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2018年7月14日 (土)

40代問題@『DIO』339号

Dio 『DIO』339号をお送りいただきました。特集は「職業人生の折り返しを迎えた働く
40代の今を考える」です。

http://www.rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio339.pdf

就業面における世代としての特徴 神林龍
40代の「学び」について 中原淳
40代のストレス対処法 下園壮太
共働き夫婦間の家事育児分担 梶谷真也

最近、40代が他の世代に比べて賃金が伸び悩んでいる、昇進スピードが落ちているという声が強いですが、最初の神林さんのインタビューは、いろいろな条件を考慮しなければいけないよと、冷静な労働経済学者らしい冷や水をかけています。

大変面白かった部分を引用しておきます。

・・・・80年代後半、90年代から、大卒者が急速に増えました。この増加した分は、ほぼ女性の大卒者の増加で説明できます。男性の大学進学率はそれほど上がらなかったのですが、女性の大学進学率が急上昇したことは、今ではよく知られているのではないでしょうか。その背景には、80年代以前の出発点で、男性の大学進学率と女性の大学進学率が大きく違っていたことがありました。

 これは労働経済学の研究者の間ではひとつの共通見解になっていると思うのですが、80年代に、例えば、男性の7割ぐらいが大学進学をして、女性は4割ぐらいしか大学進学しなかったとしましょう。それが90年代に入ると、男性は7割であまり変わらないものの、女性は6割まで上昇するとどうなるでしょう。能力分布でみると、新たに大卒になったのは、女性の40パーセント点から60パーセント点ぐらいの人にあたるわけです。もし男性と女性の能力分布が同じとすれば、この女性の40パーセント点から60パーセント点までの人は、男女合わせた全体の能力分布の真ん中に位置します。そのため、男性の能力分布の70パーセント点だった人の相対的な位置は、女性の大卒の割合が4割から6割まで増えた分、自分は何も変わらないのに、大卒の中の順番がそのまま2割ぐらい下がってしまいます。
 男性大卒の70パーセント点の人からすると、90年代に入ると、自分より能力が高い女性が大卒になったため、80年代であれば就けた仕事が大卒女性に取られてしまい、非正規になってしまったのかもしれない、ということになります。80年代から90年代にかけては、大卒男子の中で、大学に行くか行かないかというところにいた人は劇的な変化を被っていたはずです。

-同世代の女性の大学進学率の上昇の影響があったにもかかわらず、直前の世代がバブル世代であることもあって、大卒男子の就職難が景気要因でのみ説明されることが多いということでしょうか。

 バブルの世代は、女子の大学進学率は高くありませんでした。こうしたことを考慮せずにバブル世代と比べることは、コーホートの中の相対的な位置が変わっていることを理解できてないことになります。40代の就職氷河期世代についての議論は、大学を卒業するときに不況に当たったということだけが強調されているわけですが、これは説明要素の一つに過ぎないわけです。

 

 

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