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いわゆる生活残業

国民民主党のサイトに、47項目にわたる働き方改革法の付帯決議がアップされています。

https://www.dpfp.or.jp/wp-content/uploads/2018/06/20180628働き方改革関連法案付帯決議.pdf

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一、労働時間の基本原則は、労働基準法第三十二条に規定されている「一日八時間、週四十時間以内」であ って、その法定労働時間の枠内で働けば、労働基準法第一条が規定する「人たるに値する生活を営む」こ とのできる労働条件が実現されることを再確認し、本法に基づく施策の推進と併せ、政府の雇用・労働政 策の基本としてその達成に向けた努力を継続すること。

二、働き過ぎによる過労死等を防止するため、労使合意に基づいて法定労働時間を超えて仕事をすることが できる時間外労働時間の上限については、時間外労働の上限規制が適用される業務だけでなく、適用猶予 後の自動車の運転業務や建設事業等についても、時間外労働の原則的上限は月四十五時間、年三百六十時 間であり、労使は三六協定を締結するに際して全ての事業場がまずはその原則水準内に収める努力をすべ きであること、休日労働は最小限に抑制すべきことについて指針に明記し、当該労使に周知徹底を図ると ともに、とりわけ中小企業に対し、その達成に向けた労使の取組を政府として適切に支援すること。

三、労使が年七百二十時間までの特例に係る協定を締結するに当たっては、それがあくまで通常予見できな い等の臨時の事態への特例的な対応であるべきこと、安易な特例の活用は長時間労働の削減を目指す本法 の趣旨に反するもので、具体的な事由を挙げず、単に「業務の都合上必要なとき」又は「業務上やむを得 ないとき」と定めるなど恒常的な長時間労働を招くおそれがあるもの等については特例が認められないこ と、特例に係る協定を締結する場合にも可能な限り原則水準に近い時間外労働時間とすべきであることを 指針等で明確化し、周知徹底するとともに、都道府県労働局及び労働基準監督署において必要な助言指導 を実施すること。

四、特例的延長の場合においては、時間外労働時間の設定次第では四週間で最大百六十時間までの時間外労 働が可能であり、そのような短期に集中して時間外労働を行わせることは望ましくないことを周知徹底す ること。

五、事業主は、特例の上限時間内であってもその雇用する労働者への安全配慮義務を負うこと、また、脳・ 心臓疾患の労災認定基準においては発症前一箇月間の時間外・休日労働がおおむね百時間超又は発症前二 箇月間から六箇月間の月平均時間外・休日労働がおおむね八十時間超の場合に業務と発症との関連性が強 いと評価されることに留意するよう指針に定め、その徹底を図ること。

六、時間外労働時間の上限規制が五年間、適用猶予となる自動車運転業務、建設事業、医師については、そ の適用猶予期間においても時間外労働時間の削減に向けた実効性ある取組を関係省庁及び関係団体等の連 携・協力を強化しつつ、推し進めること。

七、自動車運転業務の上限規制については、五年の適用猶予後の時間外労働時間の上限が休日を含まず年九 百六十時間という水準に設定されるが、現状において過労死や精神疾患などの健康被害が最も深刻であり、 かつそのために深刻な人手不足に陥っている運輸・物流産業の現状にも鑑み、決して物流を止めてはいけ ないという強い決意の下、できるだけ早期に一般則に移行できるよう、関係省庁及び関係労使や荷主等を 含めた協議の場における議論を加速し、猶予期間においても、実効性ある実労働時間及び拘束時間削減策 を講ずること。また、五年の適用猶予後に一般則の適用に向けた検討を行うに当たっては、一般則の全て の規定を直ちに全面的に適用することが困難な場合であっても、一部の規定又は一部の事業・業務につい てだけでも先行的に適用することを含め検討すること。

八、自動車運転業務については、過労死等の防止の観点から、「自動車運転者の労働時間等の改善のための 基準」の総拘束時間等の改善について、関係省庁と連携し、速やかに検討を開始すること。また、改善基 準告示の見直しに当たっては、トラック運転者について、早朝・深夜の勤務、交代制勤務、宿泊を伴う勤 務など多様な勤務実態や危険物の配送などその業務の特性を十分に踏まえて、労働政策審議会において検 討し、勤務実態等に応じた基準を定めること。

