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『Japan Labor Issues』2/3月号

Jli英文労働誌『Japan Labor Issues』の2018年2/3月号が刊行されました。今号は論文特集号です。

http://www.jil.go.jp/english/jli/documents/2018/005-00.pdf

This special issue includes six significant papers selected by the Editorial Board of Japan Labor Issues from various relevant papers published in 2016–2017. These papers address the latest subjects as well as conventional themes on labor in Japan that may be of interest to overseas observers, which is the purpose of this journal. Since the original papers were written in Japanese, each author has arranged translation for the benefit of overseas readers.  We hope they will offer useful information and deeper insights into the state of labor in Japan.

ということで、2016-2017年に書かれた日本語の論文6つの英訳が載っています。

英文タイトルは以下の通りですが、

A Legal Study on Equal or Balanced Treatment for Regular and Non-Regular Workers in Japan: With Particular Focus on the Relationship between Anti-Discrimination Principle and Policy-Based Regulations for Equal or Balanced Treatment  Koichi Tominaga

Fixed-Term Contract Employees and Intra-Firm Wage Gaps: Focusing on the Reasons Why Companies Use Them Koji Takahashi

Why Do the Japanese Work Long Hours? Sociological Perspectives on Long Working Hours in Japan  Hiroshi Ono

Challenges for Workplace regarding the Autonomy of Working Hours: Perspective for the Prevention of Overwork  Tomohiro Takami

Learning Histories and Careers: The Outcome of Kosen (National Colleges of Technology) Education  Masakazu Yano

Current Status of Talent Management in Japan: Based on Insights into Procurement and Development of Next-Generation Executive Human Resources at Japanese Manufacturers Itaru Nishimura

人によっては、もとの邦語論文で読みたいという方もいるでしょうから、そのリンクも張っておきます。

企業内賃金格差をめぐる法学的考察─正規労働者と非正規労働者の均等待遇を中心に 富永晃一(上智大学法学部准教授)

有期社員と企業内賃金格差 高橋康二(JILPT副主任研究員)

日本の労働時間はなぜ減らないのか?─長時間労働の社会学的考察 小野浩(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)

働く時間の自律性をめぐる職場の課題─過重労働防止の観点から高見具広(JILPT研究員)

「学習歴とキャリア」に関するいくつかの研究課題─高専教育の実績に学ぶ 矢野眞和(東京工業大学名誉教授)

労働政策研究報告書 No.194 次世代幹部人材の発掘と育成に関する研究 事業をグローバルに展開する製造企業を中心に  西村純(JILPT副主任研究員)

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コメント

掲載論文「日本の労働時間はなぜ減らないのか? 〜長時間労働の社会学的考察」(小野氏)は包括的で大変興味深く拝読しました…。

ところで、徒然なるままに別の雑誌「労働判例」(2018/2/1号)の特集記事、最近の労働時間管関連判例一覧をパラパラみていて改めて気づいたのですが…。裁量労働と並んで労働時間関係争点のトピックの中で数が多いのは「管理監督者性」に関するものです。そして今、しみじみ思うのは、日本の労基法で定めるところの「管理監督者性」なる概念は少しどころか、かかなり敷居が高すぎやしませんか?ということです。すなわち、労働条件の決定その他労務管理に関して「経営者と一体的な立場にある者」や「企業全体の事業運営に関する重要事項への関与の程度」といった裁判所の見解は確かに法律の趣旨に沿ったものですが、それが杓子定規に当てはまるのは、世間で呼ぶところの管理職=マネジャー(部課長職)を超えていわゆるディレクター(役員や取締役)に近い職責になってしまうのではないかと…。

少なくとも私の知りうる範囲では、ニッポン以外のアジア各国や欧米においていわゆるマネジャー職やスペシャリスト職(マネジャーレベルの少し手前または同格)に対し、彼らのサラリーはExempt(時間外非適用)として処遇されています。ここで注意しなければならないのは、Exemptだからと言って日本の裁量労働制度のように労働時間管理そのものから自由になるわけでは全くなく、フルタイムワーカーであれば週(例えば40時間)または年間の標準労働時間(例えば1800時間または2000時間)を勤め上げる(つまり「時間」で働く)ことが労働契約に基づいて求められるのです。

その点、上述のとおり日本の労基法上で定める「管理監督者」は文言を読むかぎり(一部の本社部長クラスを除けば)事実上の「役員・執行役」に相当するレベルにしか見えず、労基法どおり頑なに運用しようとすると「えー、じゃあニッポンでは普通のマネジャーにも本来なら残業代を支払わなければならいの?」という(他国には説明できないような)ありえない事態におちいるのです…。

果たして、私だけの感覚がズレているのか。それとも、…。 厳密な意味で「法律と現実とのズレ」ということで言えば、いま巷を騒がしている裁量労働制よりもこっちの方が大きいのではないですか。その意味で、現行労基法の「管理監督者性」なる枠組みはもはや時代にそぐわない概念なのではないかと。

「高プロ」の議論もよいですが、もっと切実で重要なのは「管理監督者性」〜こちらの概念の見直しの方が先なのではないでしょうか。

投稿: ある外資系人事マン | 2018年3月 6日 (火) 17時49分

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