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2018年7月23日 (月)

北岡大介『「同一労働同一賃金」はやわかり』

51ncknnqd4l__sx304_bo1204203200_北岡大介さんより『「同一労働同一賃金」はやわかり』(日経文庫)をお送りいただきました。いつも素早いですね。

https://www.nikkeibook.com/book/192334

これまでの労働法では、「均等」を主要なテーマとしてきました。男女差別の撤廃、出身、年齢の差別撤廃など、「機会均等」に重きが置かれてきました。しかし、今回問題になるのは主に「均衡」です。
「均衡」とは「同じ仕事をしていれば正規か非正規かの雇用に関係なく、同じ待遇で報いる制度」。しかし、そもそも「同じ仕事」というのは何なのか。責任の重さや、過去の職歴をひもとけば、全く「同じ仕事」とすることも難しいと言えます。
本書では最新の最高裁判決等を挙げながら、企業実務へのインパクトを解説。また、実務上の具体策として、業務・責任などを徹底的に「見える化」するための実例を示します。「同一労働同一賃金」に関連する法律は、大企業では2020年から施行され、企業の対応はまったなしの状況です。
本書は、考え方の基本から具体策までを、社会保険労務士で元労働基準監督官である著者が書き下ろします。

法案の成立が遅れた分、最高裁の両判決も書き込めたので、結果オーライかも知れません。

第1章 同一労働同一賃金が求められる背景
第2章 均衡待遇規定の解釈と法的課題
第3章 さらに「均衡」のとれた職場を求めて
第4章 「今そこにある危機」への企業対応
第5章 中長期的な対応

第5章の「中長期的な対応」の最後のところで、「6 労使コミュニケーションの新たな姿」と題して、従業員代表制度の可能性にも論究しています。

この点、『労基旬報』7月25日号に寄稿した拙論「働き方改革関連法の放置された論点」でも、最後のところで触れているんですが、何しろ国会では同一労働同一賃金は完全に放置プレイされてしまっていますので・・・。

・・・これは、同一労働同一賃金を口実にした「各社の労使による合意なき通常の労働者の待遇引下げ」を抑止しようとするものですが、裏返していえば、通常の労働者の待遇引き下げをやるのであれば「各社の労使による合意」でもってやれという意味でもあります。しからばその「各社の労使」の「労」とは何か、労働組合だけか、といえば狭すぎますし、36協定の過半数代表者みたいなものでもいいのか、となると余りにも緩すぎるでしょう。実はここに、集団的労使関係システムをめぐる大問題-新たな従業員代表制を創設すべきか否か?という問題-が孕まれているのですが、残念ながら肝心の国会はその点を掘り下げて論じてくれてはいないようです。 ・・・

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