特集としてはややフライング気味になってしまった感がありますな。

今年3月の経済財政諮問会議以来、急激に技能労働者の大幅な受入れ政策に舵を切ってきた外国人労働者法政策をきちんと分析するには、この時点での特集は「ぬふふ、おぬし早まったな!」という言葉が思わず漏れてしまいます。

その他の記事は、

■時言■ 混乱を招いた最高裁二判決―労契法20条の解釈基準 ~最高裁第二小法廷平成30年6月1日判決~ 明治大学法科大学院教授 野川 忍

■座談会■ クラウドワーク研究の現段階 ―比較法研究・PFヒアリングを踏まえての中間的総括 法政大学客員教授(司会) 毛塚勝利 早稲田大学名誉教授 石田 眞 法政大学教授 浜村 彰 法政大学教授 沼田雅之

■論説■ 昭和27年労働組合法改正立法史料研究の可能性ないし限界 早稲田大学教授 竹内(奥野)寿

労働法規範における公序の失墜 ―デロゲーションから補足性原理へ― 九州大学名誉教授 野田 進

■アジアの労働法と労働問題 第34回■ 日本でアジア労働法を学ぶ意義 神戸大学・大阪女学院大学名誉教授 香川孝三

■イギリス労働法研究会 第30回■ イギリス労働法のWorker概念(1) 北九州市立大学准教授 石田信平

■労働法の立法学 第51回■ 職場のハラスメントの法政策 労働政策研究・研修機構労働政策研究所長 濱口桂一郎

■判例研究■ 黙示的な職務命令による勤務中/通勤中の災害の公務起因性 地方公務員災害補償基金山梨県支部長事件・東京高判平成30・2・28TKC25549680 = D1-Law.com28261417 上智大学教授 富永晃一

■書評■ 野川忍著『労働法』 評者 同志社大学教授 土田道夫

■キャリア法学への誘い 第14回■ 公務員制度とキャリア権 法政大学名誉教授 諏訪康雄

■重要労働判例解説■ 有期契約労働者と無期契約労働者との処遇格差の不合理性 (Ⅰ)ハマキョウレックス事件・最2小判平成30年6月1日労働判例1179号20頁 (Ⅱ)長澤運輸事件・最2小判平成30年6月1日労働判例1179号34頁 國學院大學教授 本久洋一

巻頭と巻末で、野川忍さんと本久洋一さんがハマキョウと長澤を取り上げているというのもたくまざる面白さです。

わたくしの連載は「職場のハラスメントの法政策」です。

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SAPIXの中学生はすごいな

V2017_e1k4424w480x300SAPIXの「リベラル読解論述研究」というページに、

http://www.y-sapix.com/articles/41999/

使用書籍が紹介されているんですが、9月の中学3年生用の使用書籍に『働く女子の運命』が挙がっているようです。

中3 …… 『働く女子の運命』濱口桂一郎

男女が働く機会は均等である。この認識は、法的に保障され、現代社会でも広く共有されています。就職活動の際も「女性の積極的な登用」を前面に出す企業は多く存在します。しかし、近代社会が成立した時代から現代に至るまで、女性はどのように働いてきたか。その実情を見ていくと、日本社会はずっと、活躍する女性の姿から、遠く離れてきたことがわかります。その歴史を踏まえて、女性は社会でどう働くのが理想的なのか。本書を読んで、考えていきましょう。

中3でこんな本読ますんか、と思ったら、「リベラル通信 2018年9月号」では、ハンナ・アレントのゾーエーだのビオスだのまで出てきますな。

いやあ、SAPIXの中学生はすごいな。

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2018年9月 7日 (金)

水島・君塚編著『現代世界の陛下たち』

372233水島治郎・君塚直隆編著『現代世界の陛下たち デモクラシーと王室・皇室』(ミネルヴァ書房)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.minervashobo.co.jp/book/b372233.html

