« 中国の不思議な事件 | トップページ | OECDとILOの報告書が労使関係を激推 »

在留資格「特定技能(仮称)」を創設

201805210002_001_m去る2月20日の経済財政諮問会議で打ち出され、その後官邸の外国人材タスクフォースで検討されていた中間技能レベルの外国人労働者の導入政策が、いよいよ来月には骨太方針に盛り込まれるようです。なぜか西日本新聞というローカル紙にリークされているのですが、

https://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/article/417749/(外国人就労、拡大に方針転換 新資格の創設着手 政府、骨太に明記へ)

政府は、人手不足が深刻な分野の労働力を補うため、外国人の受け入れ拡大へ大きくかじを切る。最長5年間の技能実習を終えた外国人が、さらに5年間働ける新たな在留資格「特定技能(仮称)」の創設に着手。高い専門性があると認められれば、その後の長期雇用を可能とすることも検討している。従来の技能取得という名目から、就労を目的とした受け入れ施策に転換する。6月に決定する「骨太方針」に外国人との「共生」を初めて盛り込み、日本語学習教育の支援などにも取り組む方針だ。・・・

政府が検討する新たな在留資格「特定技能(仮称)」は就労を目的とする制度。農業、介護、建設、造船などの分野が対象となる。現行の技能実習の修了者だけでなく、各業界団体が実施する日本語能力や専門技能に関する試験に合格すれば資格が与えられる。

 政府は新たな在留資格の導入を前提に、目標とする外国人労働者数を試算。介護分野は毎年1万人増、農業分野では2017年の約2万7千人が23年には最大10万3千人に大幅に拡大すると試算。建設分野で17年の約5万5千人を25年時点で30万人以上に拡大、造船分野は25年までに2万1千人を確保することが必要としている。

具体的な数値まで出てきているところを見ると、時期的に当然かもしれませんが、相当煮詰まってきていることが窺われます。

この記事にはこういう解説もついていて、

https://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/article/418041/

政府が「労働開国」に踏み切る背景には「外国人をどれだけ受け入れるかではなく、どうすれば来てもらえるかという時代になってきた」(官邸筋)との危機感がある。人口減と少子高齢化が進む日本だけでなく世界各国で人手不足が深刻化し、人材の争奪戦が過熱しているためだ。

 これまで安倍晋三首相は「いわゆる移民政策は取らない」と繰り返してきた。現実は「裏口からそっと入れて人手不足を補うのが国策」(与党議員)だった。

https://www.nishinippon.co.jp/feature/new_immigration_age/article/418040/

政府が新たな在留資格を設け、外国人就労の拡大に大きくかじを切るのは、留学生や技能実習生が技術の習得を名目としながら、実際は人手不足の業界を支える重要な労働力となっている現状に「限界」が生じているからだ。外国人を「労働者」として正面から受け入れることで、慢性的な人材不足を補う効果が期待されるが、事業者側が「安価な労働力」として活用する懸念は残り、人権上の配慮も重要な課題となる。

一方で、日弁連は5月15日に「 新たな「外国人材の受入れ」制度の創設に関する会長声明」を公表しています。

https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2018/180515.html

現在、タスクフォースで受入れの対象として検討されている職種は、農業、漁業、水産加工業、建設業、造船業、製造業、介護など、技能実習の対象職種と同様の非熟練労働を対象とするものが多く含まれている。これらの職種について、人手不足を解消するための新たな「外国人材の受入れ」制度の設計は、かねて当連合会が提言してきたとおり、端的に、技能実習制度を廃止し、これに代わることとなる受入れ制度を検討するべきである。当連合会は、人手不足解消の手段として技能実習制度を存続させたまま、その修了者に更に5年程度の就労を認めることができるという制度設計には、反対する。

この問題については、ほんの少し前の去る3月末に、『労基旬報』に「外国人労働政策の転換?」」を寄稿したばかりですが、来月にはまたもう少し突っ込んだ解説を書く必要がありそうです。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/03/2018325-937f.html

|
|

« 中国の不思議な事件 | トップページ | OECDとILOの報告書が労使関係を激推 »

コメント

当初は技能実習制度とは異なる制度になるのかなと思っていましたが、その延長戦になるとは。ますます技能実習制度が実習から解離するような。。まずもってΓ移民を認めない」から入っているのでは、やっぱり無理があるような。。民意との対話も大切になるでしょうが、やはり遅きに失しているのでしょうね。。

投稿: 高橋良平 | 2018年5月22日 (火) 16時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/73528000

この記事へのトラックバック一覧です: 在留資格「特定技能(仮称)」を創設:

« 中国の不思議な事件 | トップページ | OECDとILOの報告書が労使関係を激推 »