九、改正労働基準法第百四十条第一項の遵守に向けた環境を整備するため、荷主の理解と協力を確保するた めの施策を強力に講ずるなど、取引環境の適正化や労働生産性の向上等の長時間労働是正に向けた環境整 備に資する実効性ある具体的取組を速やかに推進すること。

十、医師の働き方改革については、応召義務等の特殊性を踏まえ、長時間労働等の勤務実態を十分考慮しつ つ、地域における医療提供体制全体の在り方や医師一人一人の健康確保に関する視点を大切にしながら検 討を進めること。

十一、教員の働き方改革については、教員の厳しい勤務実態や学校現場の特性を踏まえつつ、ICTやタイ ムカード等による勤務時間の客観的な把握等適正な勤務時間管理の徹底、労働安全衛生法に規定された衛 生委員会の設置及び長時間勤務者に対する医師の面接指導など、長時間勤務の解消に向けた施策を推進す ること。また、学校における三六協定の締結・届出等及び時間外労働の上限規制等の法令遵守の徹底を図 ること。

十二、本法による長時間労働削減策の実行に併せ、事業主が個々の労働者の労働時間の状況の把握を徹底し、 かつその適正な記録と保存、労働者の求めに応じた労働時間情報の開示を推奨することなど、実効性ある 改善策を講じていくこと。

十三、本法において努力義務化された勤務間インターバル制度について、労働者の健康の保持や仕事と生活 の調和を図るために有効な制度であることに鑑み、好事例の普及や労務管理に係るコンサルティングの実 施等、その導入促進に向けた具体的な支援策の展開を早急に実施するとともに、次回の見直しにおいて義 務化を実現することも目指して、そのための具体的な実態調査及び研究等を行うこと。なお、一日当たり の休息時間を設定するに際しては、我が国における通勤時間の実態等を十分に考慮し、真に生活と仕事と の両立が可能な実効性ある休息時間が確保されるよう、労使の取組を支援すること。

十四、年次有給休暇の取得促進に関する使用者の付与義務に関して、使用者は、時季指定を行うに当たって は、年休権を有する労働者から時季に関する意見を聴くこと、その際には時季に関する労働者の意思を尊 重し、不当に権利を制限しないことを省令に規定すること。また、労働基準監督署は、違反に対して適切 に監督指導を行うこと。

十五、時間外労働時間の上限規制の実効性を確保し、本法が目指す長時間労働の削減や過労死ゼロを実現す るためには、三六協定の協議・締結・運用における適正な労使関係の確保が必要不可欠であることから、 とりわけ過半数労働組合が存在しない事業場における過半数代表者の選出をめぐる現状の課題を踏まえ、 「使用者の意向による選出」は手続違反に当たること、及び、使用者は過半数代表者がその業務を円滑に 推進できるよう必要な配慮を行わなければならない旨を省令に具体的に規定し、監督指導を徹底すること。 また、使用者は、労働者 が過半数代表者 であること若しくは過半数代表者になろうとしたこと又は過半数 代表者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしてはならない旨の省令に基づき、そ の違反に対しては厳しく対処すること。

十六、裁量労働制の適用及び運用の適正化を図る上で、専門業務型においては過半数労働組合又は過半数代 表者、企画業務型においては労使委員会の適正な運用が必要不可欠であることから、前項の過半数代表の 選出等の適正化に加え、労使委員会の委員を指名する過半数代表の選出についても同様の対策を検討し、 具体策を講ずること。

十七、特に、中小企業・小規模事業者においては、法令に関する知識や労務管理体制が必ずしも十分でない 事業者が数多く存在すると考えられることを踏まえ、行政機関の対応に当たっては、その労働時間の動向、 人材の確保の状況、取引の実態その他の事情を踏まえて必要な配慮を行うものとすること。

十八、裁量労働制については、今回発覚した平成二十五年度労働時間等総合実態調査の公的統計としての有 意性・信頼性に関わる問題を真摯に反省し、改めて、現行の専門業務型及び企画業務型それぞれの裁量労 働制の適用・運用実態を正確に把握し得る調査手法の設計を労使関係者の意見を聴きながら検討し、包括 的な再調査を実施すること。その上で、現行の裁量労働制の制度の適正化を図るための制度改革案につい て検討を実施し、労働政策審議会における議論を行った上で早期に適正化策の実行を図ること。

