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2018年7月17日 (火)

ヘイトとはドロサヨ2.0のウヨ化?

9784909237170_600先週いただいた『POSSE』39号なんですが、特集のセクハラが、やや周辺的な話題に集まっている感が・・・・。

http://www.npoposse.jp/magazine/no39.html

◆特集「#MeTooはセクハラ社会を変えられるか?」

少女を買う大人にNO!と言える社会に
――性売買の実態とセクハラ社会ニッポンの醜態

仁藤夢乃(女子高生サポートセンターColabo 代表)

女性専用車両への悪質な乗り込みを止めるために
――加害者に責任をとらせるためのヘイトウォッチ戦略

梁英聖(NPO法人反レイシズム情報センター代表)

包括的な支援でセクハラに対抗する
――セクハラと闘う労働組合パープル・ユニオンの取り組み

佐藤香(パープル・ユニオン執行委員長)

#MeToo の風をユニオンの力に変えて
――セクハラ被害を訴え続けた当事者とユニオンの闘い

本誌編集部

女性を孤立させる社会を終わらせるために
竹信三恵子(ジャーナリスト 和光大学教授)

なので、ここでは労働問題プロパーから若干離れて、梁英聖さんの文章を読んで感じたことをいくつか。

ここに出てくるのは、女性専用車両は男性差別だと言って女性専用車両に無理矢理乗り込んでくる「運動家」たちの姿なんですが、おそらく梁さん自身にそこまでの意図があったかどうかは分かりませんが、読んでいると、「差別されているのは俺たちだ!」と叫んでいわゆる被差別グループにヘイトを繰り返す人々、典型的には在特会とか嫌韓流とかの人々と共通する要素を感じました。

その要素を詰めていくと、松尾匡さんのいう左翼2.0の急進派、私のいうドロサヨ、世間一般的にはいわゆるアイデンティティ・ポリティクスを最重要に考える過去数十年くらいに流行した反差別型左翼のものの発想の型を、その型だけをそのまま輸入して、主客を逆転させて、その反差別型左翼のロジックで被害者だったグループを加害者に仕立て上げ、加害者だったグループを被害者に仕立て上げるという、その論理形式において極めて同型的だなあ、と思うわけです。

むくつけなおっさんたちが「俺たちは差別されている」と叫んで女性専用車両に押し込んでくるというのは、客観的に見ればかなりシュールな姿ですが、本人たちの主観においては、不当な差別と戦う偉大な戦士をやっているつもりなんでしょう。

そしてそのこと自体は、つまりその主観的な自己映像自体は、ある種のフェミニストが、女性オフリミットの男性聖域に(少なくともそのときの男性優位社会においては社会通念に反する形で)押し入って異議を叫ぶというのと、全く同型的であることだけは間違いないわけです。

私が注目したいのは質料よりも形相、この左翼2.0からそのまま引き継がれたかに見えるアイデンティティ右翼2.0の反差別的ロジックにあります。

まあ、20世紀の歴史を振り返れば、ファシズムやナチズム自体、左翼1.0のロジックをそのままひっくり返した極めて同型的なものでしたが、その後左翼の方が2.0に進化(?)し、アイデンティティ・ポリティクス全開で反差別のロジックを振り回すようになると、これまたその型をそのままひっくり返す形で、「俺たちは差別されている」というのが出てくる。

在特会がそのもっとも危険な断面を示しているのに対して、今回の梁さんの文章で取り上げられている女性専用車両に突進するおっさんたちはいささかカリカチュア的ではありますが、しかしのそのロジック自体はまさに現代社会の構図をよく示しているように思われました。

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コメント

 ツイッターでアルファツイッタラー(フォロワーが多い有名なツイッタラー)であるirr氏が指摘するように、左派がマイノリティのアイデンティティ政治を強調すれば、その分だけ、疎外される(欧米で主流を占める)白人労働者階級が冷遇される訳で、結果として、「白人労働者階級のアイデンティティ政治」であるトランプ現象、EU脱退、欧州のナショナリスト政党の伸長になっています。
 
 「日本人男性」という属性である私から言わせれば、最初から最後まで、「日本人男性」に対するルサンチマンと憎悪以外の何物でもない、フェミニズム運動や(佐々木俊尚氏の言い方をすると)マイノリティ憑依には、不愉快と敵意以外の気持ちを感じないけどね。

> 映画や観劇の際に、健常者ならどこでも好きな席を選べるのに、車椅子だと唯一確保された特定の場所しか選べないというのはその時点で差別だと思わないのかね、思い上がった健常者共は。
https://twitter.com/ryot1204/status/1768929150537228334

同じ座席が使えないことは差別だ、と言っているのか
パターナリスティックな配慮の押し付けは差別だ、と
言っているのかは不明ですが、仮に前者の方であると
すると女性専用車とか、公共のトイレで多目的でない
ものとか、は差別である、ということなんでしょうね

まあ、女性専用車両も「それを望むお客様が多いので」ということで成立しているものですしね。
大義名分は「●●は弱者」であっても、実際は顧客による消費者運動なんですよ。

> これに忌避的な潜在顧客が離れるならマーケティングとしては完全に正しい
https://x.com/yorinobu2/status/1845732501442248983

外から禁止をするのであれば、、「公正さに関する強い根拠」が必要である。
女性専用車両は公正さの観点からはあまり望ましいものでないが、さりとて
外から禁止をして良いほどの悪どいものではないというだけの話でしょう。
だから、男性差別ではあるが、禁止すべきほどの差別ではないということ。
「女性限定の採用」の建付けもそうなっている(この場合は、適当な条件を
満たせば悪質性が低いものとして禁止から外れることができる)はずです。
逆差別は良いものであるから、公的に推奨するべき、さらには、義務付ける
べき、というのはポリコレさん達にはよく見られる傾向ですが。

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