21世紀の現代、世界の「陛下たち」はどのような存在なのか。本書は、ヨーロッパ・アジア・日本をはじめとする世界の王室・皇室の歴史から現在をみつめ、デモクラシーのもとにある君主制・天皇制のありようを明らかにする。時代の流れに沿い、変容しつつも「伝統」をその象徴の核とする各国王室・皇室の多様な魅力や課題をエピソード豊富に描き出す。「陛下の生前退位」に揺れる日本への示唆にも富む一冊。

「はじめに」で、明仁天皇の「おことば」から始まった生前退位が、実はオランダ、ベルギー、スペインの各王、女王の近年の退位に倣ったものであったことが示され、さらに明仁天皇の「おことば」がオランダのベアトリクス女王の退位演説とよく似ていることが示されて、あらためて日本の天皇がこういう世界の立憲君主制の一環であることを思い出さされます。

お送りいただいた水島さんは、本ブログでも紹介した『ポピュリズム』の著者でもあり、本書のタイトルの「現代世界」にはポピュリズムという背景も含まれています。

というか、私自身が3年間住んでいたベルギーにおける国王ってのは、フラマンでもワロンでもない唯一の一族であって(元はドイツ人)、それゆえベルギーという複数民族国家の統一の象徴であり、それゆえエスニックなナショナリズムを掲げる極右ポピュリズムにとっては目の敵になるという、一見奇妙な、よく考えるとなるほどとなる存在なんですね。

右翼というと、王よりも王党派というのが伝統的な立ち位置のはずですが、フランデレン独立と移民排斥を唱える極右政党が国王を敵視し、国会で「共和政万歳!」と叫ぶというのは一見意外です。

しかし、改めて考えると、天皇陛下を敬うのが大原則のはずの日本の右翼が、少なくともその一部のネトウヨが、明仁天皇や美智子皇后を極左呼ばわりする日本も似たようなものなのかも知れません。

はじめに

序 章 現代世界の王室(君塚直隆)
 1 現代世界の陛下たち
 2 20世紀に消えていった王室
 3 21世紀の王室の運命

第1章 女王陛下とイギリス王室――地上最後の王様?(君塚直隆)
 1 千年の歴史をせおって
 2 ジョージ五世の遺訓
 3 リリベットの登場と帝国の再編
 4 21世紀のイギリス王室

第2章 スペイン政治と王室――安定装置としての君主制(細田晴子)
 1 不安定な君主制
 2 不安定な共和制・君主制か、安定した独裁制か
 3 安定した独裁制と後継者——なぜフランコは君主制を選択したのか?
 4 民主化移行——フランコ体制の後継者からデモクラシーの国王へ
 5 21世紀のスペイン王室——カリスマ国王から大衆化した王室へ

第3章 オランダにおける王室の展開――時代の流れに沿って(水島治郎)
 1 デモクラシーと共存する王制
 2 女王の世紀
 3 三人の「殿下」たち
 4 21世紀に生きる王室

第4章 ベルギー国王とデモクラシーの紆余曲折――君主を戴く共和国(松尾秀哉)
 1 国王の「一時的な退位」!?
 2 ベルギーとは
 3 ベルギー政治と国王の紆余曲折
 4 転換点 クビになったレオポルド三世
 5 分裂危機の時代の国王
 6 最後に――テロの時代の国王

第5章 「国の父」を亡くしたタイ――民衆の敬愛はいかに培われたか(櫻田智恵)
 1 「ラーマ九世の時代に生まれた」誇り
 2 「国王が政治の上にいる民主主義」?
 3 実は演出家? プーミポン国王のメディア戦略
 4 王位継承と政治的駆け引き

第6章 デモクラシーと「国体」は両立するか?――戦後日本のデモクラシーと天皇制(原 武史)
 1 敗戦と昭和天皇
 2 昭和天皇と高松宮の憲法認識
 3 昭和天皇の退位問題
 4 秩父宮と皇太后節子
 5 デモクラシーと「国体」の両立
 6 「詔書」と「おことば」
 7 天皇は「人間」になり得るか――結びに代えて

