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2018年6月19日 (火)

『経営法曹』197号

『経営法曹』197号をお送りいただきました。ありがとうございます。

例年通り「年間重要判例」の検討がされていますが、必読の論説は丸尾拓養さんの「変わりゆく雇用システムと雇用法理の再評価-持続する最高裁判決」です。

50年前の秋北バス判決、40年前の三菱樹脂判決、30年前の日立メディコ判決と、日本型雇用システムを明示黙示に前提として構築された日本型労働判例が、いま「同一労働同一賃金」「働き方改革」という本来的にはそれと矛盾する政策との間できしみを立てている姿をさらりと描き出しています。

・・・「同一労働同一賃金」は「違う労働違う賃金」の世界である。これまでの正社員の職能給は「違う労働(ほぼ)同一賃金」であった。そこでの「職能」という緩衝装置はフィクションでありながら、高度成長、安定成長の時代に相応する賃金及び人事制度の基盤であった。最高裁はこのことをよく理解していた。・・・

と、秋北バス事件の判決を引用して、

・・・ここには、多数の労働契約関係を同じように扱うことが含意されている。「多様」に扱うのではない。「集合的・統一的」処理、「統一かつ画一的」決定の主たる対象は、「違う労働(ほぼ)同一賃金」の正社員である。・・・

そう、最高裁が確立した就業規則法理の根幹は、まさに「同一労働同一賃金」=「違う労働違う賃金」とは別世界の「違う労働(ほぼ)同一賃金」を大前提とするものであったのですね。

そして、正社員という身分に基づく「違う労働(ほぼ)同一賃金」の論理的対偶がやはり身分の違いに基づく「同一労働(であっても)違う賃金」である以上、今日の同一労働同一賃金論が職能給システムとその論理の最も深い次元で矛盾するものであることも確かなのでしょう。

本論文の最後はこう締めくくられています。

・・・長期雇用システム下の労働契約関係は家制度に代替するものであったのかも知れない。近代企業における集合的・統一的・画一的に扱われた正社員という「身分」は、経済的にも社会的にも受入れられた。何よりも日本の働く個人に、家族に受入れられた。・・・

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