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2017年12月 7日 (木)

浅山太一『内側から見る 創価学会と公明党』

51s0jckyurl_sx317_bo1204203200_ 浅山太一さんより『内側から見る 創価学会と公明党』(ディスカヴァー携書)をお送りいただきました。ありがとうございます。

とはいえ、なんでhamachanのところにそういう本が送られてきたのか、と不思議に思う方もいるかもしれません。実は、浅山さんは、かつて書店勤務時代に拙著『若者と労働』を強く推薦していただいたこともあり、因縁浅からぬものがあるのです。とはいえ、本書はタイトルからもわかるように、創価学会員である浅山さんが、文字通り「内側から」創価学会と公明党を、というかむしろ、近年の公明党の政治路線に疑問を抱く創価学会員としての率直な批判を連ねた本であり、その用いられる用語にも不案内な私がうかつに批評できる本でもありません。

しかし、本書の第1章は、そうした批判の前提となる戦後創価学会に対する歴史社会学的分析が展開されており、わたくしの雇用システムの議論ともつながるところがあり、本ブログの読者にとっても目を開かれるような議論がなされています。

・・・本来の労働者階級ともいうべき庶民を組織したのは、共産党でも社民党でもなく創価学会であった・・・

つまり日本の社会民主主義の基盤となるべき革新陣営は大企業と公務員という相当に恵まれた労働者しか組織することができず、都市の貧困層は創価学会=公明党に、地方の貧農は自民党型分配システムによってその生活を広くカバーされたというわけだ。現在の自公連立政権の盤石さは推して知るべしといったところだろう。

・・・急速な工業化の中にあって、大量の都市流民や大規模なスラム街も形成されずにある程度の経済的発展と安定を両立しえたのは、農村から流入してきた大量の人々を企業と創価学会という2つの組織が吸収したことが大きい。

ところが、このメカニズムによって創価学会が急成長したのは60年代までであって、

・・・従来創価学会がカバーしていた庶民の生活領域を70年代以降は企業と核家族が覆いつくしたというのが本稿の主張である。

言ってしまえば、創価学会は会社に負けたのだ。裏を返せば、会社こそ戦後最も成功した新興宗教であるとも言えるかもしれない。

いろいろとコメントしたくなる人も多いでしょうが、ここから先はぜひ本書を直接お読みいただき、浅山さんに直接お便りしましょう。

 

 

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コメント

ご紹介ありがとうございます。
展開として強引なところがあるのは承知のうえですが、創価学会というテーマをできるだけ広い文脈につなげることを意識して書きました。
もろもろご批判いただけると幸いです。

投稿: 浅山太一 | 2017年12月 8日 (金) 00時18分

地域社会レベルでは、選挙の時に存在感があるのは公明党への投票を依頼してくる創価学会関係者ばかりであって、旧民進党関係はほとんど影すらも見えないですからね。東京の真ん中でも。日本の企業別組合が、言葉の正確な意味で企業の中だけにしか存在していないことをよく表しています。

投稿: hamachan | 2017年12月 8日 (金) 07時41分

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