第7章 デモクラシーと君主制(宇野重規)
 1 生き残った君主制
 2 君主制とデモクラシーは矛盾するか――制度論的考察
 3 王・貴族・民衆の複雑な関係
 4 フランス革命の衝撃
 5 王室を飼いならす?――W・バジョットの王室論
 6 デモクラシーと君主制は両立するか


おわりに
人名・事項索引

コラム
 1 王冠をかけた恋
 2 ロイヤル・ウェディングの起源
 3 本家はどちら?
 4 多才な北欧の君主たち
 5 日蘭皇室・王室の絆——マキシマ妃は雅子妃の「ロールモデル」?
 6 ロマノフの亡霊?
 7 帝国の幻影
 8 巨人の国の大きな王様
 9 タイの神器
 10 五年ごとの国王陛下?
 11 両陛下が「意思」を示すとき——戦没者慰霊と被災地見舞い
 12 王女プリンセスたちの活躍
 13 アラブ世界の王妃の新たなスタイル

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2018年9月 6日 (木)

70歳雇用時代の大前提

日経新聞が「70歳雇用、努力目標に 多様な働き方へ政府検討」という記事を載せています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35011340V00C18A9MM8000/

政府は高齢者が希望すれば原則70歳まで働けるよう環境整備を始める。現在は原則65歳まで働けるよう企業に義務付けており、年齢引き上げの検討に入る。2019年度から高齢者の採用に積極的な企業を支援する。その上で来年以降に高年齢者雇用安定法の改正も視野に70歳まで働けるようにする。少子高齢化や人口減少社会を見据え、多様な働き方を後押しするのが狙い。・・・

今秋から未来投資会議と経済財政諮問会議で議論するそうですが、その際、念頭に置いておいてほしいのは、現行の65歳継続雇用制度自体が抱えている矛盾です。

41mvhocvl拙著『日本の雇用と中高年』で述べたことですが、

・・・さらに、強制退職年齢としての定年は60歳にとどめ置いたまま、全員65歳まで継続雇用せよという、論理的には意味不明な法制度をとらざるを得ない現在の高齢者雇用政策の矛盾を、その根本から解消する道筋もジョブ型正社員の中に見出すことができます。
 60歳での年齢による強制退職は許されないはずなのに、論理的にはそれと同義の60歳定年を認めている理由は、65歳定年にしてしまうと60歳までのフルメンバーシップを65歳まで引きずってしまうというただ一点にあります。それまで年功で積み上がってきた賃金処遇のいっさいをチャラにして、一介の非正規労働者として雇い直すという儀式を経ることで、貢献と報酬の釣り合った雇用関係を作ろうという苦肉の策であるわけです。
 しかしながら、このやり方は労働者を年齢でもって一律に正規から非正規に移行させることを意味します。問題は、メンバーシップ型の日本型雇用システムにおいては、非正規というのは会社のメンバーではなく、それゆえ重要な仕事には従事させられない周辺的な存在であるという意味合いがあることです。「嘱託」といういささか奇妙な日本語は、こういうかつて会社のメンバーであった非正規労働者を指す言葉です。もちろん、労働者には個人差があり、会社のフルメンバーとしての活動には耐え難い人も少なくないでしょう。しかし、フルメンバーとして活躍できる人をも一律に非正規化することは、社会的な人的資源の有効活用という面からして、やはり問題があるのではないでしょうか。
 現在の65歳までの継続雇用においてすらこのような問題がある中で、そのシステムを維持したまま70歳までの雇用が実現できる可能性は少ないというべきです。65歳を超えると、労働者の個人差がますます拡大します。「嘱託」という一律の非正規扱いですら耐え難い人もいる一方で、なお矍鑠とフルメンバーとしての活躍ができる人も出てくるとすると、そういう個人差に対応したシステムを構想する必要はますます高まってくるでしょう。すなわち、個々の労働者の能力に応じてさまざまにその従事する職務を定め、その職務に基づいて賃金を決定する仕組みにしていく必要があるのです。
 これは、高齢者雇用の部分だけを考えていればいい問題ではありません。壮年期から中年期における賃金制度を年齢に基づく生活給制度のままにしておいて、60歳を超えたらとたんに個人の従事する職務に応じた職務給にするというのは難しいでしょう。少なくとも中高年期以降の賃金制度については、中長期的には生活給的な年功賃金制度から、個々の労働者の従事する職務に応じた職務給の方向に移行していかざるを得ないように思われます。つまり、継続雇用の矛盾を解消し、60歳の前後で一貫した働き方を実現するためには、中高年期からジョブ型正社員のトラックに移行しておくことが不可欠の条件となるのです。・・・

