小山博章・町田悠生子『裁判例や通達から読み解くマタニティ・ハラスメント』
小山博章・町田悠生子編著『裁判例や通達から読み解くマタニティ・ハラスメント 引き起こさないための対応実務』(労働開発研究会)をお送りいただきました。ありがとうございます。
http://www.roudou-kk.co.jp/news/5711/
■実際の相談事例をもとに徹底解説!
■Q&A方式でどのような行為がマタハラになるのか,適法・違法の線引きが必ずしも明瞭ではないマタハラ問題を,可能な限りわかりやすく解説。
また,マタハラ事例集として職場環境の整備にも役立つ一冊
出ました、マタハラ実務本、というわけですが、マタハラだけで500ページになるのかな、と下記目次をみてみると、厳密な意味での妊娠・出産関連のハラスメントだけではなく、育児ハラスメントも、またこれは世間のマタハラという用語法自体の問題ですが、広く解雇まで含む不利益取扱い全般が対象になっています。
厳密な人になると、これでマタハラというタイトルにするのか、と思うかも知れませんが、まあ、現代日本ではジェンダーとリプロダクションに関わる広範な領域を指す言葉になっているんだと思った方がいいのかも知れません。
第1章 マタハラとは
第2章 妊娠に関するマタハラ
Ⅰ 採用・試用期間
Ⅱ 配置の決定・変更
Ⅲ 契約内容の変更
Ⅳ 降格
Ⅴ 人事評価
Ⅵ 賃金・賞与の取扱い
Ⅶ その他の人事上の措置・処遇
Ⅷ 解雇・退職
第3章 産前産後休業・育児休業の取得に関するマタハラ
Ⅰ 休業制度の利用
Ⅱ 配置の決定・変更
Ⅲ 降格
Ⅳ 賃金の取扱い(賞与を除く)
Ⅴ 賞与の取扱い
Ⅵ その他の人事上の措置・処遇
第4章 育児休業等からの復帰に関するマタハラ
Ⅰ 復帰時の配置・職位
Ⅱ 雇用の終了
第5章 育児短時間勤務等の制度利用に関するマタハラ
Ⅰ 育児短時間勤務(時短)
Ⅱ 子の看護休暇
Ⅲ 所定外労働の免除
第6章 育児・子育てと仕事の両立
第7章 マタハラ防止措置体制等の構築
Ⅰ マタハラ防止措置義務
Ⅱ 妊娠・出産・育児等に関する制度設計
第8章 出産・育児休業等にまつわる社会保険・助成金
◆巻末資料
問いの中にはこんなのもあります。
Q23 妊娠してから勤務時間中の居眠りが増えた従業員が、勤務時間中に目を閉じて船を漕いでいたので、上司の私が「大丈夫ですか?」と声を掛けたところ、「何のことか分かりません。言い方がきつくてパワハラです」と言われました。この従業員が言うとおり、私の発言は、パワハラやマタハラに当たるのでしょうか。また、妊娠に起因するかも知れない居眠り等を注意するときは、どのような点に留意すれば良いのでしょうか。
答えは本書88頁以下にあります。
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