十九、長時間労働の歯止めがないとの指摘を踏まえ、高度プロフェッショナル制度を導入するに当たっては、 それが真に働く者の働きがいや自由で創造的な働き方につながる制度として運用され、かつそのような制 度を自ら希望する労働者にのみ適用されなければならないことに留意し、この制度創設の趣旨にもとるよ うな制度の誤用や濫用によって適用労働者の健康被害が引き起こされるような事態を決して許してはいけ ないことから、制度の趣旨に則った適正な運用について周知徹底するとともに、使用者による決議違反等 に対しては厳正に対処すること。

二十、高度プロフェッショナル制度の適用労働者は、高度な専門職であり、使用者に対して強い交渉力を持 つ者でなければならないという制度の趣旨に鑑み、政府は省令でその対象業務を定めるに当たっては対象 業務を具体的かつ明確に限定列挙するとともに、法の趣旨を踏まえて、慎重かつ丁寧な議論を経て結論を 得ること。労使委員会において対象業務を決議するに当たっても、要件に合致した業務が決議されるよう 周知・指導を徹底するとともに、決議を受け付ける際にはその対象とされた業務が適用対象業務に該当す るものであることを確認すること。

二十一、前項において届出が受け付けられた対象業務について、制度創設の趣旨に鑑み、使用者は始業・終 業時間や深夜・休日労働など労働時間に関わる働き方についての業務命令や指示などを行ってはならない こと、及び実際の自由な働き方の裁量を奪うような成果や業務量の要求や納期・期限の設定などを行って はならないことなどについて、省令で明確に規定し、監督指導を徹底すること。

二十二、高度プロフェッショナル制度の対象労働者の年収要件については、それが真に使用者に対して強い 交渉力のある高度な専門職労働者にふさわしい処遇が保障される水準となるよう、労働政策審議会におい て真摯かつ丁寧な議論を行うこと。

二十三、高度プロフェッショナル制度を導入する全ての事業場に対して、労働基準監督署は立入調査を行い、 法の趣旨に基づき、適用可否をきめ細かく確認し、必要な監督指導を行うこと。

二十四、今般の改正により新設される労働時間の状況の把握の義務化や、高度プロフェッショナル制度にお ける健康管理時間の把握について、事業主による履行を徹底し、医師による面接指導の的確な実施等を通 じ、労働者の健康が確保されるよう取り組むこと。

二十五、高度プロフェッショナル制度の対象となる労働者の健康確保を図るため、「健康管理時間」は客観 的な方法による把握を原則とし、その適正な管理、記録、保存の在り方や、労働者等の求めに応じて開示 する手続など、指針等で明確に示すとともに、労働基準監督署は、法定の健康確保措置の確実な実施に向 けた監督指導を適切に行うこと。

二十六、高度プロフェッショナル制度適用労働者やその遺族などからの労災申請があった場合には、労働基 準監督署は、当該労働者の労働時間の把握について徹底した調査を行う等、迅速かつ公正な対応を行うこ と。

二十七、高度プロフェッショナル制度に関し、それが真に制度の適用を望む労働者にのみ適用されることを 担保するためには、本人同意の手続の適正な運用が重要であることから、提供されるべき情報や書面での 確認方法を含め、本人同意に係る手続の要件等について指針等において明確に規定するとともに、本人同 意が適正に確保されることについて決議の届出の際に労働基準監督署において確認すること。また、使用 者に対して、同意を得る際には不同意に対していかなる不利益取扱いもしてはならないこと、労働者が同 意を撤回する場合の手続についても明確に決議した上で、同意の撤回を求めた労働者を速やかに制度から 外すとともに、いかなる不利益取扱いもしてはならないことについて、周知徹底し、監督指導を徹底する こと。

二十八、高度プロフェッショナル制度においても、使用者の労働者に対する安全配慮義務は課されることを 踏まえ、労働基準監督署は、高度プロフェッショナル制度適用労働者の健康管理時間の把握・記録に関し て、当該使用者に対して、適切な監督指導を行うこと。

二十九、高度プロフェッショナル制度を導入するに当たっての労使委員会における決議については、その制 度創設の趣旨に鑑み、有効期間を定め、自動更新は認めないことを省令等において規定すること。加えて、 本人同意については、対象労働者としての要件充足を適正に確認するためにも、短期の有期契約労働者に おいては労働契約の更新ごと、無期又は一年以上の労働契約においては一年ごとに合意内容の確認・更新 が行われるべきであることを指針に規定し、監督指導を徹底すること。