少なくとも、メンバーシップ型を前提とした新卒一括採用という社会制度に適応するように社会的に仕向けられてきた若者を、いきなり荒野に放り出すような無謀なやり口をするよりも、こちらの方が遥かに重要で喫緊の課題でしょう。

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労働政策審議会労働政策基本部会報告書

本日ようやく、労働政策審議会労働政策基本部会報告書が公表されました。いくつか案が並べてあった副題も「進化する時代の中で、進化する働き方のために」になったようです。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_01176.html

いやだから、そういうポケモン風の「進化」ってことばのつかいかたはいかがなものかと思うんですが、これほど普及してしまったら仕方がないのでしょうね。

https://www.mhlw.go.jp/content/12602000/000349763.pdf

はじめに 

1.雇用・労働を取り巻く現状と課題

2.労働政策基本部会設置に当たっての問題意識

3.労働政策基本部会における審議事項

第1章 技術革新(AI 等)の動向と雇用・労働への影響について

1.技術革新(AI 等)の動向と雇用・労働への影響に関する主な議論

2.技術革新(AI 等)の雇用・労働への影響を構成する要素 

3.技術革新(AI 等)の雇用・労働への影響に関する今後の課題

(1)技術革新の雇用労働への影響の実態把握

(2)AI 等の技術革新が雇用・労働に与える影響を踏まえた労働政策の検討 

第2章 働く人全ての活躍を通じた生産性向上等に向けた取組について

1.働く人全ての活躍を通じた生産性向上等に関する現状

(1)生産性向上

(2)企業による人材育成と個人の自己啓発

(3)労働移動

2.働く人全ての活躍を通じた生産性向上等に関する今後の課題

(1)生産性向上

(2)企業による人材育成と個人の自己啓発

(3)労働移動

第3章 時間・空間・企業に縛られない働き方について

1.時間・空間・企業に縛られない働き方に関する現状

(1)雇用類似の働き方

(2)テレワーク

(3)副業・兼業

2.時間・空間・企業に縛られない働き方に関する今後の課題

(1)雇用類似の働き方

(2)テレワーク .

(3)副業・兼業

おわりに

いろんなことを並べていますが、これからの労働法政策という観点からすると、やはり「雇用類似の働き方」についての記述が注目されるべきでしょう。

2.時間・空間・企業に縛られない働き方に関する今後の課題

(1)雇用類似の働き方

 雇用関係によらない働き方が拡大している中、労働行政でも従来の労働 基準法上の労働者だけでなく、より幅広く多様な働く人を対象とし、必要な 施策を考えることが求められている。

 雇用関係によらない働き方は多種多様であって、行政が介入すべき問題 は何か、問題の原因は何か、誰が保護の対象となり得るのか、業種や職種に よってどのような違いがあるか等、このような働き方が拡大している背景 や理由なども踏まえながら、検討を進めることが必要である。

