『情報労連REPORT』12月号は「賃上げ」特集
『情報労連REPORT』12月号をお送りいただきました。今号の特集は「賃上げへ動く」です。
http://ictj-report.joho.or.jp/special/
組合関係者、研究者取り混ぜて、なかなか面白い特集になっています。
賃上げ要求を継続し賃金が上がる仕組みを社会に定着させる 冨田 珠代
実質賃金の伸び悩みが課題 物価上昇局面を意識した要求を 出口 恭子
要求しないと賃金は上がらない 労働組合は「ボイス」を挙げるチャンス 玄田 有史
賃金表の変化が賃金が上がりにくい背景に ベースラインの底上げがカギ 西村 純
労働条件の趣旨、目的、性格を分析 同一労働同一賃金ガイドライン案を生かす 棗 一郎
賃金格差の要因は職場ではなく家庭にある 産業別労働組合がやるべきことは? 本田 一成
所定労働時間の短縮で確かな働き方改革を実現 味の素労働組合の要請の真の狙いは? 前田 修平
賃金表の有無が賃金格差の要因に 中小企業で賃金制度を導入しよう! 石井 繁雄
ここから始める春闘の賃金交渉 賃金実態の把握から交渉へ 春川 徹
このうち玄田さんと西村さんのは前に『人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか』を紹介したときに言及してますので、ここではむしろ、本紙で時々特集している産業別組合論との関係で、本田一成さんの文章を。
http://ictj-report.joho.or.jp/1712/sp06.html
これ、なかなか本質にズバリ踏み込むことをいっています。
産業別労働組合は、企業別労働組合が乗り越えられない課題に取り組むべきでしょう。何ができるでしょうか。的外れに聞こえるかもしれませんが私は、産業別労働組合に組合員の「家庭のあり方」を変えることを期待しています。・・・
家庭のあり方を変えるとはどういうことか?
・・・男性の労働時間を短くして、いま女性が担っている家事・育児全般を男性も同じようにする。それをやらない限り賃金格差は永遠になくなりません。
産業別労働組合の役割はここにあります。・・・
まあでも、企業別組合の寄り合いに過ぎない日本の産業別組合にそれが可能でしょうか。実は本田さんも口でいうほど簡単だとは思っていないはずですが、そこはやはりここで発破を掛けるべきところだとお考えなのでしょう。
・・・産業別労働組合には、企業別労働組合では対応が難しい課題への取り組みを期待しています。連合が「底上げ・底支え」「格差是正」を春闘で訴えるのならば、そろそろ組合員の家庭での過ごし方に首を突っ込まないといけません。遠回りのように感じるかもしれませんが、賃金の伸び悩みや、賃金格差の震源地はここにあるのですから。
あと、連載の「常見陽平のはたらく道」では、「「働き方」が食い物にされた1年 2017年の労働問題を振り返る」と、かなりの激越な口調で批判を展開していますね。
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