三十、高度プロフェッショナル制度の具体的な実施の在り方については、多くの事項が省令に委任されてい ることから、委員会審査を通じて確認された立法趣旨や、本附帯決議の要請内容を十分に踏まえ、労働政 策審議会における議論を速やかに開始し、省令等に委任されている一つ一つの事項について十分かつ丁寧 な審議を行い、明確な規定を設定するとともに、対象事業主や労働者に対して十分な周知・啓発を行い、 併せて監督指導する労働基準監督官等に対しても十分な教育・訓練を行うこと。

三十一、高度プロフェッショナル制度に関して、政府は、三年を目途に、適用対象者の健康管理時間の実態、 労働者の意見、導入後の課題等について取りまとめを行い、本委員会に報告すること。

三十二、パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法の三法改正による同一労働同一賃金は、非正規雇 用労働者の待遇改善によって実現すべきであり、各社の労使による合意なき通常の労働者の待遇引下げは、 基本的に三法改正の趣旨に反するとともに、労働条件の不利益変更法理にも抵触する可能性がある旨を指 針等において明らかにし、その内容を労使に対して丁寧に周知・説明を行うことについて、労働政策審議 会において検討を行うこと。

三十三、低処遇の通常の労働者に関する雇用管理区分を新設したり職務分離等を行ったりした場合でも、非 正規雇用労働者と通常の労働者との不合理な待遇の禁止規定や差別的取扱いの禁止規定を回避することは できないものである旨を、指針等において明らかにすることについて、労働政策審議会において検討を行 うこと。

三十四、派遣労働者の待遇決定に関して以下の措置を講ずること。 1 派遣労働者の待遇決定は、派遣先に直接雇用される通常の労働者との均等・均衡が原則であって、労 使協定による待遇改善方式は例外である旨を、派遣元事業主・派遣先の双方に対して丁寧に周知・説明 を行うこと。 2 労使協定の記載事項の一つである「派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者 の平均的な賃金の額」に関して、同等以上の賃金の額の基礎となる「一般の労働者の平均的な賃金の額」 は、政府が公式統計等によって定めることを原則とし、やむを得ずその他の統計を活用する場合であっ ても、「一般の労働者の平均的な賃金の額」を示すものとして適切な統計とすることについて、労働政 策審議会において検討を行うこと。 3 労使協定における賃金の定めについては、対象派遣労働者に適用する就業規則等に記載すべきもので ある旨を周知徹底すること。 4 労使協定で定めた内容を行政が適正に把握するため、派遣元事業主が、労働者派遣法第二十三条第一 項に基づく事業報告において、改正労働者派遣法第三十条の四に定めている五つの労使協定記載事項を、 それぞれ詳しく報告することとし、その内容を周知・徹底することについて、労働政策審議会において 検討を行うこと。

三十五、使用者が、非正規雇用労働者に通常の労働者との待遇差を説明するに当たっては、非正規雇用労働 者が理解できるような説明となるよう、資料の活用を基本にその説明方法の在り方について、労働政策審 議会において検討を行うこと。

三十六、「働き方改革」の目的、及び一億総活躍社会の実現に向けては、本法が定める均等・均衡待遇の実 現による不合理な待遇差の解消とともに、不本意非正規雇用労働者の正社員化や無期転換の促進による雇 用の安定及び待遇の改善が必要であることから、引き続き、厚生労働省が策定する「正社員転換・待遇改 善実現プラン」等の実効性ある推進に注力すること。

三十七、労働契約法第十八条の無期転換権を行使した労働者について、労働契約法による無期転換の状況等 を踏まえ、必要な検討を加えること。

三十八、本委員会における審査を踏まえ、職場におけるパワーハラスメント等によって多くの労働者の健康 被害が生じており、その規制・防止を行うことが喫緊の課題であるとの共通の認識に基づき、国際労働機 関(ILO)において「労働の世界における暴力とハラスメント」の禁止に向けた新たな国際労働基準の 策定が行われることや、既に国連人権機関等からセクシュアルハラスメント等の禁止の法制度化を要請さ れていることも念頭に、実効性ある規制を担保するための法整備やパワーハラスメント等の防止に関する ガイドラインの策定に向けた検討を、労働政策審議会において早急に開始すること。また、厚生労働省の 「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書を踏まえ、顧客や取引先からの著しい迷 惑行為について、関係者の協力の下で更なる実態把握を行うとともに、その対応策について具体的に検討 すること。