 また、仮に保護する必要があるとすれば、発注者と雇用類似の働き方の者 に関するガイドラインを策定して対応することのほか、個別のケースに対 し労働者性の範囲を解釈により積極的に拡大して保護を及ぼす方法、労働 基準法上の労働者概念を再定義(拡大)する方法、雇用類似の働き方の者に 対し、労働関係法令等の保護を拡張して与える制度を用意する方法など、 様々な方法が考えられる。いずれにしても、保護の対象や保護の内容の検討 なしに結論は得られないことから、保護の必要性について検討する中で議 論すべきである。

 雇用類似の働き方に関する保護等の在り方については、このような様々 な課題について、法律、経済学等の専門家による検討に速やかに着手するこ とが必要である。

 検討に当たっては、保護の対象者たる「雇用類似の働き方の者」、契約条 件の明示、契約内容の決定・変更・終了のルールの明確化、スキルアップや キャリアアップ、出産、育児、介護等との両立、集団的労使関係、社会保障 等の保護の内容及び保護の方法について、実態把握と並行して検討を進め ていくことが必要である。その際には、 「雇用類似の働き方に関する検討会」 報告書で把握した実態や課題、また、今後更に把握すべきと指摘された事項を基に、雇用類似の働き方の者、雇用労働者双方を含めて関係者が納得感を 得られるよう、総合的に議論を進めていくべきである。

この問題は今世界的に労働関係者や労働研究者の熱心な議論の焦点になっており、様々な政策方向が論じられています。ここに挙がっている「個別のケースに対 し労働者性の範囲を解釈により積極的に拡大して保護を及ぼす方法」「労働 基準法上の労働者概念を再定義(拡大)する方法」「雇用類似の働き方の者に 対し、労働関係法令等の保護を拡張して与える制度を用意する方法」もその例ですが、この問題は評論家的な議論も重要ですが、労働法や民法など法律の専門家やマクロ的な視点からの経済学の専門家などもを交えて突っ込んだ議論も必要なので、まさに「雇用類似の働き方に関する保護等の在り方については、このような様々 な課題について、法律、経済学等の専門家による検討に速やかに着手するこ とが必要」です。

ということで、雇用環境・均等局の方で、もう一度雇用類似の検討会をたちあげて、ぜひもう少し具体的な方向付けを示すような議論が展開されることを期待したいと思います。

Coverpic ちょうどそれに合わせたわけでもないのでしょうが、『労働調査』の8月号が「シェアリングエコノミーとは何か」を特集しています。

http://www.rochokyo.gr.jp/html/2018bn.html#8

特集 シェアリングエコノミーとは何か

プラットホームエコノミーと労働法上の課題-プラットホームエコノミーで働く就労者の労働者性について 浜村 彰(法政大学・法学部・教授)

ライドシェアを通して見るシェアリングエコノミーの問題 川上 資人(弁護士・東京共同法律事務所)

海外におけるシェアリングエコノミーの現状 山崎 憲((独)労働政策研究・研修機構・主任調査員)

シェアリングエコノミーによる変化と労働組合の対応 村上 陽子(連合・総合労働局長)

K201809 さらに、こちらは共産党の機関誌ですが、『経済』9月号も「『シェア・エコノミー』とは何か」を特集しているようです。

http://www.shinnihon-net.co.jp/magazine/keizai/detail/name/経済%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%91%EF%BC%98年%EF%BC%99月号NO.276/code/03509-09-8/

<特集> 「シェア・エコノミー」とは何か
 ◎シェア経済は「未来の働き方」か 森岡孝二
 ◎「雇用によらない働き方」 推進の狙いと拡大の実態 髙田好章
 〔インタビュー〕ウーバーイーツ配達員の働き方は? 気軽に自由に働ける…その現場で 
 ◎「ギグエコノミー」がはらむ労働・雇用の法的問題 川上資人
 ◎新しいビジネスモデルの虚像 
 「ギグエコノミー」めぐる国際的な対応動向 山崎 憲
 ◎「市場の両面性」とシェア・エコノミー 高野嘉史

