« 『働くおっさんの運命』にすればよかった・・・かな? | トップページ | 外国人労働導入論の一翼 »

労働教育の現状と課題@『日本労働年鑑 2018年版』

370904『日本労働年鑑 2018年版』の巻頭特集が「労働教育の現状と課題」です。

http://www.junposha.com/book/b370904.html

特 集 労働教育の現状と課題
 はじめに
 第一章 なぜ労働教育が必要なのか
  1 若者たちの働き方の激変――非正規化と長時間労働の蔓延
  2 労働組合の組織率低下と個別労働紛争の増加
  3 権利の認知度の低下や労働者意識の変化
 第二章 国や都道府県の労働教育
  1 国の取り組み
  2 都道府県の取り組み
 第三章 教職員組合と学校現場での労働教育
  1 教職員組合の取り組み
  2 高校を中心とする学校現場の取り組み
  3 労働教育の位置づけ
 第四章 大学における労働教育の取り組み
  1 キャリア教育・キャリア支援の展開
  2 キャリア教育・キャリア支援における労働教育
  3 青少年雇用対策基本方針による周知啓発
  4 アルバイトの労働問題と大学の対応
  5 就職活動時の労働問題への大学の対応
  6 正課授業における労働教育の取り組み
  7 弁護士によるワークルール教育の実践
 第五章 諸団体が取り組む労働教育
  1 日本労働弁護団の取り組み
  2 連合の労働教育の取り組み
  3 全労連の取り組み
  4 明治大学自治労寄付講座「地方自治体の仕事と労働組合」の取り組み
  5 明治大学労働講座の取り組み――OB・OGの職場経験から学ぶ
  6 NPO法人職場の権利教育ネットワークの取り組み
  7 一般社団法人日本ワークルール検定協会の取り組み
  8 NPO法人POSSEの取り組み――権利行使に結びつくための労働法教育の実践
  9 NPO法人あったかサポートの取り組み
  10 大阪の高校における労働教育
  11 労働教育研究会の取り組み
 おわりに

なんと太っ腹なことに、この特集がここからダウンロードできます。

http://www.jca.apc.org/labornow/labor_education/20180625.pdf

近年の労働教育の動向を手際よくかつ的確にまとめています。

なんですが・・・、いや別に文句を付けるためにわざわざエントリを起こしているわけじゃないんですけどね。

43ページ(PDFファイルでは8枚目)の下の段の「(4)ワークルール教育推進法の制定へ」というパラグラフで、

・・・がワークルール教育推進法案を検討準備してきたが、ようやく18年の通常国会に提出され、成立する見通しである(18年2月1日現在)。この法案はワークルール教育に関する国の基本方針の作成や施策実施のための予算措置を義務付けており、成立すれば労働教育を推進していくうえで大きなインパクトになるであろう。

とあるんですが、いや、7月6日現在、この法案はいまだ国会に提出されてはいません。

特集の最後の「おわりに」にも、

・・・18年の通常国会にワークルール教育推進法案の提出が予定されている。本法案成立すれば、労働教育を推進するうえで大転換を画するであろう。

とあります。

刊行までに校正の機会はあったはずなので、どうしてこういうことになったのかよくわからないのですが、いずれにしても、これから延長国会終了までに急遽提出して直ちに採択するのでない限り、成立する見通しはあまりないように思われます。

(参考)

この特集対象時期に至る以前の、戦前から近年に至る時期の労働教育の流れを概観した小論がこちらになります。

http://hamachan.on.coocan.jp/kikan247.html(労働教育の形成・消滅・復活(『季刊労働法』2014年冬号(247号)))

 労働教育という言葉は長らく死語でした。労働省編『労働用語辞典』でも、昭和37年版までは「労働教育」という言葉が採録されていましたが、その後は消えています。広辞苑その他の一般的な国語辞典にはざっと見た限りでは採録されたことはないようです。
 ところが、ごく最近になって、この言葉が労働関係者の間でかなり頻繁に使われるようになりました。その問題意識は、1990年代末からパート、フリーターなど非正規労働者の激増の中で、労働者自身が労働法制を知らず、自分の権利が侵害されていてもそのことに気がつかないといった状況が拡大しているとの指摘がされるようになったことが背景にあります。
 こうした中、私も若干関わって2008年8月に厚生労働省において「今後の労働関係法制度をめぐる教育の在り方に関する研究会」(座長:佐藤博樹)が開始され、翌2009年2月に報告を公表しました。最近では2012年6月に官邸の雇用戦略対話で策定された若者雇用戦略においても、「労働法制の基礎知識の普及を促進する」ことが求められています。民間レベルでも、労働法教育に向けた様々な取組が進められています。さらに2013年10月には日本労働弁護団が「ワークルール教育推進法の制定を求める意見書」を公表し、立法措置を求めました。
 本稿では、こうして半世紀ぶりに復活を遂げた「労働教育」という言葉が、かつてどういう文脈で取り上げられ、政策として進められ、そしてフェードアウトしていったのかを概観し、これからの労働教育をめぐる議論のための素材とすることを意図しています。 ・・・
1 戦前の労働教育
2 終戦直後の労働教育行政
3 「職業指導」における労働教育
4 終戦直後の非政府系労働教育
5 労働教育行政の展開
6 労働教育行政の外部化と希薄化
7 労働教育の復活
8 労働教育研究会報告書の概要
9 若者雇用戦略
10 ワークルール検定
11 ワークルール教育推進法

|
|

« 『働くおっさんの運命』にすればよかった・・・かな? | トップページ | 外国人労働導入論の一翼 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/73809503

この記事へのトラックバック一覧です: 労働教育の現状と課題@『日本労働年鑑 2018年版』:

« 『働くおっさんの運命』にすればよかった・・・かな? | トップページ | 外国人労働導入論の一翼 »