山本陽大『第四次産業革命による雇用社会の変化と労働法政策上の課題』
JILPTの若手研究員山本陽大さんのディスカッションペーパー『第四次産業革命による雇用社会の変化と労働法政策上の課題』が公開されました。
http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2018/18-02.html
本体はこちら:
http://www.jil.go.jp/institute/discussion/2018/documents/DP18-02.pdf
主な事実発見
「IT(情報通信技術)やIoT(モノのインターネット化)、AI(人工知能)、ビッグデータ等の新たなデジタル・テクノロジーの利活用による産業構造の変化(いわゆる第四次産業革命)は、雇用・労働分野に対してどのような影響を及ぼすのか?またそれによって、どのような雇用・労働(法)政策が新たに必要とされるのか?」。本研究は、かかる問いについて、日本における問題状況を相対的に捉えるための一素材として、ドイツ連邦労働社会省が2016年11月に公表した『労働4.0・白書』を中心に、ドイツにおける上記・問題設定に対する議論状況および取り組みについて、分析・検討を行ったものである。
それによれば、①ドイツにおいては、職場も含めた社会全体のデジタル化について、既に政・労・使におけるコンセンサスが形成されており、国家による支援を受けて、労・使双方にとって利益となる形での雇用社会のデジタル化研究が行われていること、②また上記・白書を中心に、雇用社会のデジタル化によって新たな課題が生じる政策領域については、主に既存の雇用・労働法システムの骨格は維持しつつ、その部分的拡充や適用範囲の拡大・縮小によって対応するといった形での議論が行われていること、③更にクラウドワークについては、一部の労働組合によって保護や規制をめぐる積極的な取り組みが行われていること、等が明らかとなった。
政策的インプリケーション
我が国においても、一方においてドイツにおける議論や取り組みを参考にしながら、しかし他方において日・独における雇用・労働(法)システムの相違を踏まえつつ、第四次産業革命(ないしデジタライゼーション)という新たな波に適応するための雇用・労働(法)政策、およびその決定プロセスを考えてゆく必要がある。
特に、ドイツにおける“労働4.0”をめぐる議論・取り組みのうち、①労・使双方にとってwin-winとなる形での雇用社会・職場におけるデジタル技術の利活用について、国家が積極的に支援・助成を行っている点、②雇用社会のデジタル化、およびそれに伴って必要となる雇用・労働(法)政策のあり方をめぐる検討(“労働4.0”)が、あらゆるステークホルダーを参加させた集約的な議論の場(Forum)において行われている点、③第四次産業革命により変化した雇用社会においても「良質な働き方(≒ディーセント・ワーク)」を実現するために、集団的労使関係システムが重要なインフラとして位置付けられている点は、日本も学ぶべきところが大きいように思われる。
というわけで、現在世界的に注目を集めているデジタル化と労働というテーマについて、大変見通しのよい展望を与えてくれます。
なお、山本さんは既にあちこちに引っ張りだこで、昨年末12月25日には労政審労働政策基本部会でプレゼンしています。
これはその時のプレゼン資料。
その時の議事録も既にアップされているのでご参考までに。この話を聞いて疑問に思うことなどがいろいろと質疑されています。


『日本労働研究雑誌』2018年2・3月号は、毎年労働法、労働経済、労働調査の3分野で回している「学界展望」の労働経済学の番です。
昨日紹介した大内伸哉・川口大司編著『解雇規制を問い直す』ですが、後半の経済学的な部分をようやく読み終わりました。いや、ちゃんと理解したとはとても言えない状態ですが。
大内伸哉・川口大司編著『解雇規制を問い直す--金銭解決の制度設計』(有斐閣)をお送りいただきました。ありがとうございます。


水町勇一郎さんより『「同一労働同一賃金」のすべて』(有斐閣)をお送りいただきました。ありがとうございます。

『月刊人事労務実務のQ&A』2018年3月号に「雇用類似の働き方に関する検討会設置の目指すもの」を寄稿しました。
佐藤博樹・矢島洋子『新訂 介護離職から社員を守る ~ワーク・ライフ・バランスの新課題』(労働調査会)をお送りいただきました。ありがとうございます。
2016年9月に『POSSE』32号に載せた「日本型雇用と日本型大学の歪み」が、この問題について最低限考慮すべきことを簡潔に論じていますので、お蔵出ししておきたいと思います。


小野塚知二さんより『経済史』(有斐閣)をお送りいただきました。ありがとうございます。早速通読させていただきました。大変面白かったです。 












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