というわけで、各論文のタイトルを見ただけでも、シェアリングエコノミーだの、プラットフォームエコノミーだの、ギグエコノミーだのと様々で、これに加えてコラボラティブエコノミーとかクラウドワークとか、様々な用語が散乱しています。これは世界的にそうなんですね。

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2018年9月 4日 (火)

教育と職業の密接な無関係を象徴するシューカツ・ルール

経団連の中西会長が就活ルールの廃止を口にしたと大騒ぎになっています。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34913280T00C18A9EA1000/

・・・「経団連が採用の日程に関して采配すること自体に極めて違和感がある」。中西氏は会見で、経団連が主体となってルールを定める現状に疑問を呈した。経団連がルールをなくせば自由な採用活動が一段と広がり、新卒一括採用を前提とする雇用慣行の転機となる。・・・

・・・中西氏は会見で、学生を新卒で同時期に一括で採用し、ひとつの企業のなかでキャリアを積んでいくことを前提とした日本型の雇用慣行を見直す必要性にも触れた。「問題意識は共有する経営者も多い」とも話し、企業の人材確保について議論を詰める考えを示した。・・・

しかし、そもそも教育と職業のインターフェイスがこういう形で問題になってしまうこと自体に、日本型雇用システムの特性が浮き彫りになっているというべきでしょう。

昨日紹介した本田由紀編『文系大学教育は仕事の役に立つのか 職業的レリバンスの検討』(ナカニシヤ出版)の懸命の主張にもかかわらず、世の中の多くの人々が、メンバーシップ型社会の「人間力」就活を大前提に考えている限りは、シューカツ・ルールは偽善と本音の絡み合う領域になってしまわざるを得ないのでしょう。

Chuko本ブログの読者にとっては今さらな耳たこ話ですが、拙著『若者と労働』から:

ジョブ型社会の「職業能力」就活
 日本であれ、欧米であれ、学生が企業に対して、自分が企業にとって役に立つ人材であることを売り込まなければならない立場にあるという点では何の違いもありません。違うのは、その「役に立つ」ということを判断する基準です。
 欧米のようなジョブ型社会においては、第一章でみたように採用とは基本的に欠員補充ですから、自分はその求人されている仕事がちゃんとできるということをいかにアピールするかがもっとも重要になります。学生の場合、売りになる職業経験はないのですから、その仕事に必要な資格や能力を持っているということをアピールするしかありません。そのもっとも重要な武器は、卒業証書、英語で言うディプロマです。
 欧米では、一部の有名大学を除けば入学するのはそんなに難しくはありませんから、ある大学に入学したことだけでは何の説得力もありません。むしろ、日本と違ってカリキュラムはハードで、ついてこれない学生はどんどん脱落し、卒業の頃には同期の学生がだいぶ減っているというのが普通ですから、卒業証書こそがその人の能力を証明するものだと一般的に考えられています。
 そして、ここが重要なのですが、その能力というのは、日本でいう「能力」、つまり一般的抽象的な潜在的能力のことではなく、具体的な職業と密接に関連した職業能力を指すのです。卒業証書を学歴と言い換えれば、欧米社会とは言葉の正確な意味での学歴社会ということもできます。日本でいわれる学歴社会というのが、具体的にどの学部でどういう勉強をしてどういう知識や技能を身につけたかとはあまり関係のない、入学段階の偏差値のみに偏したものであるのに対して、欧米の学歴社会というのは、具体的にどの学部でどういう勉強をしてどういう知識や技能を身につけたかを、厳格な基準で付与される卒業証書を判断材料として判定されるものなのです。こういう社会では、言葉の正確な意味でのもっとも重要な就「職」活動は、必死で勉強して卒業証書を獲得することになります。
 ちなみに、こういうジョブ型社会ではあまりにも当たり前の行動を、日本社会で下手にやるととんでもない大騒ぎになることがあります。かつて、ある大学の法学部で、既に企業に内定している四年生の学生に対し、必修科目の民法で不可をつけた教授の行動が、マスコミで取り上げられ、世論を賑わしました。入学時の偏差値と面接時の人間力判定で十分採用できると企業が考えているのに、本来何の職業的意義もない大学の授業における教授の成績評価によってできるはずの卒業ができなくなり、「入社」の予定が狂わされるのは、本末転倒である、と、少なくとも当時の日本社会の大多数の人々は考えていたということでしょう。

