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2018年1月 8日 (月)

EU透明で予見可能な労働条件指令案に兼業容認規定が・・・

これは久しぶりに、ガチにEU労働法政策ネタです。だって、欧州委員会がが昨年末に公表した「EUにおける透明で予見可能な労働条件に関する指令案」の話ですから。

これについては、その直前までの状況、つまり労使への第1次、第2次協議の内容を、『労基旬報』1月5日号にやや長めに紹介しておいたところですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/eu201815-c128.html (EUにおける新たな就業形態に対する政策の試み@『労基旬報』2018年1月5日号)

そこでは触れられていなかったトピックが、今回指令案ではわざわざ1条をとって取り上げられています。それは、日本でも昨年の『働き方改革実行計画』で盛り込まれ、つい先日の検討会報告でガイドライン案が示された兼業副業の容認にかかわるトピックです。

関係の指令案その他の文書はここにアップされていますが、

http://ec.europa.eu/social/main.jsp?langId=en&catId=157&newsId=9028&furtherNews=yes

大部分は上記労基旬報に書いた中身ですが、そこになかったこんな条文が入り込んでいたのです。

Article 8
Employment in parallel
1. Member States shall ensure that an employer shall not prohibit workers from taking up employment with other employers, outside the work schedule established with that employer.
2. Employers may however lay down conditions of incompatibility where such restrictions are justified by legitimate reasons such as the protection of business secrets or the avoidance of conflicts of interests.

「Employment in parallel」って、ある雇用と並行して別の雇用が存在するというイメージの言葉なんでしょうか。まさに兼業副業ですね。

第8条
兼業副業
1 加盟国は、労働者が使用者との間で確立した労働スケジュール以外の時間において、他の使用者との間で雇用されることを、当該使用者が禁止することのないよう確保するものとする。
2 ただし、使用者はかかる制限が営業秘密の保護または利益相反の回避のような合法的な理由によって正当化される場合には不適合の条件を定めることができる。

ふむむ、なんだか、昨年末に例の検討会が示したモデル就業規則案と妙に符合していますね。もちろん、欧州委員会と日本の厚生労働省が示し合わせているなどという陰謀説みたいな話はないので、似た話がタイミングよくかち合ったということなんでしょうけど、いろいろと興味深いです。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000189518.html

  (副業・兼業)
第65条 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行う  ものとする。
3 第1項の業務が次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は  制限することができる。  ① 労務提供上の支障がある場合  ② 企業秘密が漏洩する場合  ③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合  ④ 競業により、会社の利益を害する場合

 

 

 

 

 

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