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2018年7月10日 (火)

日本医師会の働き方意見書

昨日開催された第8回 医師の働き方改革に関する検討会の資料がアップされていますが、

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00164.html

Logo_01注目すべきは日本医師会の医師の働き方検討会議がまとめた「医師の働き方改革に関する意見書」です。

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000331104.pdf

基本的には「医師と医療の特殊性を鑑みると、一般業種とは違った 抜本的な制度改革が必要」という観点で書かれていますが、具体的な制度提案としては、医療法上の「宿直」と労基法上の監視断続労働たる宿日直の余りの乖離に対して、中くらいの宿日直の制度を作れといっています。

医師の宿日直には、 通常業務がほとんどない 「許可を受けた宿日直」( 断続的・監視労 働で労働時間の適用除外)と「通常業務と同じ宿日直」だけでなく、「通常より少ない」宿日直 があり全体の約半分を占めている (図表 3)。この実態を踏まえ、断続的・監視労働で も通常労働でない、 「中間的な働き方 」に対応する制度を構築する必要がある。・・・現行の宿日直 可基準 (労働時間適用除外)に関する 通達 は、今日においては、看護師 には適合しているが 医師 の業務には適合していなため 内容 を見直す 必要が ある 。

うーーん、しかしその「中間的」宿日直は少なくとも労基法41条3項の監視断続労働ではないはずなので、新たに部分的適用除外ないし新たな見なし労働時間制の条項を設けろと言うことなんでしょうか。

院外オンコール待機は、現在の裁判例でも労働時間とはされていないのでまあ妥当でしょう。また、休日確保やとりわけインターバル規制を推奨しているところは同感できます。

問題は時間外の上限規制にかかわるところで、

現状の医師の労働時間の分布状況、時間外労働時間規制を導入した場合の地域医療への影響等を考えると、一律の上限規制を設定すること自体が難しい。・・・

こうした調査結果等を踏まえ、同委員会答申では長時間労働の歯止めとして「医師の特別条項」、特別条項で対応が困難な場合の「医師の特別条項の『特例』」という医師独自の制度を提言している。本検討会議においても、この考え方を踏襲することが妥当と考える。

この「医師の特別条項」は「脳・心臓疾患の労災認定基準」とあるので、例の単月100時間を想定しているようですし、「医師の特別条項の『特例』」の方は「精神障害の労災認定基準」とあるので、月160時間を想定しているのかも知れません。

最後のまとめのところにあるように、労働基準法に医師を合わせることに対しては抵抗があるようです。

医師の働き方検討会議は現行制度を当然踏まえつも、「働き方を法令に合わせる」 のでなく、「法令を働き方に合わせる」という発想で提言をまとめ た。

医師会としてはそもそも医師は労働者なのかというのが根っこにあるのかも知れません。

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