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2017年12月27日 (水)

学校における働き方改革に関する緊急対策

先月、中間まとめが出された時点で紹介しておいた「学校における働き方改革に関する緊急対策」が昨日付で「文部科学大臣決定」として公表されました。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/29/12/__icsFiles/afieldfile/2017/12/26/1399949_1.pdf

関心を集めている部活動については、

○ 運動部活動については,「学校における働き方改革に関する総合的な方策(中間
まとめ)」を踏まえ,本年度末までに,部活動の適切な運営のための体制の整備や適切な活動時間や休養日についての明確な基準の設定,各種団体主催の大会の在り方の見直し等を含んだガイドラインを作成し,提示する。また,文化部活動に関しても運動部活動と同様にその在り方等について検討する必要があることから,ガイドラインを作成する等必要な取組を行う。
○ 部活動の顧問については,教師の勤務負担の軽減や生徒への適切な部活動指導の観点から,各校長が,教師の専門性や校務分担の状況に加え,負担の度合いや専門性の有無を踏まえて,学校の教育方針を共有した上で,学校職員として部活動の実技指導等を行う部活動指導員や外部人材を積極的に参画させるよう促す。部活動指導員については,スポーツ庁が作成予定の「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン(仮称)」を遵守すること,部活動指導員の参画が教師の働き方改革につながる取組であること等を条件として支援を行う。
○ 少子化等により規模が縮小している学校においては,学校に設置する部活動の数について,部活動指導にたけた教師の配置状況や部活動指導員の参画状況を考慮して適正化するとともに,生徒がスポーツ等を行う機会が失われることのないよう複数の学校による合同部活動や総合型地域スポーツクラブとの連携等を積極的に進めるよう促す。
○ 大会・コンクール等の主催者に対して,部活動指導員による引率や,複数の学校による合同チームや地域スポーツクラブ等の大会参加が可能となるよう,関係規定の改正等を行うよう要請する。
○ 一部の保護者による部活動への過度の期待等の認識を変えるため,入試における部活動に対する評価の在り方の見直し等の取組も検討するよう促す。
○ 各種団体主催の大会も相当数存在し,休日に開催されることも多い実情を踏ま
え,各種団体においてその現状の把握と見直しを要請する。
○ 将来的には,地方公共団体や教育委員会において,学校や地域住民と意識共有を図りつつ,地域で部活動に代わり得る質の高い活動の機会を確保できる十分な体制を整える取組を進め,環境が整った上で,部活動を学校単位の取組から地域単位の取組にし,学校以外が担うことも検討する。

ということで、まあ漸進的にということのようです。

労働関係者から見て重要なのは、「勤務時間管理の徹底・適正な勤務時間の設定」という項目で、

○ 勤務時間の管理については, 厚生労働省において「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」(平成29 年1月20 日)が示され,「使用者は,労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し,適正に記録すること」とされており,労働法制上,校長や服務監督権者である教育委員会等に求められている責務であることを踏まえ,教師の勤務時間管理を徹底する。勤務時間管理に当たっては,極力,管理職や教師に事務負担がかからないよう,服務監督権者である教育委員会等は,自己申告方式ではなく,ICTの活用やタイムカードなどにより勤務時間を客観的に把握し,集計するシステムを直ちに構築するよう促す。
○ 登下校時刻の設定や,部活動,学校の諸会議等については,教職員が適正な時間に休憩時間を確保できるようにすることを含め,教職員の勤務時間を考慮した時間設定を行うよう徹底する。
○ 部活動や放課後から夜間などにおける見回り等,「超勤4項目」以外の業務については,校長は,時間外勤務を命ずることはできないことを踏まえ,早朝や夜間等,通常の勤務時間以外の時間帯にこうした業務を行う場合,服務監督権者は,正規の勤務時間の割り振りを適正に行うなどの措置を講ずるよう徹底する。
○ 保護者や外部からの問合せ等に備えた対応を理由に時間外勤務をすることのないよう,緊急時の連絡に支障がないよう教育委員会事務局等への連絡方法を確保した上で,留守番電話の設置やメールによる連絡対応等の体制整備に向けた方策を講ずることを促す。
○ 部活動については,適切な活動時間や休養日の設定を行うためのガイドラインを示す。
○ 長期休業期間において年次有給休暇を確保できるように一定期間の学校閉庁日の設定を行うことを促す。
○ 適正な勤務時間の設定に係る取組について,各学校においては学校運営協議会の場等を活用しながら,保護者や地域の理解を得られるよう,文部科学省や各教育委員会等も,全国レベル・地域レベルのPTA連合会等の協力も得るため,必要な要請を行う。

前にも言ったことですが、労働基準法は私立学校のみならず公立学校の教職員にも原則として適用されているということが、肝心の教師や校長や教育委員会の人々によっておそらくあんまり認識されていないであろうだけに、「労働法制上,校長や服務監督権者である教育委員会等に求められている責務であることを踏まえ」という一句は熟読玩味していただく必要がありましょう。

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コメント

横書きの公用文表記では、公式には読点に「,」コンマを使うこととなっています。文化庁の元締めである文部科学省はやはり「,」ですね。ところが厚生労働省は「、」読点を使っています。hamachan先生は引用でそのあたりを厳格に守っておられますが、文部科学省が厚生労働省のガイドラインを引用するに当たって勝手に改変しているのは、いただけませんね。

投稿: ちょ | 2017年12月28日 (木) 00時47分

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