メンバーシップ型社会の「人間力」就活
 それに対し、日本では実のところ「職」に就くという意味での「就職」活動ではない「入社」のための活動に、学生が振り回される・・・というのが、定番の議論になるわけですが、実を言うと、就職活動(「就活」)をめぐる議論は、第四章で述べる一九九〇年代における「入社」システムの縮小の前と後では、その位相がかなり変わっています。
 第一章で述べたような日本型雇用システムが確立していた時期には、「自分の希望するところへ就職することは困難であるとしても、ほぼ間違いなく全員が自分の就職先を見つけ出すことができるようになってい」た時代ですから、もっぱら在学中からの就職活動が大学教育に悪影響を及ぼすという建前論からの批判が主でした。それゆえ、それに対する対策も、大学、業界団体及び官庁の間の就職協定という、強制力のない紳士協定によって、会社訪問の開始日と選考の開始日を定めてその遵守を申し合わせるというものでした。
 そもそも職業的意義の乏しい教育を受けてきている学生たちにとって、そのような教育をどれだけきちんと身につけたかなどという基準ではなく、あいまいな潜在能力やら人格やらでもって判断されることは、決して悪い話ではなかったのです。ある会社では「相性が合わない」として撥ねられたとしても、別の会社では「うちの会社にぴったりだ」と歓迎されることもあり得ますし、新卒労働市場全体としては一般労働市場に比べて遙かに売り手市場である以上、どこかには入り込めるという安心感がありましたから、基準のあいまいさそれ自体の問題性は、当時はほとんど議論されていませんでした。日本社会全体が、メンバーシップ感覚の中にどっぷりつかって、疑問を呈することすらなくなっていたというべきかもしれません。
 ところが、九〇年代以降かなり急速に進んだ大学進学率の上昇と、日経連の『新時代の「日本的経営」』(一九九五年)を大きな画期とする「入社」システムの縮小の中で、「ほぼ間違いなく全員が自分の就職先を見つけ出すことができるようにな」るという前提までが崩れてくると、そういうあいまいな基準でどこにも「入社」先を見つけられないという事態があちらでもこちらでも発生してくるようになり、そういった「人間力」による採用選考のあり方自体が問題意識に上ってくるようになったのです。
 この「人間力」という言葉は、二〇〇〇年代に入ってから文部科学省や内閣府の政策文書に登場するようになった言葉ですが、前述した本田由紀氏は、『多元化する「能力」と日本社会』(NTT出版)の中で、「生きる力」とか「コミュニケーション能力」などそれらを取り巻くさまざまな言葉とあわせて、「ハイパー・メリトクラシー」と呼んでいます。それは、欧米社会における近代的能力からポスト近代的能力へという変化に対応する言葉ですが、日本の文脈ではむしろ、一九六九年の『能力主義管理』で掲げられた「いかなる職務をも遂行しうる潜在能力」に極めて近いものであることが重要です。
 ここは大変入り組んでいて、理路を解きほぐすのがなかなか難しいのですが、もともと日本の企業では、そういう「人間力」というのは、「入社」してから上司や先輩の指導の下でOJTを繰り返していくことでじわじわと身につけていくものであって、それゆえ「社員」の人事評価においては極めて重要な基準ではあったとしても、「入社」を決定する時点でそれほど高い「人間力」を求められるような厳格な基準ではなかった、というのが重要なポイントでしょう。
 労働社会全体としては日本型雇用システムが変容していき、「社員」の範囲が縮小するようになっていってはじめて、それまで「入口」段階ではそれほど決定的な重要性を持たなかった「人間力」が、それによって「社員」の世界には入れるか否かが決定されてしまう大きな存在として浮かび上がってきた、というのが、九〇年代以降の実相なのではないかと思われます。

