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2018年5月24日 (木)

国家民営化論こそレフト2.0の典型やろが

852sub1本ブログでも紹介したブレイディみかこ・松尾匡・北田暁大『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』について、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-42b6.html

すごくざっくりいうと、「リベサヨ」批判の本です。

日刊ゲンダイで笠井潔氏が淡々と書評してるんですけど、

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/229593

日本の左派は、護憲などの政治運動やマイノリティーの人権擁護には熱心だが、勤労庶民のための経済政策を持ちあわせていない。このことに批判的な論者たちの鼎談を収めた本書では、「経済にデモクラシーを」を主張するアメリカやヨーロッパの新しい左派(レフト3・0)の運動や主張が紹介されている。

いやいや、なに人ごとみたいにゆうてはるんやろ。

笠井潔氏こそ、本書の批判の矢面にある「レフト2.0」の典型みたいな人なのに。

https://www.amazon.co.jp/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E6%B0%91%E5%96%B6%E5%8C%96%E8%AB%96%E2%80%95%E3%83%A9%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%81%AA%E8%87%AA%E7%94%B1%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E3%82%92%E6%A7%8B%E6%83%B3%E3%81%99%E3%82%8B-%E7%9F%A5%E6%81%B5%E3%81%AE%E6%A3%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%AC%A0%E4%BA%95-%E6%BD%94/dp/4334780598

51dxa18grml__sx329_bo1204203200_国家民営化論―ラディカルな自由社会を構想する

社会主義崩壊後、多くの人が無批判に受け容れている現在の社会システム。その限界と欠陥を、“ラディカルな自由主義者”笠井潔が鋭く指摘、理想の社会構想を提示する。たとえば、遺産相続や税金の撤廃。警察、刑務所、厚生省や文部省の民営化。安楽死や自殺を基本的人権にすること…。過激に、論理的に、21世紀自由社会は本書から始まる。

新左翼の学生運動からアナルコ・キャピタリズムへという軌跡自体が、まさに言葉のもっとも正確な意味における「リベサヨ」の先駆者だったと思うのですが。

ちなみに、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_28cd.html

・・・この手の発想には、国家権力がすべての悪の源泉であるという新左翼的リベラリズムが顕著に窺えますが、それが国家民営化論とかアナルコ・キャピタリズムとか言ってるうちに、(ご自分の気持ちはともかく)事実上ネオリベ別働隊になっていくというのが、この失われた十数年の思想史的帰結であったわけで、ネオリベむき出しの日経病よりも、こういうリベサヨ的感覚こそが団塊の世代を中心とする反権力感覚にマッチして、政治の底流をなしてきたのではないかと思うわけです。毎日病はそれを非常にくっきりと浮き彫りにしてくれていて、大変わかりやすいですね。

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コメント

最後の文章、一瞬私らの本からの引用かと思いました。そのとおりですねえ。

それにしても、ありがたいご紹介をたまわったと思っていたら、これがあの笠井さんだったとは、いままで気がつきませんでした。
この笠井さんの昔の本は、ここまでくるとかえってすがすがしくてよかったのですが。

投稿: 松尾匡 | 2018年5月24日 (木) 23時16分

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