三十九、多様な就業形態で就労する労働者(副業・兼業・雇用類似の者を含む)を保護する観点から、長時 間労働の抑制や社会・労働保険の適用・給付、労災認定など、必要な保護措置について専門的な検討を加 え、所要の措置を講ずること。特に、副業・兼業の際の、働き方の変化等を踏まえた実効性のある労働時 間管理の在り方等について、労働者の健康確保等にも配慮しつつ、検討を進めること。

四十、本法が目指す過労死ゼロ、長時間労働の削減、家庭生活と仕事との両立、及び女性の活躍などの働き 方改革を実現するためには、法令の遵守を確保するための監督指導の徹底が必要不可欠であることから、 労働基準監督官の増員を政府の優先事項として確保し、労働行政事務のシステム化を始め、労働基準監督 署の体制強化を早急に図ること。また、短時間・有期雇用労働法及び労働者派遣法の適正な運用には、待 遇改善推進指導官、雇用環境改善・均等推進指導官や需給調整指導官等の機能強化も重要であり、そのた めの体制の充実・強化や関係部署の有機的な連携・協力体制の増強を確保すること。

四十一、多様な就業形態が増加する中で、経営者あるいは労働者自らが労働法制や各種ルールについて知る ことは大変重要であることを踏まえ、ワークルール教育の推進を図ること。

四十二、中小企業や小規模事業者において、時間外労働の上限規制が遵守できる環境を整えるために関係省 庁が連携し、政府全体で中小企業の人材確保や取引条件等の改善に向けて適切な措置を講ずること。特に、 中小企業庁とも協力して、働き方改革の推進を中小企業施策の一つの柱に位置付け、長時間労働につなが る取引慣行の見直しを含めた業界改革につなげるよう取り組むこと。

四十三、事務所その他の作業場における労働者の休養、清潔保持等のため事業者が講ずるべき必要な措置に ついて、働き方改革の実現には、職場環境の改善を図ることも重要であるとの観点を踏まえ、労働者のニ ーズを把握しつつ、関係省令等の必要な見直しを検討すること。

四十四、働き方改革実行計画の中で取組テーマとして掲載されている、就職氷河期世代への対応、子育て・ 介護と仕事の両立、外国人人材の受入れについても重要な課題であることから、現状把握や今後の対応等 については各関係省庁と連携して取り組み、必要な措置を講ずること。

四十五、全ての労働者の健康確保が適切に行われるよう、産業医等産業保健活動の専門職の育成や衛生委員 会の活性化等を通じて、産業医・産業保健機能の強化を確実に推進すること。とりわけ、五十人未満の小 規模な事業場については、医師や保健師等産業保健活動の専門職の選任の促進、産業保健総合支援センタ ーによる支援や研修等を通じた産業保健活動の担い手の確保を始め、産業保健機能の強化を図るための検 討を行い、必要な措置を講ずるとともに、働き方改革推進支援センター等とも連携してきめ細かな支援を 行うこと。併せて、当該事業場におけるストレスチェックの実施が効果的に促されるよう必要な支援を行 うこと。

四十六、新技術・新商品等の研究開発業務に関し、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大す ることのないよう、指導を徹底すること。また、新技術・新商品等の研究開発業務に従事する従業員に対 しては、十分に手厚い健康確保措置を採るよう努めるものとすること。

四十七、働き方改革の実行の過渡期においては、いわゆる生活残業を行う従業員が生活困窮に陥ること、高 度プロフェッショナル制度の運用の仕方が必ずしも適切ではないこと等の問題が生じる可能性があること から、本法施行後、労働時間等の実態についての調査を定期的に行い、現状を把握しつつ、働き方改革実 行計画の必要な見直しを不断に行うこと。 右決議する。

ほんの数年後に今国会の議事録を読む人がいたら、データがどうとか野村不動産がどうだとか、法律をどう動かしていくかという観点からはなんの役にも立たない、なんとつまらないトリビアばかりやたらに時間をかけて議論していたことかと驚きあきれるであろう質疑内容とは対照的に、実に労働法制を良く分かった人が細かい点まで神経の行き届いた筆致で書き上げたと思われる、実に格調高い付帯決議になっています。

なんですが、最後の最後の項目で、つい質疑の中では表に出てこなかった「本音」がちらりと垣間見えているのがご愛敬です。「働き方改革の実行の過渡期においては、いわゆる生活残業を行う従業員が生活困窮に陥ること」って、いやそれがどちらも表向きはそんなことないかのように演じて見せてきた本音の部分なのであり、それなるがゆえに「残業代ゼロ」反対が本音の理由だった。なんてことは、しかしもちろんまじめな顔で拳を振り上げてときにはなかなか口に出せないわけですが。

