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2018年2月 5日 (月)

社会主義理論研究会(池袋)『ロシア革命100年を考える』

9784792795733 本ブログのコメント欄に時たま「希流」というハンドルネームで書きこまれる情況出版の服部さんという方から、雑誌『情況』の最新号と、情況選書ということで出版された本を二冊お送りいただきました。一つが社会主義理論研究会(池袋)『ロシア革命100年を考える』 という本で、もう一つが矢吹晋『沖縄のナワを解く』ですが、正直言って、どうして私にお送りいただいたのか、よくわからないところもあります。

同封されていたお手紙には、

・・・ぜひ、ブログで取り上げてください。正直どれもあまり売れておりません。ここは一度、何がダメなのかを濱口さんの視点から辛口批評していただけると非常にありがたいです。

とあるのですが、(いやだからこうして取り上げているのですが)、正直、こういうのを面白いと持って読む人も世の中には少しはいるのかなあ、という感想がでてくるだけなので。

ロシア革命本の冒頭の「はじめに」で、堀内さんが、

私がロシア革命にこだわるのは、以前から「革命」と「運動」との関係性について明らかにしたいという問題意識があったからだろう。

というその問題意識が全然共有できない私としては、ページをめくっていっても、一体それで何が言いたいのかが胸に響いてこないままなので、「何がダメなのか」も「辛口批評」も、そもそも私に求めるのが間違ってませんか?という感想しか湧いてきません。

いい読者でなくて申し訳ありませんが、せっかくお送りいただいたにもかかわらず、役に立つコメントはできそうにありません。

あえて、そうですね、ロシア革命をめぐって(今日につながる民族問題を別にしていえば)ずっと心に引っかかっているのは、ソビエトと労働組合と共産党の三題噺をどう整理したらいいのか、というのことです。ソ連でも中国でもそうですが、革命からある程度たったら、トムスキーや李立三といった労働組合主義者が反党分子として粛清されていきますが、彼らに何らかの可能性があったのかなかったのか、というのは気になっています。

プロレタリア独裁からすればブルジョワ民主主義など唾棄すべきものだとしても、肝心のプロレタリア階級の労働者の団結に基づく産業民主主義もまた唾棄すべきものなんだろうか、とか。結局彼らは、労働者が自分たちで勝手に団結して作る労働組合なんてのが大嫌いな「労働者の味方」だったのかなあ、とか。いやまあ、本書の問題関心とはすれ違う話ですが。

あと、最後の座談会みたいなので、オール電化時代で電気自動車が主流になりつつある21世紀の現代だからこそ、レーニンが言った社会主義イコール電力国家化が実現可能だという議論が出てきてますが、ちょっとそれは100年前のテーラー主義に心酔したレーニンの劣化版という感じで、あんまり感心しません。

 

 

 

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コメント

いやー、一般庶民の私なんかはそれこそ「「革命」と「運動」との関係性について」さして関心が向かないのですが、

しかし昨年11/25に放送されたETV特集「ロシア革命 100年後の真実」は、実に見ごたえ充分で、
これまでなんとなく、レーニンを継承したスターリンがソビエトをひでぇものにしちまった、と(私は)漠と思っていたところ、
実にレーニンにしてからが残酷非道で、虐殺を手段に選ぶことすら決断(暗黙に了解?)していたことを知って、(しかも虐殺相手は飢餓に苦しむ農民だったりする)
慄然とするとともに、歴史上の人間ドラマ(現実ドラマ)はやはり一筋縄ではいかないものなのだなぁ、と感じもしたのであります。

https://tvmatome.net/archives/7973

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