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2018年7月 2日 (月)

クラシノソコアゲに直結 最低賃金@『月刊連合』7月号

201807_cover_l『月刊連合』7月号をお送りいただきました。いつもありがとうございます。

https://www.jtuc-rengo.or.jp/shuppan/teiki/gekkanrengo/backnumber/new.html

今号の特集は「クラシノソコアゲに直結 最低賃金」です。

パート労働者、契約・派遣社員などのいわゆる非正規労働者が雇用者全体の約4割を占める中、その労働条件改善は急務だ。雇用形態の違いのみを理由に労働者を低賃金で雇用することは許されない。どこで、どんな雇用形態で働こうとも、賃金は少なくとも生活できる水準を確保しなければならない。さらにいえば、働きに見合う水準であるべきだ。
多くの非正規労働者のクラシノソコアゲに直結するのが、法定最低賃金の引き上げだ。日本の法定最賃は、地域別最低賃金と特定(産業別)最低賃金の2つ。いずれの金額も、春季生活闘争の取り組みが大きく影響する。例えるならば、春季生活闘争で種をまき、夏の地域別最賃引き上げ、秋の特定最賃引き上げにつながるイメージだ。すべての働く者が実りある秋を迎えるため、われわれ労働組合の果たす役割は大きく、他人事ではない。
なぜ法定最賃が必要なのか。どこでどう決まるのか。どんな課題があるのか。まずは基礎知識を理解し、これから本格化する法定最賃の審議に注目していこう。

いまさらいう必要も本来はないことですが、労働法には国家権力が強制しなければならないような部分と、について、労使の間の交渉に委ねる方がいい部分があります。

春闘の賃上げをどうするかみたいな話は後者ですが、それだけでは届かない底辺の労働者層に生活できる賃金をいかに確保するかという話になると、最低賃金の出番になるわけです。

ちなみに、同じことが労働時間についても言えて、これ以上働かせたら健康に危ない、過労死するかも知れないという長時間労働の規制「こそ」が国家権力がそのサーベルを行使するべき所なのであって、年収1000万円を超える高給取り労働者の残業代という(それはたしかにそれも)労働者の権利「ばかり」に国家権力を行使させることに熱中するというのは、労働法の基本の「キ」を忘れ去った顛倒した発想としかいいようがありません。大いに反省していただきたいところです。

それはともかく、そういう最低賃金について、今号はかなりきちんと記事をまとめています。

■日本の最低賃金制度の特徴と課題 神吉知郁子 立教大学法学部国際ビジネス法学科准教授
■地方連合会の取り組み
■構成組織の取り組み
永井幸子 UAゼンセン常任中央執行委員 短時間組合員総合局局長
吉清一博 自動車総連中央執行委員 労働政策局局長
■連合の取り組み 冨田珠代 連合総合労働局長

実は、最低賃金については、先日自民党の雇用問題調査会の賃金・生産性向上PTにお呼びいただき、日本の最低賃金制度の歴史とその含意についてお話をさせていただいたところです。

そこでも話したのですが、産業別労働組合に労働市場規制能力がほとんどなく、産業別労働協約がほとんど存在しない日本において、特定最賃をいかに意味のあるものとして生かしていけるかは、本質的な難問と言えます。

今号では、UAゼンセンと自動車総連の方が出てきていますが、いろんな分野で人手不足が顕在化してきつつある今だからこそ、業界の労働条件を総体として引き上げていかなければ、そもそも働く人が来なくなって動かなくなるという危機感を経営側も共有させることが重要になってくると思います。

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