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コメント

「ゼニカネ」が本音なのが透けてみえつつ、
空疎な建前を使って本音の論争を回避しながら、
重箱の隅に拘泥し続けるという。
結局、生産的なものは何もなかったように思いますね。

まあ、10 年以上前から審議会で議論を
積み重ねてきたものなわけで、
何もかもが今更ではあります。

長期的・平均的にいえば、
賃金は労働市場の需給によって決まるので、
残業代の有無は賃金の水準になんら影響を与えない。
配分方法が変わるだけとはいえます。
「長期的には我々は皆死んでいる」わけですが。

一方、労働時間についても、日本の労働時間は
平均的には OECD 平均を下回っているのですよね。

つまり、残業代も労働時間も「マクロでいえば」
何の問題もないということに。
どちらも集団内の配分の問題であるといえます。
それこそが政治というものなのでしょうけども。

おそらく、過労死するほど働いている労働者よりも、
残業代が生活費の労働者の方が数は多いだろうと
思います。

本給に残業代が「上乗せ」されているわけではなく、
先に賃金総額が市場で決まり、
逆算で本給が決まっていると考えるべきでして、
残業代は適正な賃金の額に
はじめから含まれているのですよね。

投稿: IG | 2018年6月30日 (土) 14時56分

労働時間については、さすがに、パート等の短時間労働も含めたすべての平均で論じる人は最近いないと思いますが、どうなんでしょう。
フルタイムの労働者の労働時間は年間2000時間超えるので、やはり世界では長い方です。

参考 日本の労働時間は世界に比べて長い?短い?本当の問題点とは
(引用)「15~64歳男性の平均労働時間を、休日も含めた1日あたりの時間で算出すると、2014年のデータで、日本はOECD諸国の中でトップ」
https://workstyle.ricoh.co.jp/archive/workingtime.html

参考 日本人の働き方と労働時間に関する現状 - 内閣府
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg2/koyo/131031/item2.pdf

投稿: ありす | 2018年6月30日 (土) 20時15分

もう一つ、日本労働者の労働時間は長いと認識されている例が昨日付けの記事であったのでご紹介します。
IGさんのコメントの《本給に残業代が「上乗せ」されているわけではなく》とも一致する論調です。

「企業、迫られる生産性革命 働き方改革法成立
2018/6/30 7:36 日本経済新聞 電子版」
《ITが発達したこの20年間でみても、フルタイム労働者の働く時間はほぼ横ばいだ。残業代が生活給に組み込まれ、必要以上に残業してきた面がある》
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3242782029062018MM8000/?n_cid=SNSTW001

IGさんのコメント《先に賃金総額が市場で決まり、
逆算で本給が決まっている》について、私も、だいたいそんなイメージなのかな、と、思っています。
問題は、日本の場合、市場が十分に開発されていない……つまり、市場への設備投資・人材投資が十分にされていないというところかと。

これは、政府を含めた社会が「年金がー財政破たんがー」と唱えて、(経営者を含めた)高齢者の財布のヒモを締めさせてきた結果ではないか、と考えています。
人口に占める高齢者の割合が増えていく時代に、高齢者が積極的に活動し、お金も安心して使える社会制度と世論をどう整備するか、が、肝なのかも、と考え始めたところです。もしこの転換に成功すれば、他国に参考にしてもらえる先進事例になりそうですが。

投稿: ありす | 2018年7月 1日 (日) 10時31分

これは実は残業代だけではなく、基本給をできるだけ上げずにいろんな手当をつけることで手取りを増やす工夫をするというのは、戦後労使が共同でやってきたやり方だったのでしょう。

それにより、景気が悪くなるとビルトインスタビライザーとして残業代が減り、会社も大変なんだからと諸手当も減らす形で、賃金コストの柔軟性を確保してきたわけで、それが日本型システムの強みだとかつてはほめたたえられていたことも記憶に新しいところです。

その「強み」が、人手不足でも賃金がなかなか上がらないという形でしっぺ返しを受け、一方で企業側は人件費の圧力を感じ続けるという皮肉な事態を招いているのだとしたら、なかなか出口は見えにくいのでしょう。

投稿: hamachan | 2018年7月 1日 (日) 14時44分

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