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2018年9月 3日 (月)

本田由紀編『文系大学教育は仕事の役に立つのか』

373046 本田由紀編『文系大学教育は仕事の役に立つのか 職業的レリバンスの検討』(ナカニシヤ出版)をお送りいただきました。タイトルからわかるように、本田由紀さんの実在論的職業的レリバンス論を、様々な観点を駆使して実証しようとした研究です。

http://www.nakanishiya.co.jp/book/b373046.html

人文・社会科学系の大学教育は仕事に「役立っている」のではないか。「役立ちうる」のではないか。「役立っている」とすれば,どのような「役立ち方」なのか。なぜ「役立たない」と思われているのか。
「文系」として一まとめに語られてしまいがちな人文・社会科学系に含まれる多様な学問分野間の共通性と相違に注目しながら,調査結果に基づいて,さまざまな角度から検討を行う。

本書全体の問題関心は,「いわゆる文系の大学教育は本当に「役に立たない」のか」という問いを,思弁的にではなく調査結果に基づいて,さまざまな角度から検討することにある。そしてその際には,特に「文系」すなわち人文社会科学系に含まれるさまざまな学問分野――「**学」として一般的に受け入れられている個々の学術領域――の間の共通性と相違に注目する。(第1章より)

本書によって、どこまで文系大学教育の有用性が「実証」されているといえるのか自体が、立場によって様々な意見の分かれるところともなるのでしょうが、わたしにはむしろ、叙述のあちこちにみられる、同じ文系といっても分野によってさまざまである様子が興味深いものでした。

本田さん自身の執筆している第2章「分野間の教育内容・方法の相違とスキルへの影響」の最後のまとめの一節をひくと、

・・・本研究で見いだされたのは、相対的に方法的双方向性の低い社会科学系、相対的に内容的レリバンスの低い人文科学系、いずれも高いが特に内容的レリバンスの高い教育学、中間的でバランスの取れている社会学及び心理学、あるいは理論重視の法律学、実践重視の教育学、ゼミ重視の社会学、相対的に教育密度の低い経済学、といった特徴である。

ふむふむ。

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2018年9月 1日 (土)

労働基準法施行、労働省設置71周年

本日9月1日は、71年前の1947年に、労働基準法が施行され、その実施に当たる労働省が設置された日です。

なんでそんなことを思い出したかというと、さすがにこういうツイートを目にしたもので。

https://twitter.com/qZdT1jLsjyz05WQ/status/1033300876608192512

8時間労働制は左翼のお陰????
生まれて初めて聞いた、日本で8時間労働制が定着したのは高度成長期以降、労働者の離職率が高まり、その為政府が8時間労働制を法制化し、強制的な残業減らしで過当競争を抑制した事が原因!左翼はただ単に企業倒産を増やしただけ!

いやもちろん、このツイートだけでも相当な脱力ものですが、それにかてて加えて、これに反論しようとしているついーとがどれもこれも、

メーデーについて調べてみましょう。

それ、ロシアに共産主義者の政権が出来て労働者の待遇良くしないと自分たちが倒されると言う危機感を持ったからですよ。

リンク先の国際的に有名な歌は、八時間労働制を求めた歌でもあります。

お前、ロバート オーエン知らないの。勉強したら。

まあ例えば日本共産党の22年テーゼに含まれているのは経済面では8時間労働の他、最低賃金、失業保険、累進課税などです。

といった外国の経緯や共産党の話ばかりで、そもそも現行日本法制たる労働基準法に8時間労働が明記されたのが、今から71年前のGHQ占領下の片山哲連立内閣の時代であったという、一番肝心の歴史的事実が全然出てこないという事態に、改めて今日のネット市民諸氏の頭の中から、日本の近現代史がすっぽり抜け落ちているという戦慄すべき事実に直面しております。

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