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2018年8月21日 (火)

瀧澤弘和『現代経済学』

102501中央公論新社の方より瀧澤弘和『現代経済学 ゲーム理論・行動経済学・制度論』(中公新書)をお送りいただきました。ありがとうございます。

http://www.chuko.co.jp/shinsho/2018/08/102501.html

二〇世紀半ば以降、経済学は急速に多様化していき、学問としてはわかりにくさを増した。本書は、ミクロ及びマクロ経済学はもとより、ゲーム理論、行動経済学や神経経済学などの大きな潮流を捉え、実験や制度、経済史といった重要な領域についても解説。多様化した経済学の見取り図を示す。かつて〝社会科学の女王〟と呼ばれた経済学の現在地を提示し、その未来と果たすべき役割を明らかにする。入門にも最適。

実は、正直言って、なぜ本書をわたくしなどにお送りいただいたのかよく分からないのですが、よくある経済学の「入門の入門」風の新書本とは違い、今現在の結構先端的な経済学の概観を読者に与えてくれるいい本だと思います。

第1章がミクロ経済学、第2章がゲーム理論、第3章がマクロ経済学、第4章が行動経済学、第5章が実験経済学、第6章が制度の経済学、第7章が経済史(ノースとかグライフとかグレーバーとかピケティとかが出てきます)と、ある意味でいかにも新書という形式にもっともふさわしい知のエッセンスの集約版になっていますね。

このうち、それなりにまじめに勉強したのは、雇用契約とりわけ解雇の経済分析の関係で第6章の制度の経済学に出てくるコースやウィリアムソンなどですかね。本書にはちらとしか出てきませんが、彼ら新制度学派のご先祖様に当たるコモンズなんかも、労働研究者にはある程度読まれていると思いますが、経済学プロパーの世界ではお呼びではないようです。

終章では、経済学は法則定立的科学であるという考え方からメカニズムを解明するものであり、そもそも客観的な科学たりえないという高度に哲学的な議論が展開されており、ここだけ読んで知ったかぶりをするのに最適な素材になっています。

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