« 管理職が職種でない国 | トップページ | 浅山太一『内側から見る 創価学会と公明党』 »

2017年12月 7日 (木)

鳥飼重和・小島健一 監修『社長のための残業時間規制対策』

182433日経ムックの鳥飼重和・小島健一 監修『社長のための残業時間規制対策』をお送りいただきました。

http://www.nikkeibook.com/book_detail/18243/

これまでの労務管理は通用しない!
「働き方改革」で、対応待ったなし!

政府が強力に進める「働き方改革」の最大の焦点は労働時間規制。残業時間を正確に把握するにはどうすればいいのか? 現状を放置すると何が起きるのか? そして、残業削減のために何をすればいいのか?
企業は今すぐに対策をとる必要があります!

・終業後の出張先への移動、取引先との夜の会食、終業後の上司からのメールへの回答――いずれも労働時間になる可能性があります。
・仕事の持ち帰りなどによる「隠れ残業」が横行しています。経営陣は実態を把握する必要があります。
・未払い残業代が知らぬ間に積み上がっている場合も。放置すると、莫大な額の支払いを強いられる可能性もあります。中小企業の場合、潰れかねません。
・固定残業代は、支払うべき残業代を支払わないですませられるものではありません。固定残業代に、もはやうまみはありません。
・労働時間などの規制が適用されない「管理監督者」の条件は極めて厳しいものです。ここに、未払い残業代と過労死のリスクが隠れています。
・労働時間の上限規制、勤務時間インターバル制度、高度プロフェッショナル制度など、実務に大きな影響を与える法改正の動向を解説します。
・テレワーク、AIの活用など、業務を効率化し、残業時間を減らす対策を解説。インディペンデント・コントラクター(個人業務委託)という働き方も紹介します。

というわけで、時代に乗ったムックですが、読み物として面白かったのが「SPECIAL TALKING」という座談会の部分。一つ目は鳥飼弁護士が元監督官社労士の原論さんと「ブラック企業と呼ばれないために 元最前線労働基準監督官が指摘する、企業がなすべき労働時間改革とは?」という対談。二つ目は鳥飼、小島両弁護士が扇義人、東内一明という元幹部監督官二人との座談会。これが面白い。ちょっと引用すると、

鳥飼 単刀直入に聞きます。そもそもなぜ長時間労働が生まれるのでしょう。

扇 一つには日本の終身雇用制度があると思います。ずっと同じ会社で過ごすので会社に対する忠誠心が強くなり、会社のために残業してでも一生懸命やらないといけないという気持ちが根づきます。一方、終身雇用は解雇しにくいため、従業員をあまり増やさずに仕事をやっていくことになります。・・・

東内 おそらく現場を仕切っている人は、若い頃は労働時間という観念はなかったのではないでしょうか。わたし自身も20代の監督官の頃は厳密な労働時間の算定という面では十分ではありませんでした。・・・・・若い人は多くがパートタイマーを経験していて、このような厳しい時間観念を持っています。逆に指揮監督者は、私がかつてそうであったように、古い労働時間の観念が色濃く残っていて、こういう若い人の時間の観念にいらだち、トラブルの元になっている面があると思います。

三つ目は、編者の両弁護士と向井蘭、村本浩の両弁護士と座談会。「民法改正の労働濟硏時効延長で倒産続出!?」などと脅かしています。

|
|

« 管理職が職種でない国 | トップページ | 浅山太一『内側から見る 創価学会と公明党』 »

コメント

濱口先生、ムック本のご紹介を戴きまして、どうも有難うございます。このたび「監修」と表示されてはおりますが、本文もすべて私達が書き下ろしましたので、読んで戴けたらとても嬉しいです。日経さんが許してくれたのが信じられない、経営側労働弁護士としても型破りな内容になっているかと思います。

投稿: 小島健一 | 2017年12月12日 (火) 12時36分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/72399180

この記事へのトラックバック一覧です: 鳥飼重和・小島健一 監修『社長のための残業時間規制対策』:

« 管理職が職種でない国 | トップページ | 浅山太一『内側から見る 創価学会と公明党』 »