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2018年7月25日 (水)

職業と労働市場@『JIL雑誌』8月号

697_08『日本労働研究雑誌』8月号は「職業と労働市場」が特集です。

http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2018/08/index.html

提言 職業をめぐる4レベル 諏訪康雄(法政大学名誉教授)

解題 職業と労働市場 編集委員会

論文

職業の区分法と日本の職業別就業構造 西澤弘(JILPTアドバイザリー・リサーチャー)

階級・階層研究における多様な職業的地位尺度の比較分析 長松奈美江(関西学院大学准教授)

技術と職業構造と労働市場 神林龍(一橋大学教授)

内部労働市場におけるキャリアとしての職業 宮本光晴(専修大学教授)

労働立法における「職業の安定」と労働市場の法規制─労働権保障の実現のために 有田謙司(西南学院大学教授)

「労働と教育」再考 小玉重夫(東京大学教授)

紹介 職業教育訓練からみたわが国の職業能力評価制度の現状と課題 谷口雄治(職業能力開発総合大学校教授)

社会学、経済学、法学、教育学などさまざまな視座から「職業」という日本の労働社会ではなにがしか据わりの悪い概念にアプローチしています。

その中で、西澤さんの論文との関係で最近気になっているのが、日本標準職業分類というのは、いかにも欧米の労働社会を前提に作られたもので、それを現実の労働社会に持ち出すとなかなか矛盾が結構出てくるということです。

Jilptshokugyoこれは、この特集とはちょっと離れるのですが、現在厚生労働省編職業分類の改訂作業というのが進められていて、JILPTにその委員会が置かれ、その報告書が今年の3月に出ているのです。

http://www.jil.go.jp/institute/siryo/2018/200.html

面白いのは、この中の現行分類の課題を現場の声として拾っている部分を読んでいくと、そもそも大分類で専門技術的職業というのを立て、各産業の上の方の職業資格のある人々をそこに入れ、それとは別にそういう上澄みじゃない、つまり職業資格を持たない労働者たちを、事務の職業とか、サービスの職業とか、製造の職業とか、建設の職業とか分けていること自体、いかにも欧米社会の構造を映し出しているなあ、と。

ところが日本の現場はそういう風になっていないので、日本的感覚ではほぼ同じ、それゆえ近いところに置かれるべき職業(というか「仕事」)が、遠く離れた大分類に泣き別れしてしまうわけですね。大分類B中分類16社会福祉の専門的職業に属する「介護支援専門員」と、大分類E中分類36介護サービスの職業に属する「施設介護員」「訪問介護員」なんて、現場では微々たる違いでしょう。

とはいえ、そもそも職業分類の根っこにある資格を重視する欧米型の職業概念が世界標準になっていて、日本の統計もそれに沿って作らなければいけない以上、現場感覚と合わないからと言ってあまりにも違うものにするわけにもいかないわけです。

この話の延長線上に、そもそも大分類Aの管理的職業というのが、日本ではそもそもいかなる意味でも「職業」なんかじゃなくって、大分類C事務的職業以下のそれぞれの「仕事」に長年就いていた人々が得る「管理職」という地位であるという大問題があるわけですが(この件は、『日本の雇用と中高年』でやや詳しく論じましたが)、そこまで行くと話が全部ひっくり返るので、なかなか大変です。

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