« 神津里季生『神津式 労働問題のレッスン』 | トップページ | 大内伸哉・川口大司編著『解雇規制を問い直す』 »

横山真『新聞奨学生 奪われる学生生活』

341906_2 大月書店の角田三佳さんより、横山真『新聞奨学生 奪われる学生生活』を、お送りいただきました。いつもありがとうございます。

http://www.otsukishoten.co.jp/book/b341906.html

朝夕の配達に集金、慢性的な睡眠不足。必修科目も取れず、退会時即返納義務のために辞められない。過酷で矛盾に満ちた実態を描く。

著者の横山真さんは、生活保護を受給する母子家庭で育ち、なんとか高校までは来たものの、大学という壁の前で、一般の奨学金ですら入学前に入学金を賄うことができないことを知り、唯一の細道として新聞奨学生としての学生生活を送ることになります。

はじめに 新聞奨学生しか道がなかった私
1 希望と不安の大学入学
2 新聞奨学生制度とは?
3 過酷な労働と生活のリアル
4 奪われる「学生生活」
5 新聞奨学生の日々
6 辞めていく人たち、辞められない人たち――学生に必要な奨学制度とは

いや、学生生活といいましたが、生半可な学生生活ではありません。新聞は毎日、月曜から土曜まで朝刊と夕刊が配達され、日曜と祝日にも朝刊が配達されますね。それらを配達するためにはどういう仕組みになっているのか。

121ページにある1日の生活という表が載っています。

2:00-6:00  起床・朝刊作業

6:00-6:30 朝食

6:30-  仮眠

7:30- シャワー、準備、学校へ

9:00-14:30 授業

15:00-17:30 夕刊作業

18:00- 夕食後、翌日の配達準備、課題やレポート、月末は集金作業

22:00(23:00)-  就寝

まさしく、労働に支配された生活ですが、とりわけ学生生活との両立という意味で、夕刊作業の時間と4限、5限が重なることが深刻です。4限、5限に必修科目があっても、週休日は1日しか認められないからです。著者の場合、必修科目が2つあったのを、走り回って一つを別の時間帯に変えてもらえたのでよかったのですが、そうでなければ必修は取れないことになります。このあたりのディテールの描写はぜひ本書を読んでください。

なお、本書のプロモーションビデがあります。

 

|
|

« 神津里季生『神津式 労働問題のレッスン』 | トップページ | 大内伸哉・川口大司編著『解雇規制を問い直す』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/72978167

この記事へのトラックバック一覧です: 横山真『新聞奨学生 奪われる学生生活』:

« 神津里季生『神津式 労働問題のレッスン』 | トップページ | 大内伸哉・川口大司編著『解雇規制を問い直す』 »