もっと幸せに働こう!@『月刊連合』5月号
『月刊連合』5月号をお送りいただきました。いつもありがとうございます。今号の特集は「もっと幸せに働こう!」です。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/shuppan/teiki/gekkanrengo/backnumber/new.html
巻頭対談は、サイボウズ社長の青野慶久さんと神津連合会長の対談で、
今年、「働きがいのある会社ランキング」で4位、「働きがいのある会社女性ランキング」では2年連続1位を獲得したのが、ソフトウエアの開発・販売を手がけるサイボウズ社だ。同社では、社員の定着率を上げるために、育児・介護休暇・短時間勤務の拡充や在宅勤務、育自分休暇、子連れ出勤などの多彩な制度を導入。同社の青野社長も3児の父として自ら育児休暇を3度取得し、社内のワークスタイル変革を推進し離職率を7分の1に低減するとともに、新しいワークスタイルを社会に発信しているが、その原点は「働くこととは何か」という問いかけにあったという。誰もが安心して働くためには何が必要か。青野社長と神津会長が語り合った。
最後のあたりで、青野さんがこう語っているのは、人によってはいろいろと思いがあるかもしれません。
-労働組合に期待することは?
青野 サイボウズに労働組合はありませんが、労働組合には期待しています。時代に合わなくなった制度や、職場の文化を変えるために活動してほしい。日本の労働者は、取り戻していかないといけない権限がたくさんあると思うんです。・・・
一つは転勤問題。共働きが当たり前になっているのに、夫が転勤になったら、妻は仕事を辞めるか単身赴任かを迫られる。これはもはや人権侵害と思えます。もう一つは夫婦別姓・・・・
次の座談会は、今回の働き方改革法案で労働時間の上限規制が除外、先送りされた業種や職種の産別の代表が集まり、今後どう進めていくかを論じ合っています。
マスコミの議論があまりにも労働者のごく一部の上澄みの特殊な部分ばかりに集中して、高度でもプロフェッショナルでもないごくごく普通の現場労働者たちが過労死基準を超える長時間労働にこれからもなおさらされ続けることに対してほとんど関心を払おうともしないという今日の論壇の惨状に、労働問題が「自分とよく似た人々の労働問題」に集約されてしまい、「自分と全然違う人々の労働問題」がどこかに飛んでいってしまうバラモン左翼な人々の心性が現れているのかしれません。
2017年3月、「働き方改革実現会議」は約半年間の議論を経て「働き方改革実行計画」をとりまとめた。実現会議には、労働界からは唯一神津会長が参加し、長時間労働の是正や非正規雇用労働者の処遇改善を強く訴え、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金の法整備などが盛り込まれた。
実行計画は現在、二つのステージで具体化が進められている。一つは「働き方改革関連法案」における法整備。今国会で審議が行われている。もう一つは、産業・職種など、働き方で異なる課題をどのように解決するのか、テーマごとに議論を深めようという検討会議だ。
実行計画で取り上げられたテーマは9項目にわたるが、今号では、「長時間労働の是正」に焦点を当て、今、どんな課題についてどんな議論が行われているのかをお伝えする。
出席者は、ヘルスケア労協の工藤豊さん、交通労連の山口浩一さん、JAMの川野英樹さん、基幹労連(建設関係)の三浦慎さん、相原事務局長はなぜか教員関係の担当になっています。
最後のまとめ的な相原さんの発言を引いておきます。
相原 ・・・・労働組合は「職場の最前線」と「法律をつくる最前線」で役割を担っている。よりよい働き方を実現するには、経済的な規制、社会的な規制のバランスが重要だが、労働組合は、現場で働く者の立場だけでなく、広くサービスを受ける立場からも物事を見ることができる。医師の働き方改革は安心で安全な医療提供の、また、教員の働き方改革は真に子供と向き合うことができる質の高い教育の土台だ。ドライバーや建設業、中小企業で働く人の長時間労働を是正し人手不足を解消することは、社会インフラを守ることにつながる。「労働」を真ん中にして両方の受益がともに成り立つような働き方の見直しを進めていく。それが労働組合の一番の役割だということを申し上げてまとめとしたい。
この言葉には大変共感します。
これに続くのは、情報労連の柴田さんの勤務間インターバルの話、UAゼンセン介護クラフトユニオンの浜田さんのパワーハラスメントの話、そして内田副事務局長による連合のスタンスの解説です。
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>「自分と全然違う人々の労働問題」がどこかに飛んでいってしまうバラモン左翼な人々
>また、教員の働き方改革は真に子供と向き合うことができる質の高い教育の土台だ。
いやはや、1959年公開『人間の壁』(石川達三原作・山本薩夫監督)の示唆するところが、いまでもそのまま課題として生きている訳ですなぁ。
(この映画自体は日教組支援によって製作されたものらしい@Wikipedia)
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投稿: 原口 | 2018年5月 1日 (火) 22時56分